二人の模擬戦については既に基地司令の元田が知っている。
既に航空管制塔のスタッフは二人のために行動を開始している。
二人は別々の滑走路から離陸し基地の上空でドックファイトをやってもらう。
だけど一人だけ状況を飲み込めていない人がいた。
吉野大樹「なんか外が騒がしいな・・・・・・・何が起きているんだ?」
大樹である。
大樹はずっと貸された個室で今日の飛行記録を纏めていた。
その影響で外が騒がしい事に全然気がついていなかった。
だがやっと纏め終わったので集中が切れて外の状況を確認する事ができた。
吉野大樹「ラウラに電話をするか・・・・・」
と大樹はラウラの部屋に電話するが何にも反応がない。
一体何が起きているのかまったく把握できずに混乱するばかり。
しょうがない外で起きている事を確認するかと思い外に出る。
吉野大樹「何!?」
大樹は外で起きている光景に衝撃を覚える。
それはラウラのバルキリーが滑走路から離陸したと・・・・・・・
機体番号の110号機・・ラウラで間違いはない。
吉野大樹「一体何が起きているんだ?」
今起きている事を信じられない大樹。
起きている事を正確に把握すべく滑走路の方へ走る。
その二人は・・・・・・
赤松正幸「ベルタリア准尉、お互い我が軍の防空圏内の逆方向に進んでいる距離3km高度4500mに達したら反転し模擬戦を開始する。いいな?」
ラウラ「了解です。」
二人は逆の方向を進み目的地に到達しそこで反転して模擬戦を開始するというルールであった。
反転すると同時に装備された模擬ミサイルと模擬弾による激しい再現された死のゲームを開始する。
実戦であればどちらかが死ぬ。
これは訓練であっても実戦と心得る。
ラウラと赤松に課せられた精神の任務である。
キィィィィィィィィィィィィィィィン
ラウラ「そろそろ目的地・・・・・・・・・・反転!!」
ラウラと赤松は目的地に到達し反転する。
そしてそこからは・・・・・・・・・・・・
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドド
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドド
反転した瞬間最大速度でガンポッドの銃弾を放ちながら突進する。
実際の戦闘ではいつどちらかが落ちるか危険な状態であり、普通のパイロットはやりたがらない。
だがこの二人は怖い物知らずなのか、こんな危険な攻撃方法を選択し使っている。
でも結局エースパイロットいや腕と運がいいのか当たらずお互い交差し反対側に回った。
これだけでは終わらない。
赤松正幸「後ろががら空きだな。」
赤松が突然バトロイドに変形し飛行中のラウラの背後にガンポッドを向ける。
ラウラはこの位置でバトロイドに変形するとは思わず不意を突かれてしまった。
僅か数秒の差である。
一般機のパイロットならばこのように変形されて回避するのは99%難しい。
これで終わりかと思われたが・・・・・・
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドド
赤松正幸「ほう・・・・・・・・さすがはエースだな、この位置で回避するとは・・・・・・・・1%の可能性に賭けるとは称賛に価する。」
ラウラ「伊達にゼントラーディ軍でエースしていたわけじゃない、これぐらいは!!!」
ラウラは僅か1%の可能性にかけて赤松の攻撃を回避する。
通常のエースパイロットでも難しい回避をラウラはやり遂げたのであった。
この回避に対し赤松はラウラに向けて称賛に価するとほめる。
ラウラ「次は私だこの位置でミサイルを避けられると思うなよ!」
ラウラはミサイルの発射しようとする。
この位置ならば確実に仕留められる、同じパターンであるが二度も1%の可能性に賭けた奇跡は起こらない。
そう思っていたが・・・・・
ラウラ「なっ!?」
赤松は再びファイター形態に変形して急降下する。
ラウラがミサイルを展開し始めた直後であった。
ラウラ「いきなり急降下だなんて早すぎる人間業なのか?でもこの距離ならばミサイルの命中距離 シュート!!!」
そんな事を気にしないのかラウラは赤松に向けてミサイルを発射する。
いくら急降下してもこの距離でミサイルが命中しないわけではない。
ここで勝利を確信したが・・・・・・・
バッ バッ バッ バッ バッ
赤松はミサイルを回避すべくチャフ弾をばら撒く。
これで勝利を確信する事ができなくなった。
チャフの影響でミサイル数発は避けてしまうが1割程度は突破した。
残り1割でも勝利を確信することはできないがダメージが与えられる。
僅かなダメージでも少しずつ勝利に近づけねばとラウラは思っただが・・・・・・・・
グィィィン
ラウラ「ラック!?トランスフォームブレイク!?」
トランスフォームブレイクと言う第1次星間大戦のエースパイロット達が用いた戦術をミサイル衝突する10秒前に実行する。
変形した形態はバトロイド、VF-5の頭部に備え付けられた近距離バルカン砲で迎撃する。
迎撃した直後、爆炎を浴びながらラウラに銃撃しながら接近する。
ラウラは赤松の動きをきちんと見ながら銃撃を回避する。
ラウラ「赤松大尉・・・・・」
赤松正幸「確実に敵を倒すのは僅かな隙間に銃弾を通す程の技量がなければ無理だ!いくら戦闘のプロゼントラーディだが・・・・それができなければエセ戦闘のプロだ!!」
ラウラと赤松はお互いの信念をぶつけながら戦闘に挑む。
既にラウラの興奮度はミリアと模擬戦を行った時のようである。
赤松は強いが負けるわけにはいかない、ゼントラーディ人の誇りにかけても