尊富士の優勝に泣いた

大相撲三月場所千秋楽
優勝争いは12勝2敗の尊富士と3敗の大の里の二人に絞られていた。

尊富士が勝てば当然優勝なのだが・・
昨日の朝乃山との対戦で負傷し、
車いすに乗って退場したという経緯がある。

本日、土俵に上がれるのか？・・
勝敗以前に、そこが心配だった。

中入り後の土俵入りでは、右足にテーピングをしながらも
雄姿を披露した。

地元大阪出身の豪ノ山との一番。
相手も心中たいへんなプレッシャーだったろう。

だが、ともに正面から全力で向き合い
気合の入った大一番だった。

尊富士が勝った瞬間、私はTVの前で吠えた。
そして、涙があふれてきた。


新年早々、能登の地震にはじまり、政治家の裏金問題、
さらに、昨日は大谷氏の通訳水原氏の違法賭博問題・・と
なかなかいいニュースがない。

尊富士の優勝は、社会がどうあれ、
自分自身がどう生きるか、自分自身とどう向き合うか
それが一番大事だということを体現した。
そしてその尊さを私たちに気付かせてくれた。


尊富士は青森県五所川原市出身だという。

五所川原市は青森県の西部の街で、冬は雪深い。
20年くらい前に仕事で訪れた時、
五所川原の有名人として、
太宰治と吉幾三がいることを現地の人が教えてくれた。

記録にも記憶にも残る新入幕での優勝。
今後は五所川原市の誇る人物として尊富士がその名を刻むだろう。