高校生のころの夏休み。
中学や小学校のころと違って夢があった。
♪いつも君のあとから長い影をふんで
いつも君のあとからついてゆきたい
どこへ行くあてもなく ぼくたちは よく歩いたよネ
夏の街の夕暮れ時は 泣きたいほど淋しくて
ぼくひとりでは とてもやって
ゆけそうもないヨ
好きな女の子とデートをしたい。
海に行きたい。
名古屋の繁華街を二人で歩きたい。
夏の思い出を作りたい。
そんな夢を持っていた。
♪君の好きなミセスカーマイケル
ぼくもいいと思うヨ
夏休みが終わったらもう逢えなくなるネ
そうしたら時々 なつかしいミセスの 話をしようヨ
夏の街の夕暮れ時は 泣きたいほど淋しくて
君ひとりでは とてもやって ゆけそうもないから
好きだった彼女と名古屋の街を二人で歩いた。
目的もなくただただ歩いた。
沈黙もあったかもしれない。
二人で歩いているのが嬉しかった。
でもどこかで別れを予感していた。
♪どこへ行くあてもなく ぼくたちは よく歩いたよネ
夏の街の夕暮れ時は 泣きたいほど淋しくて
ぼくひとりでは とてもやって
ゆけそうもないヨ
夕暮れ時、淋しさを感じた。
予感は的中した。
見事にふられた。
最初で最後のデートになった。
森田童子さんの『淋しい雲』を聴くと
18歳の夏休みの思い出が蘇る。
森田童子/07 淋しい雲