本校初の春開催運動会が無事に終了し,普通の学校生活に戻り1週間ほどが経ちました。
我々としては,
「本当に,運動会という大イベントがもう終わったんだぁ」
なんて印象があり,運動会がもうない秋にはどんな時間がやってくるんだろうと,少し安心したような,少し気の抜けたような時間を過ごしています。
一方子どもたちはどうでしょうか。
まず春開催ということで,約1ヶ月に及ぶ子どもたちの練習の様子を見ていると,やはりまだどの学年も,それ相応の姿にはなりきれないまま,新しい年の運動会を迎えてしまっているという風に,私には見えました。
まだ少し落ち着かないような雰囲気の練習が続きました。
まぁ,それでも運動会は運動会。
子どもたちがかけっこで一生懸命走って,ダンスでにこやかに踊れば,見る人も満足。
終わってみれば大成功ですからね。
我がクラス6年生にとってはどうだったでしょうか。
前にも何度か書きましたが(嘆きましたが 笑),叱られっぱなしの運動会でしたねぇ。
叱られ続け,だめだ,だめだと言われ続け,本番を迎え,勝負どころでは自分たちにできる精一杯をやり遂げました。
私の目から見ても,あれは間違いなくあの子たちにできる今のベストだったと思います。
叱られて惨めな思いをし,また叱られて悔しい思いをし,少しできるようになって自信をつけ出し,経験したことのない成功に大喜び。
大事なことは,今回の運動会の中心は自分たちだったということ。
それを忘れてほしくないです。
あれだけ大きなイベントを終えて,今子どもたちに必要なことは
運動会前の自分たちと,運動会後の自分たちを比べて,成長を実感させる!
これを欠かしたくないです。
大きなエネルギーを費やして乗り切った運動会です。
絶対に,それ以前と以後では自分たちに変化が起きているはずです。
その変化,いわゆる成長を,しっかりと自分たちで気付かせ,味わわせ,そして自信につなげさせたいものです。
集合,整列などの集団行動が迅速にできるようになった。
リレーの技能が上達した。
最上級生という立場に対する自覚が強くなった。
落ち込む友だちを励ませるようになった。
クラスで団結すればすごいことができるということに気付いた。
会場の設営や片づけ,学校のために力になることに大切さを知った。
下級生が,自分たちを憧れる目で見るようになった。
探してみれば,きっといろんな成長が起きているはずです。
子ども個々によって,またクラスによって,程度の差はあるでしょうが。
こういった成長を,運動会の時期には先生はたくさん話題にするのですが,終わってしまうと,なかなか,また運動会を振り返って話をするということができません。
もう新しい学校生活が始まっていて,ノルマはいっぱいですから。
だからといって,放っておけば子どもたちは自然と自分たちで自分たちの成長をかみしめることができるかというと,それもそうではないですね。
子どもたちはいつも前を,未来を見て生きていくものです。
だから,やっぱり先生が意図的に,そういう時間を作ってあげることが必要です。
道徳の時間にどっぷり運動会を題材にするのもいいでしょう。
学級の掲示物に,運動会を振り返る写真やコメントのコーナーを作るのもいいですね。
もしくは,普段の生活の中で,子どもたちの成長が表れたふとしたときに,それを見逃さずに
「できたね!運動会のときにできるようになったんだよね!」
とフィードバックしてあげられたら,腕のいい先生ですね。
がんばった子どもたちの喜びは,そのときだけでなく,その後何度でも味わうことができますから。