今回も道はすいていて、時間通りに、兵庫県立芸術文化センターの駐車場につきました。
ミュージカル・「ア ソング フォー ユー」、出演者は 川平慈英、春野寿美礼、松本紀保、吉沢梨絵、大和田美帆、杜けあき、羽場裕一、山口賢貴、上田悠介、尾藤イサオ、上條恒彦と、実力派を起用した豪華メンバーでした。
演奏も生バンドでよかったです。
ストーリーはベトナム戦争終結を前にした男女の青春を、全編カーペンターズの曲で綴るというもの。
私はてっきり春野寿美礼が主演かと思っていましたが、フィナーレのあいさつの順を見て川平慈英が主演とわかりました。(笑)
幕が上がると、舞台奥に米軍機の垂直尾翼と格納庫のシルエットが浮かび上がり、それを鉄条網付のネットフェンスが取り囲み、そこが横田基地の敷地境界であることを示しています。
その境界ぎりぎりに建てられた米兵相手のライブハウス「ビレッジ」がミュージカルの舞台です。
■ストーリー■
ベトナム戦争末期の1974年、次々と轟音を響かせて米軍機が離陸していく横田基地。ロックシンガーの征司(川平慈英)が、ライブハウスのオーディションを受けにやってくるところから話は始まります。
当時はベトナム反戦運動も下火となってきていましたが、征司はまだ反戦の意思を伝えようとロックを歌い続けています。
そして仕事を解雇されたのを機に、ライブハウスに出演して直接米兵に「ラブ・アンド・ピース」のメッセージを届けようとします。
一方、かつて学生運動のリーダーだった過去を持つ翔子(春野寿美礼)は、今はアメリカ兵の集うライブハウスでカーペンターズを歌う日々を送っています。
翔子とともに歌うケイ(吉沢梨絵)とミチル(松本紀保)も、それぞれに心の傷を持っていて、それを癒すためにグループでカーペンターズを歌っています。
ただ、そのあたり、3人の過去の生活があまり掘り下げられていないため、3人の人物像のイメージがつかめないのがプチ不満でした。それぞれ結構重い過去を抱えているはずなのに、どうしてカーペンターズの、どちらかといえば軽く明るい曲想がなじむのかがわからなかったのです。
話の筋に戻しますが、カーペンターズが大嫌いな征司と翔子は最初激しく反発しあいますが、次第に征司は翔子に惹かれていきます。
そこに突然、翔子の元恋人で、かつては翔子と一緒に学生運動に携わっていた国枝(羽場裕一)が登場します。今はレコード会社の敏腕プロデューサーとなった彼は、翔子にレコードを出してメジャーレビューすることを勧めるところから、関係者に波紋を広げていきます。
翔子役の春野寿美礼は、宝塚の現役時代、高く張りのある美声が魅力でしたが、劇中のショーでも「トップ オブ ザ ワールド」などカーペンターズの名曲を次々と歌い上げて、変わらぬ歌唱力を披露していました。
ただ前から私は、春野寿美礼は普通の人間の役が似合わない役者だと思っていました(笑)が、やはり今回の舞台を見ても、その印象が変わりませんでしたね。
(一昨年1月に春野主演の「ファニー・ガール」を見て確信しました。)
対する征司役の川平は、一途なロックシンガーを演じてその底抜けな明るさで舞台を活気づけています。
でも、今回の舞台を見て一番印象深かったのは、主役二人ではなくて、脇を固めるライブハウスのマスター、ハンク(尾藤イサオ)とママの泰子(杜けあき)夫婦と、コックのジョーを演じる上條恒彦の3人でした。
いつものことですが、私は主役の二人以外の出演者については、実際に幕が上がるまで知らなかったのですが(笑)、この3人が出てきて安心しました。(杜けあきさんも本当に久しぶりに元気なお姿を拝見しました。)
3人の持ち味がよく出ていて、その渋い演技と深みのある歌唱力で、やや単調な話の展開に厚みが出ていました。
それで途中から話はどうでもよくなって、もっぱらママとコックの歌がいつ始まるかということだけに気を取られていました。(笑)
本当にこの3人の歌をもっともっと聞きたかったです。でも残念ながらこの人たちの歌は少なくて、ちょっとがっかりでした。しかしその少ない歌の場面でも、上条恒彦も杜けあきもさすがにうまかったですね~。改めて見直しました。
実際もっと歌ってくれていたら、最後に絶対スタンディングしていたと思います。(笑)
会場は満席で盛況でした。
登場人物がちょうど私たち団塊の世代になるので、観客も私たちと同世代の方々が多く目につきました。まあストーリーも40年近く前の話で、売り物のカーペンターズにしても、リアルタイムに聞いていた人は今や50歳台以上の世代になってしまうので当然ですね。
劇中のファッションや、川平が仕事で売っていた「グッズ」なども懐かしく、ノスタルジックなカーペンターズのメロディと相まって、観劇しながらいろいろなことを思い出していた人が多かったことと思います。
日時 2012年1月8日(日)
開演 12:00 (開場 11:30)
会場 阪急中ホール
■スタッフ
監修 栗山 民也
脚本・作詞・演出協力 鈴木 聡
上演台本・作詞・演出 菅野こうめい
音楽 久米 大作
次の観劇予定は21日の宝塚花組・「復活」です。
ミュージカル・「ア ソング フォー ユー」、出演者は 川平慈英、春野寿美礼、松本紀保、吉沢梨絵、大和田美帆、杜けあき、羽場裕一、山口賢貴、上田悠介、尾藤イサオ、上條恒彦と、実力派を起用した豪華メンバーでした。
演奏も生バンドでよかったです。
ストーリーはベトナム戦争終結を前にした男女の青春を、全編カーペンターズの曲で綴るというもの。
私はてっきり春野寿美礼が主演かと思っていましたが、フィナーレのあいさつの順を見て川平慈英が主演とわかりました。(笑)
幕が上がると、舞台奥に米軍機の垂直尾翼と格納庫のシルエットが浮かび上がり、それを鉄条網付のネットフェンスが取り囲み、そこが横田基地の敷地境界であることを示しています。
その境界ぎりぎりに建てられた米兵相手のライブハウス「ビレッジ」がミュージカルの舞台です。
■ストーリー■
ベトナム戦争末期の1974年、次々と轟音を響かせて米軍機が離陸していく横田基地。ロックシンガーの征司(川平慈英)が、ライブハウスのオーディションを受けにやってくるところから話は始まります。
当時はベトナム反戦運動も下火となってきていましたが、征司はまだ反戦の意思を伝えようとロックを歌い続けています。
そして仕事を解雇されたのを機に、ライブハウスに出演して直接米兵に「ラブ・アンド・ピース」のメッセージを届けようとします。
一方、かつて学生運動のリーダーだった過去を持つ翔子(春野寿美礼)は、今はアメリカ兵の集うライブハウスでカーペンターズを歌う日々を送っています。
翔子とともに歌うケイ(吉沢梨絵)とミチル(松本紀保)も、それぞれに心の傷を持っていて、それを癒すためにグループでカーペンターズを歌っています。
ただ、そのあたり、3人の過去の生活があまり掘り下げられていないため、3人の人物像のイメージがつかめないのがプチ不満でした。それぞれ結構重い過去を抱えているはずなのに、どうしてカーペンターズの、どちらかといえば軽く明るい曲想がなじむのかがわからなかったのです。
話の筋に戻しますが、カーペンターズが大嫌いな征司と翔子は最初激しく反発しあいますが、次第に征司は翔子に惹かれていきます。
そこに突然、翔子の元恋人で、かつては翔子と一緒に学生運動に携わっていた国枝(羽場裕一)が登場します。今はレコード会社の敏腕プロデューサーとなった彼は、翔子にレコードを出してメジャーレビューすることを勧めるところから、関係者に波紋を広げていきます。
翔子役の春野寿美礼は、宝塚の現役時代、高く張りのある美声が魅力でしたが、劇中のショーでも「トップ オブ ザ ワールド」などカーペンターズの名曲を次々と歌い上げて、変わらぬ歌唱力を披露していました。
ただ前から私は、春野寿美礼は普通の人間の役が似合わない役者だと思っていました(笑)が、やはり今回の舞台を見ても、その印象が変わりませんでしたね。
(一昨年1月に春野主演の「ファニー・ガール」を見て確信しました。)
対する征司役の川平は、一途なロックシンガーを演じてその底抜けな明るさで舞台を活気づけています。
でも、今回の舞台を見て一番印象深かったのは、主役二人ではなくて、脇を固めるライブハウスのマスター、ハンク(尾藤イサオ)とママの泰子(杜けあき)夫婦と、コックのジョーを演じる上條恒彦の3人でした。
いつものことですが、私は主役の二人以外の出演者については、実際に幕が上がるまで知らなかったのですが(笑)、この3人が出てきて安心しました。(杜けあきさんも本当に久しぶりに元気なお姿を拝見しました。)
3人の持ち味がよく出ていて、その渋い演技と深みのある歌唱力で、やや単調な話の展開に厚みが出ていました。
それで途中から話はどうでもよくなって、もっぱらママとコックの歌がいつ始まるかということだけに気を取られていました。(笑)
本当にこの3人の歌をもっともっと聞きたかったです。でも残念ながらこの人たちの歌は少なくて、ちょっとがっかりでした。しかしその少ない歌の場面でも、上条恒彦も杜けあきもさすがにうまかったですね~。改めて見直しました。
実際もっと歌ってくれていたら、最後に絶対スタンディングしていたと思います。(笑)
会場は満席で盛況でした。
登場人物がちょうど私たち団塊の世代になるので、観客も私たちと同世代の方々が多く目につきました。まあストーリーも40年近く前の話で、売り物のカーペンターズにしても、リアルタイムに聞いていた人は今や50歳台以上の世代になってしまうので当然ですね。
劇中のファッションや、川平が仕事で売っていた「グッズ」なども懐かしく、ノスタルジックなカーペンターズのメロディと相まって、観劇しながらいろいろなことを思い出していた人が多かったことと思います。
日時 2012年1月8日(日)
開演 12:00 (開場 11:30)
会場 阪急中ホール
■スタッフ
監修 栗山 民也
脚本・作詞・演出協力 鈴木 聡
上演台本・作詞・演出 菅野こうめい
音楽 久米 大作
次の観劇予定は21日の宝塚花組・「復活」です。