何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

空を飛びたい、飛ばせたい

2017-07-14 23:05:05 | ひとりごと
かってに縁を感じているため、毎年少しばかり盛大に祝う、7月14日 パリ祭の日。

今日は悲喜こもごも色々あり又 帰宅も遅かったので、祝うという気分になれないまま夕食後にパソコンを立ち上げたのだが、いきなり目に飛び込んできたニュースサイトの写真の題名に、励まされた。

AFP配信のその記事は、「リニューアルオープンしたサンシャイン水族館(Sunshine Aquarium)の屋外エリアに新設された展示水槽’’天空のペンギン’’の中を泳ぎ回るペンギン」について伝えるものだったが、その写真には「空も飛べるはず」というタイトルがついていた。
http://www.afpbb.com/articles/-/3135787?cx_part=txt_topics



歌というのは、歌詞やメロディの一か所を見聞きしただけで、その歌を口ずさんでいた頃のことを強烈に甦えらせるという不思議な力を持っている。
「空も飛べるはず」(作詞作曲・草野正宗)を口ずさんでいた頃がバラ色だったわけではないが、直向に頑張っていれば努力は報われると信じるられる程度には捻くれてはおらず、奇跡のような出会いに淡い期待を抱くほどに世間知らずでもあった。
それが年を重ねるごとに、世知辛い世の中を知り 現実を突き付けられ、「世情」(中島みゆき作詞作曲)の方がしっくり来るようになってしまっている。
だが、それでも「空も飛べるはず」を聞くと、早春の田んぼに映る残雪を頂いた常念岳が目に浮かび、元気が出てくるのは、この曲が信州・松本を舞台としたドラマ「白線流し」の主題歌だったからだと思う。
そんな事を想いながら、この曲を聴いていると、なぜか井上靖氏の詩が浮かんできた。

愛する人に

洪水のように、
大きく、烈しく、
生きなくてもいい。
清水のように、あの岩陰の、
人目につかぬ滴りのように、
清らかに、ひそやかに、自ら耀いて、
生きて貰いたい。

さくらの花のように、
万朶を飾らなくてもいい。
梅のように、
あの白い五枚の花弁のように、
香しく、きびしく、
まなこ見張り、
寒夜、なおひらくがいい。

壮大な天の曲、神の声は、
よし聞けなくとも、
風の音に、
あの木々をゆるがせ、
野をわたり、
村を二つに割るものの音に、
耳を傾けよ。

愛する人よ、
夢みなくてもいい。
去年のように、
また来年そうであるように、
この新しく春の陽の中に、
醒めてあれ。
白き石のおもてのように醒めてあれ。
「井上靖全詩集」より

とは云え、パリ祭に記す想いは・・・
愛する人には、涙で夢を濡らしても、夢みつづて欲しい
愛する人には、大空を飛んで欲しい
そして私は、
愛する人を、そばで笑って応援し続けていきたい