何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

ぜんぶ、ワンコ 山 ②

2018-08-20 09:51:25 | ひとりごと
「命からがら、間一髪」 「ぜんぶ、山①」より

ワンコ 今年は ワンコのお山に登ることを諦め、目的地を槍ケ岳にしたのだけれど、
諸般の事情で、ワンコのお山を拝することは出来なかったんだよ 
そんな、お山の話はまだまだ続くとして、
今日はワンコがお空組になって二年と七カ月の、ワンコの日だから、
ワンコお勧めの本について御報告するね

今月のワンコお勧めの本にはね、何度も『哲学的に自明』という言葉がでてくるんだよ
本書では、学生が自分達に都合よい正解を、きどって『哲学的に自明』って言っているだけだから、
あまり気にしなくてもいいのかもしれないけれど、
『哲学的に自明』って、どういうことなんだろうね?



これはさ、横尾と槍沢にある標識なんだよ

ねっ、これだけでも「自明」ではないだろう?

量や距離など数値で表せるものは、一番正確を期しやすいと思うのだけど、
どうも、そうではないんだな

そのうえ、ここに感情なんてものが加わると、数値はもっといい加減になるんだよ
急坂に喘いでいる時は、「あと○○㌔」の標識は、一番短いものを信じたいし、
歩き終わって満足感に浸りたい時は、長い距離を示しているものを信じたいし、
不思議なものだね ワンコ

数値ですら、「(哲学的に)自明」とは言い難いのだから、
人の感情に、自明のものなんてなくて当然だ、と開き直っている私だから、
今月のワンコお告げの本も難解だったよ ワンコ

「終わりの感覚」(ジュリアン・ バーンズ 訳 土屋政雄)

まずタイトルからして、ドキッとしたよ ワンコ
ワンコに、もうお払い箱にされてしまったかな?ってね

ワンコはお空で楽しくしているから、私も前へ進め! ってワンコがお告げしているのかな?とか
生まれかわって他のお家で上手くやってるから、他を当たれ! ってワンコがお告げしているのかな?とか
いろいろ考えてしまったよ

それに、本書は一応、主人公の学生時代から老境にさしかかるまでの恋愛をベースにしたミステリーのようだから、
私が好むジャンルでもないだろう
ブッカー賞をとった作品とはいえ、
ワンコお告げの本でなければ、あるいは「日の名残り」(カズオ・イシグロ)の訳者でなければ、
きっと読まなかったと思うのだけど・・・・・
やっぱりワンコのお告げにしたがって、正解だったよ

本書は、人の記憶について考察されている件が度々あるのだけれど、
今、この年齢で、本書を読んでおくことには意味があったと、そう思えるんだよ ワンコ
ありがとうね ほったん

本書は、高校の歴史の授業での一場面から物語が始まり、
そこで、’’史実の記録と記憶’’と、’’混沌’’について語られているんだけど
それが、
主人公が老境にさしかかり、生きてきた記憶を手繰ろうとしたときに、深い意味をもってくるだよ

『責任の累積があり、その向こうは混沌としている』(『 』「終わりの感覚」より)

史実の記録と記憶についても、とても印象深い件があるのだけれど、
それについては、明日また少し考えてみるね 
またね ほったん