面白いから読んでみてと知人に紹介された本。
表紙からいって漫画かなと思ったけれど、
SF的小説でした。
信長が生れたところから始まるのですが、
幼少期の記述は、
NHK大河ドラマの「染谷信長」に重なりました。
SF的小説といったのは、
信長にしか見えないさくやが登場することです。
さくやは猫になったりリスになったり鷹になったりにするのですが、
そのさくやに連れられ、
信長が縄文時代などに行っちゃえるのです。
縄文まで時代をさかのぼって、
さくやに教えられながら、
権力を欲しがって戦ってきた歴史を学ぶのですが、
沢山の人たちがひどい目にあってきたのだと、
信長は考え、
俺は戦のない世の中を作りたい。
縄文時代のような世の中を作りたい。
竹千代(家康)手伝ってくれ。
ここから『縄文を創った男たち』の題名がきています。
私たちが知っている戦国時代の歴史と、
ほぼ同じなのですが、
この本では光秀も、
殺されたはずの信長も生きているのです。
先のNHK大河では、
光秀は生きているという設定でしたね。
大河は関係なくも、
信長は本能寺から脱出して生きているという説はありますね。
首が見つからなかったのですし。
本のプロローグにはこうあります。
私はさくや、
私は今アリウス星雲からあなたにはなしかけています。
聞こえているかしら?
私は昔、
地球にいるひとりの男の子と、
ある約束をしたの。
その子は私に、
「戦いのない、平和な世を創るにはどうしたらいいかを教えてほしい」
と言ったわ。
私は、「いいわ、教えてあげる」とその子に答えた。
その子の名前は、
織田信長。
バカバカしいとおっしゃる方もおられるでしょう。
でも歴史って、
色々な方面から読むのもいいものですからね。
でもね戦いのなかった縄文時代を、
美化しているところを読んだ時には、
私はルソーの、
『人間不平等起源論』を思い出しました。
『新エロイーズ』『社会契約論』『エミール』などを著し、
ルソーの思想はルソーの死後に、
フランス革命にも影響を与えたのですけれどね。
さて、
プロローグの続き。
織田信長。
そう、
天下を統一した男の子。
あれ、
信長は途中で暗殺されたから、
天下を統一した人じゃないでしょう?って思った?
それは表の歴史。
実は、
天下を統一したのは信長君なの。
信長君がすべてを計画したの。
そして、
信長君の平和な国を創りたいという強い思いに、
一緒に歩んでくれた仲間がいた。
それが秀吉君と家康君・・・
この三人で、
260年もの間戦争のない、
平和で豊かな江戸時代を築いていったのよ。
(青文字は著書より)
この本の中では、
本能寺の変は芝居であり、
信長は信州(長野県)で生きているんです。
信長・濃姫・秀吉・ねね・家康・光秀が、
信州で一堂に会する場面も、
あります。
秀吉が亡くなってからは、
信長・濃姫・家康・ねね・光秀(僧侶となり天海)の5人で、
話す場面もあるのですが、
ねねさんが大阪から長野まで往復するのに、
何日かかったんだろうと、
思ったり。
お百姓の恰好で信長宅に出入りしたようですけど、
ねねさん、
そのころは50歳を超えていたのでは?
お付を連れていけば、
信長の生存がバレるわけですから、
せいぜいお供は侍女一人?
籠や馬は無理でしょうし。
そんなことを考えながら面白く読みました。
ただ戦いのない世とは言っても、
私は、
縄文時代にも、
江戸時代にも帰りたいとは思わないですけれどね。
土日コメント欄閉じてます。