小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

「歯車の反比例」苦し紛れにやった授業は

2015-01-13 21:53:34 | 授業中の攻略法
前回の続きです。

私が大の苦手にしていた,6年生「歯車の反比例」の授業。
直前にひらめきました。

「今日の授業では,みんなに歯車になってもらいます。」
きょとんとする子どもたち。
私も苦し紛れの思いつきでしゃべっているので,ここから先の説明ももちろんノープランです。
「えーっと,まず,そうだなぁ…」
みたいな感じで。(笑)

私が思いついたのは,こうです。
子どもたちに歯車になってもらう。
歯数8個の歯車の場合,8人の子で円を作る。
そして回る。
基準となる子を一人決めて,その子に帽子をかぶせておく。
その子が何周したかを数えるようにする。

ということです。
お分かりいただけますでしょうか。
この要領で,歯車Aと歯車Bの2つの円を作り,同時に回して,その仕組みを調べるというものです。

えーっと
歯車Aは歯数8個,子ども8人で固定です。
歯車Bの方は,いろいろと歯数,人数を変えていき,歯車Aの動きとともに,どう動きが変わるかを調べます。
ここで重要なのは,歯車Aの円と,歯車Bの円が,うまく噛み合って,最後までずれることなくきちんと回ることです。
そのためにこうしました。
「2つの歯車の接点で,出会うのは二人だけです。
出会った二人は,その場でハイタッチしてください。」

私の一通りの分かりにくい説明が終わり,とりあえず子どもたちは言われるがままに机を精一杯教室の後ろに引き,広くできたスペースに二つの円,二つの歯車を作りました。
そして
「じゃあ,いくぞ!
歯車の人たち!絶対ずれるな!
見てる人たちは,ぼうしをかぶっている子が何周するかを数えるんだぞ!
よし!
よーい,スタート!」
2つの歯車がゆっくり回りだしました。

「おー」
「あはは」
「歯車だ。歯車だ。」

円になった子たちがゆっくり歩いて回るだけなので,動きにダイナミックさは何もないのですが,確かに歯車ができました。
出会ったところでハイタッチする二人がかわいいです。
「あ!歯車Aが1周したぞ!」
必死な私。
「ほら!次はBが1周した!」

当然,歯車Bは人数が増えると,回転数が減っていきました。
その様子は,黒板で表にもまとめながらいきました。
最終的には,歯車Bは歯数,人数を24人まで増やしたので,窮屈でちっとも進まない円になり,歯車Aがぐるぐる回るのと対照的で,それはそれでおもしろかったようです。

以上,私が苦し紛れにやった歯車の反比例の授業です。
いかがでしょうか。
なんの教材研究も含まれていないので,算数的に問題点がたくさん含まれるていることでしょう。

しかし,子どもたちの反応はよかったですね。
机上の算数が一転して動きのある体験的(と言えるのか?)な算数になりました。
そして,私が一番この授業で苦しんでいた
「歯車のはたらきを実感させる」
「歯数と回転数が反比例することを実感させる」
というのに,少なくとも去年までの授業よりは迫ることができたのかなと。

いやいや
何度も繰り返しますが,思いつきの授業ですので,なんの自慢をできるものもありません。
ただ,
なんというか
授業は最後の一瞬まであきらめるなと。(笑)
ぎりぎりのところまで知恵を絞り続けろということは,教訓になりました。
ときには,教科書は先行実践に頼ることなく,自分が本当に必要と思うなら思い切ったルート変更もありえるんだと。
それをやってみての良し悪しは結果としてあとから出てくるもので,それをまた次回に生かしていくものなんだと。
もし私が今回何のチャレンジもせずに,簡単に表にまとめるだけの授業をしていたら,何の結果も生まれず,何の進歩もなかったところでしょう。

「チャレンジ」

普段の授業でどれだけやっているでしょうか。
意外な展開になった授業から,また自分の普段の授業を省みるきっかけになりました。