23歳、夏。グァム島。
ツアーで知り合った女の娘。
東京近郊在住。21歳。
なんとなく気が合った。
海を見ながらいろんなことを話していた。
時間はあっという間に過ぎていった。
成田空港早朝7時。
このまま家に帰るのはさみしい。
僕は彼女に思い切って言ってみた。
「せっかくだから、東京の街を案内してくれる?」
彼女はしばらくうつむいた後、笑顔で答えてくれた。
「うん。どこがいいかな、新宿、渋谷、それとも原宿?」
うれしかった。彼女といっしょならどこでもいい。
僕たちはおしゃれな喫茶店に入り、モーニングコーヒーを飲んだ後、新宿へと向かった。
新宿アルタ前。
人、人、人・・・。
その中で僕たちは手をつないで歩いていた。
まるでテレビドラマの主人公のように・・・。
東京駅新幹線ホーム。
西の空は夕焼けがきれいに映っていた。
もっといっしょに二人でいたかった。
発車のベルが二人に隙間を開ける。
車内に入ると、さみしげな彼女の姿が目に入ってきた。
「また、会おうよ。電話するから。」
扉が閉まり、手を振る彼女は愛おしいかった。
遠距離恋愛。
僕たちは電話で愛を確かめていた。
公衆電話の箱の中、100円玉は次から次へと落ちていく。
会話の途中、「ツー、ツー、ツー」。
むなしい音であった。
若かった。夢中であった。
東京へも何度か行った。
東京という街が新鮮であった。
二人でいることが楽しかった。
でも・・・、長続きはしなかった。
秋風は隙間風に変わっていた。
11月の終わりごろ、その電話はかかってきた。
公衆電話の箱の中から彼女は震えながら声をだして言った。
「もう、これで終わりにしようよ。ごめんなさい。」
なんとなく予感はしていた。
僕も声に詰まった。
冗談であってほしい。
寒い夜であった。
受話器を置いて、部屋に戻ってラジオのスイッチを入れる。
頭の中はまっ白。悲しかった。
しばらくするとオフコースの『さよなら』が流れてきた。
あまりにも今の心境とマッチしている。
「僕らは自由だね」
そんな会話も二人で楽しくしていた。
♪さよなら さよなら さよなら もうすぐ外は白い冬
愛したのはたしかに君だけ そのままの君だけ
過ぎ去った青春の1ページ。
思い出はもう、ポケットに入るぐらいの大きさになっている。
ツアーで知り合った女の娘。
東京近郊在住。21歳。
なんとなく気が合った。
海を見ながらいろんなことを話していた。
時間はあっという間に過ぎていった。
成田空港早朝7時。
このまま家に帰るのはさみしい。
僕は彼女に思い切って言ってみた。
「せっかくだから、東京の街を案内してくれる?」
彼女はしばらくうつむいた後、笑顔で答えてくれた。
「うん。どこがいいかな、新宿、渋谷、それとも原宿?」
うれしかった。彼女といっしょならどこでもいい。
僕たちはおしゃれな喫茶店に入り、モーニングコーヒーを飲んだ後、新宿へと向かった。
新宿アルタ前。
人、人、人・・・。
その中で僕たちは手をつないで歩いていた。
まるでテレビドラマの主人公のように・・・。
東京駅新幹線ホーム。
西の空は夕焼けがきれいに映っていた。
もっといっしょに二人でいたかった。
発車のベルが二人に隙間を開ける。
車内に入ると、さみしげな彼女の姿が目に入ってきた。
「また、会おうよ。電話するから。」
扉が閉まり、手を振る彼女は愛おしいかった。
遠距離恋愛。
僕たちは電話で愛を確かめていた。
公衆電話の箱の中、100円玉は次から次へと落ちていく。
会話の途中、「ツー、ツー、ツー」。
むなしい音であった。
若かった。夢中であった。
東京へも何度か行った。
東京という街が新鮮であった。
二人でいることが楽しかった。
でも・・・、長続きはしなかった。
秋風は隙間風に変わっていた。
11月の終わりごろ、その電話はかかってきた。
公衆電話の箱の中から彼女は震えながら声をだして言った。
「もう、これで終わりにしようよ。ごめんなさい。」
なんとなく予感はしていた。
僕も声に詰まった。
冗談であってほしい。
寒い夜であった。
受話器を置いて、部屋に戻ってラジオのスイッチを入れる。
頭の中はまっ白。悲しかった。
しばらくするとオフコースの『さよなら』が流れてきた。
あまりにも今の心境とマッチしている。
「僕らは自由だね」
そんな会話も二人で楽しくしていた。
♪さよなら さよなら さよなら もうすぐ外は白い冬
愛したのはたしかに君だけ そのままの君だけ
過ぎ去った青春の1ページ。
思い出はもう、ポケットに入るぐらいの大きさになっている。