
核拡散防止条約(NPT)は、1967年1月1日前に核兵器その他の核爆発装置を製造し、かつ爆発させた国を核保有国として定義している。国連安全保障理事会の常任理事国である米国・ロシア・英国・フランス・中国の5カ国をさす。その後に核実験を行い「核保有」を宣言したインド、パキスタンを加えた7カ国が現在の核兵器保有国。
パキスタン以外の6カ国は長射程ミサイルへの搭載が容易なプルトニウム型弾頭を保有。イスラエルは公式に認めていないが、ウラン型の開発を終えているとの見方が強い。
核軍縮を訴えるため、日本が提出していた核廃絶決議案が、11月6日の国連総会で採択されたそうである。この決議案は、毎年提出され、94年以来採択されているそうである。今年は特に、北朝鮮が10月9日に実施した核実験を非難する決議案になったのだそうだ。
この活議案は賛成167、棄権7、反対4で採択され、成立したそうである。国連加盟国は191国であるから、13カ国が欠席ということになる。賛成は全体の83.7 % ということになる。これだけの賛成がありながら、何故、核兵器を開発しようという動きが絶えないのであろうか。
今回、反対を投票したのは、米国、インド、パキスタン、北朝鮮であった。さらに棄権した国は、中国、イラン、イスラエル、エジプト、ブータン、ミャンマー、キューバであった。反対投票国は、最近、核実験を行ったか、それよりも2、3年早く核実験を行ない、現在、核保有国になるに至った国か、なることを希望している国であると考えれば、彼等は確信犯国家なのだという定義付けが可能である。しかし米国は世界で最初に核を持つに至った国である。インド、パキスタンなどとは同じ範疇に属し得ない国である。大量の核保有国であるロシア、イギリス、フランスが賛成国に入っているのに、米国が反対とは腑に落ちない。
棄権した国に、イランが入っているのは、イランが各開発中であることを意味し、イスラエルが入っているのは、イスラエルがすでに核保有国になっていることを意味する。エジプト、ブータン、ミャンマー、キューバなどは核開発を計画中だということであろうか。ただ中国が棄権の中に入っているのも理解に苦しむ点である。中国の核保有量はイギリス、フランス並みの保有量に達していると思われるのに、何故であろうか。中国には、国連での日本の活動に反発する何かがあるのであろうか。
この結果からすれば、米国にせよ、中国にせよ、核廃絶に消極的であることは確かである。中国は本音は覇権主義の国家であるから、核を戦略的手段として温存したいのであろう。中国は、相手国には核を持たせたくないのに、自国は温存しようとする。要は軍事大国のエゴである。
国連でいくら立派な決議案が可決されても、問題は、その決議がどれだけ実質的に守られ、その決議の方向に向かってどれだけ動いているか確認できなければ、この決議は無意味である。立派な決議をしたからには、その方向へ向かった実行が伴わなければ、全く意味がない。国連は単に決議するだけではなく、その方向に近づくように監視、説得する実質的な力を持つ必要がある。
(以上は、インターネットから引用)
私の周りに、広島で被爆した人(近本氏、陸軍)や真珠湾攻撃開戦の時にパイロットとして参加した人(空軍、この人の力で、佐伯市とハワイ市が、友情都市で結ばれ、その調印式に私も出席さえてもらえたが、既に、故人となられた)や、10年ほど前に亡くなった職業軍人であった叔父(海軍兵学校を卒業後に、海軍少尉として活躍、弟が戦死。小学校低学年の時から、当時の話を私は、よく聞いていた)や、東南アジアに赴いて、饑餓生活同然の生活をした叔父などがいる。
その叔父が書いた「饑餓の島」の一部を、以下に掲載します。
・・・今は、極限との闘いで、死を考える前に食うことを考えるばかりだ。戦争をしたくても、銃も弾も食料も体力も気力も底をついている。目の前の作業している姿は、子どもの時にお寺で見た地獄の絵と同じだ。肋骨の数が良く分かるし、胃の部分は膨れ、足首は大きく、栄養失調の状態だ(叔父は、この時、衛生兵として赴任)。付近の椰子林は切り尽くしてしまい、パパイヤの木の芯を食い、雑草や木に「うさぎ」なんて名前を付けて食う。・・・歳は若くても、体は老人だ。野糧収集に出たまま、体力尽きて帰って来ない人もいる。禅僧が栄養失調寸前まで、自分を律し、妻も娶らずに生涯が送れる気持ちが分かる様な気がする。・・・今は、食う為に生きるのであった、生きる為に食うのとは違う。極限の生活をした人のみが分かる言葉だ。・・・戦友や患者が亡くなって埋める時に出る言葉は、いつも、「君達は埋めてくれる人が居る間に死亡して幸せだ。自分が死んだら、誰が埋めてくれるのだろうか?」だ。・・・
(この本を書き上げて、胃ガンで非常に苦しんでいた叔父は、安心し切った感じになって、他界して行った。)