11月18日に奈良県立美術館で開催中の「磯江毅=グスタボ・イソエ マドリード・リアリズムの異才」展を見てきました。

この展覧会は、今年7月にNHKの日曜美術館のアートシーンで練馬区立美術館で開催されていた同名の展覧会の紹介を見て以来、関西にくるのを心待ちにしていました。日経新聞でも紹介されていたので皆さんもご覧になられたかと思います。
まあとにかくすごい画業でした。圧倒されました。並みの言葉では言い表せない迫力と芸術性に、言葉もなく立ち尽くすばかりでした。
最初こちらの事情で、初期のデッサン画群の特別展示から見始めたのですが、画家生活をスタートした時期から、貪欲に対象の内面にまで迫る気迫をもってデッサンに励んでいたことがよくわかりました。
展示されたものはデッサンといってもみんな完成度が高く、立派な作品になっていると思います。
その後本展の会場に行きました。とにかくすごいというしかありません。圧倒的な描写力です。細密画とか写実主義などという言葉を超えて、人物画も静物画も徹底的な描写力が観るものを圧倒します。
単に細かいところまで描いているといったものではありません。
それなら写真でもいいと思います。
磯江さんの作品は、描かれている対象の表面的な形質を突き抜けて、描かれた対象そのものがたどってきたそれぞれの時間や、人物ならその人の内面の世界も併せて表現されていると言った感じです。小品も大作も同じように作者の物自体の存在への探究心が凝縮されて詰まっていて、そのオーラに圧倒されます。
スペインで画家としてのスタートを切って、現地での画壇に認められて、やがて世界的な評価を得るとともに日本での本格的な活動を始めたばかりの53歳で病死。余りにも早く、本当に残念です。
代表作「新聞の上の裸婦」(150×182)や「深い眠り」(100×182)などの裸婦像は、計算しつくされた構図と正確きわまる細密描写によって崇高な精神性と厳粛ささえ感じる大作です。
以下は会場で買い求めた絵葉書をスキャンしたものです。
「新聞の上の裸婦」(絵葉書)↓背景の新聞の記事や写真も再現されています!

「深い眠り」(絵葉書)↓

ただ作品としては静物画が主なようで、そのどれもが質感にこだわって徹底的に細部を描ききっています。例えばドライフラワーの薔薇などは、枯れた葉の葉脈や花弁の細かな襞、細い枝の表面の微細な筋まで正確に描かれています。古酒の瓶に積もった埃や古い食器の錆などもリアルに再現されています。
まさにこの展覧会のテーマである磯江自身の「物は見ようとしたときにはじめて見えてくる」という言葉どおりの作品ばかりでした。
19世紀タラベラ焼と葡萄(絵葉書)↓

静物(板の上の葡萄と4つの柘榴)(絵葉書)↓

カルバドスムーラン1920と18世紀タラベラ焼(絵葉書)↓

見終わって、日常の雑事から離れて精神が洗われる思いでした。
作品のすべてを鑑賞するために、ぜひ愛用の双眼鏡などを持参されたらいいと思います。会場でも無料で双眼鏡の貸し出しがされていますが、使い慣れないせいかよく見えなかったのが残念でした。
会場の奈良県立美術館は初めてでしたが、事前に障害者であることなどを電話で告げて駐車場などの状態をお聞きしたら、懇切丁寧に説明していただきました。当日もスタッフの皆さんにきめ細かく配慮していただき、ありがたかったです。
会場の混雑が心配でしたが、いつものとおり今回も朝早く出かけたおかげで、前半は会場にはまだ人が少なく、ゆっくりと作品を鑑賞することが出来ました。私たちが見終わって帰るころになって人の数も増えてきました。
絵葉書と本格的に編集された図録を買って、正午過ぎに会場を後にしました。

途中昼食のためにここに寄りました。
いつも奈良からの帰り道沿いに看板を見ていて気になっていたのですが、前回立ち寄ってすっかり気に入ったので、今回は迷わず車を止めました。
最初は暖簾のかかった門や立派な庭、本格的な和風の店構えでちょっと財布が心配になりましたが、心配無用でした。

小鉢セットが一番のお勧めで、1200円です。


昼にはちょうどいい分量で一つ一つおいしく見た目もきれいで楽しめました。
スタッフの方もみんな丁寧な応対で気持ちがいいです。法隆寺にも近いためか遠方からのお客さんもいて、ほぼ満席に近い盛況振りでした。
この日は、久しぶりに期待以上にすばらしい展覧会を見て、おいしい昼食も楽しめて、充実した一日になりました。
関西にお住まいの方、ぜひ特別展 磯江 毅=グスタボ・イソエをご覧ください。絶対にお勧めです。12月18日まで開催されています。


この展覧会は、今年7月にNHKの日曜美術館のアートシーンで練馬区立美術館で開催されていた同名の展覧会の紹介を見て以来、関西にくるのを心待ちにしていました。日経新聞でも紹介されていたので皆さんもご覧になられたかと思います。
まあとにかくすごい画業でした。圧倒されました。並みの言葉では言い表せない迫力と芸術性に、言葉もなく立ち尽くすばかりでした。
最初こちらの事情で、初期のデッサン画群の特別展示から見始めたのですが、画家生活をスタートした時期から、貪欲に対象の内面にまで迫る気迫をもってデッサンに励んでいたことがよくわかりました。
展示されたものはデッサンといってもみんな完成度が高く、立派な作品になっていると思います。
その後本展の会場に行きました。とにかくすごいというしかありません。圧倒的な描写力です。細密画とか写実主義などという言葉を超えて、人物画も静物画も徹底的な描写力が観るものを圧倒します。
単に細かいところまで描いているといったものではありません。
それなら写真でもいいと思います。
磯江さんの作品は、描かれている対象の表面的な形質を突き抜けて、描かれた対象そのものがたどってきたそれぞれの時間や、人物ならその人の内面の世界も併せて表現されていると言った感じです。小品も大作も同じように作者の物自体の存在への探究心が凝縮されて詰まっていて、そのオーラに圧倒されます。
スペインで画家としてのスタートを切って、現地での画壇に認められて、やがて世界的な評価を得るとともに日本での本格的な活動を始めたばかりの53歳で病死。余りにも早く、本当に残念です。
代表作「新聞の上の裸婦」(150×182)や「深い眠り」(100×182)などの裸婦像は、計算しつくされた構図と正確きわまる細密描写によって崇高な精神性と厳粛ささえ感じる大作です。
以下は会場で買い求めた絵葉書をスキャンしたものです。
「新聞の上の裸婦」(絵葉書)↓背景の新聞の記事や写真も再現されています!

「深い眠り」(絵葉書)↓

ただ作品としては静物画が主なようで、そのどれもが質感にこだわって徹底的に細部を描ききっています。例えばドライフラワーの薔薇などは、枯れた葉の葉脈や花弁の細かな襞、細い枝の表面の微細な筋まで正確に描かれています。古酒の瓶に積もった埃や古い食器の錆などもリアルに再現されています。
まさにこの展覧会のテーマである磯江自身の「物は見ようとしたときにはじめて見えてくる」という言葉どおりの作品ばかりでした。
19世紀タラベラ焼と葡萄(絵葉書)↓

静物(板の上の葡萄と4つの柘榴)(絵葉書)↓

カルバドスムーラン1920と18世紀タラベラ焼(絵葉書)↓

見終わって、日常の雑事から離れて精神が洗われる思いでした。
作品のすべてを鑑賞するために、ぜひ愛用の双眼鏡などを持参されたらいいと思います。会場でも無料で双眼鏡の貸し出しがされていますが、使い慣れないせいかよく見えなかったのが残念でした。
会場の奈良県立美術館は初めてでしたが、事前に障害者であることなどを電話で告げて駐車場などの状態をお聞きしたら、懇切丁寧に説明していただきました。当日もスタッフの皆さんにきめ細かく配慮していただき、ありがたかったです。
会場の混雑が心配でしたが、いつものとおり今回も朝早く出かけたおかげで、前半は会場にはまだ人が少なく、ゆっくりと作品を鑑賞することが出来ました。私たちが見終わって帰るころになって人の数も増えてきました。
絵葉書と本格的に編集された図録を買って、正午過ぎに会場を後にしました。

途中昼食のためにここに寄りました。
いつも奈良からの帰り道沿いに看板を見ていて気になっていたのですが、前回立ち寄ってすっかり気に入ったので、今回は迷わず車を止めました。
最初は暖簾のかかった門や立派な庭、本格的な和風の店構えでちょっと財布が心配になりましたが、心配無用でした。

小鉢セットが一番のお勧めで、1200円です。


昼にはちょうどいい分量で一つ一つおいしく見た目もきれいで楽しめました。
スタッフの方もみんな丁寧な応対で気持ちがいいです。法隆寺にも近いためか遠方からのお客さんもいて、ほぼ満席に近い盛況振りでした。
この日は、久しぶりに期待以上にすばらしい展覧会を見て、おいしい昼食も楽しめて、充実した一日になりました。
関西にお住まいの方、ぜひ特別展 磯江 毅=グスタボ・イソエをご覧ください。絶対にお勧めです。12月18日まで開催されています。
