フェリー会社は、後年スコットランドでたびたび利用したカレドニアン・マックブレイン、通称カルマックの、割合大きいフェリーでした。
「割合」大きかったので、まさか目と鼻の先の対岸に渡るだけとは思わず、それなりに船旅をゆっくり楽しめるものと、みんな思っていました。よく見たら対岸にカイラーキンの港が見えていたのですが。
個人旅行なら当然事前に地図を見たりしてコースの知識はあるのですが、そこはお任せツアーのお気楽なところ、しかも添乗員さんやガイドさんからも乗船時間などの説明がなかったのです。というか、彼らも知らなかったのでしょう。
フェリー乗り場でバスを降りて、全員徒歩でフェリーに乗り込みました。バスも船員に誘導されて船に乗りました。
みんな思いがけない船旅で、てんでに甲板のいすに座って、心地よい海風に吹かれながら談笑していました。
ところが案に相違して、船旅はほんの数分程度でした。乗降に要する時間のほうが長いくらいで、走りだしたと思ったらもう対岸に着いてしまったので、みんな拍子抜け。
「何だ、もう着いたのか」などとといいながら船を降りました。バスも間もなく下りてきました。乗船時間の短さは、子供のころに伊勢で乗った真珠島の渡船といい勝負です。
再びバスに乗り込んで、いよいよ島内観光が始まると思いきや、なんと7人足りないのです。どうしたのかと思っていたら、誰かが「船に乗ったまま下りてきていないよ」と。
そう、この人たちはフェリーから下りなかったのです。7人を乗せたまま、フェリーは再び戻っていきます。
後から聞いた話では、まさかそんなに早く着くとは思わず、船室内でゆっくり休んでいたそうです。そして、船が着いたのは途中の寄港地だと思い、そのまま乗っていたので、もとのカイル・オブ・ロハーシュに戻ってしまったのです。
添乗員さんやガイドさんも、船内に客が残っているのに気が付かなかったようです。
お二人とも、あまり一行の状態の把握に努めているようには見えなかったですね。よくいえば自然体というか、旅を楽しんでいるというか、まあ私たち二人を除けば、ツアー参加者が旅慣れた人が多かったこともあるようですが。
しかし、さすがにこれには呆れるより笑ってしまいました。再び船が戻って来るまで出発はおあずけ。防波堤の上で、フェリーが戻ってくるのをみんなで注視していました。
これでまた40分ほどの遅れです。もう予定より3時間も遅れています。
しばらく待ったら、フェリーがまた戻ってきて、無事7人が降りてきて、ようやく全員揃いました。さすがに7人は気恥ずかしかったのか、硬い表情でした。
そしていざ出発となったのですが、今度はなんとバスの運転手が「運転できない」といいだしたのです。なんでもイギリスの法律では、連続して何時間か運転したら必ず休憩を取らなければならないというのです。言われてみれば当然ですが、今から休憩されたら更に遅れてしまうので、みんななんとか運転してもらおうと、「みんなでチップを集めて頼もうよ」とか、可愛らしいことを言い合っていました。
運転手さんも日程の遅れを考えて気を取り直したのか、間もなくバスは走りだしました。このとき、午後3時を過ぎていましたが、昼食はまだでした。私たちも次々と起こる騒動で、すっかり空腹も忘れていたのです。
食事はブロードフォードのホテルでしたが、ホテル側も、待てど暮らせど来ないので、やきもきしたことでしょうね。
メニューはなんとフィッシュ・アンド・チップス!でした。でも、魚が新鮮だったので、空腹だったことを差し引いても、おいしかったです。
それから、スカイ島の雄大な風景を見ながら南西端のエルゴールで行き、そこの小さな村でバスを降りて、景色を楽しみました。
本来ならまだまだ見どころがあるスカイ島ですが、すでに4時を過ぎていたので、そこからUターンして、今夜の宿のあるアビィモアに向かいました。
宿に着いたのは9時前でしたが、そこは夏のイギリス、日は長くまだまだ明るかったのがせめてもの慰めでした。
このあと、ハイランドから南下しますが、この旅、前途多難の予感です。
「割合」大きかったので、まさか目と鼻の先の対岸に渡るだけとは思わず、それなりに船旅をゆっくり楽しめるものと、みんな思っていました。よく見たら対岸にカイラーキンの港が見えていたのですが。
個人旅行なら当然事前に地図を見たりしてコースの知識はあるのですが、そこはお任せツアーのお気楽なところ、しかも添乗員さんやガイドさんからも乗船時間などの説明がなかったのです。というか、彼らも知らなかったのでしょう。
フェリー乗り場でバスを降りて、全員徒歩でフェリーに乗り込みました。バスも船員に誘導されて船に乗りました。
みんな思いがけない船旅で、てんでに甲板のいすに座って、心地よい海風に吹かれながら談笑していました。
ところが案に相違して、船旅はほんの数分程度でした。乗降に要する時間のほうが長いくらいで、走りだしたと思ったらもう対岸に着いてしまったので、みんな拍子抜け。
「何だ、もう着いたのか」などとといいながら船を降りました。バスも間もなく下りてきました。乗船時間の短さは、子供のころに伊勢で乗った真珠島の渡船といい勝負です。
再びバスに乗り込んで、いよいよ島内観光が始まると思いきや、なんと7人足りないのです。どうしたのかと思っていたら、誰かが「船に乗ったまま下りてきていないよ」と。
そう、この人たちはフェリーから下りなかったのです。7人を乗せたまま、フェリーは再び戻っていきます。
後から聞いた話では、まさかそんなに早く着くとは思わず、船室内でゆっくり休んでいたそうです。そして、船が着いたのは途中の寄港地だと思い、そのまま乗っていたので、もとのカイル・オブ・ロハーシュに戻ってしまったのです。
添乗員さんやガイドさんも、船内に客が残っているのに気が付かなかったようです。
お二人とも、あまり一行の状態の把握に努めているようには見えなかったですね。よくいえば自然体というか、旅を楽しんでいるというか、まあ私たち二人を除けば、ツアー参加者が旅慣れた人が多かったこともあるようですが。
しかし、さすがにこれには呆れるより笑ってしまいました。再び船が戻って来るまで出発はおあずけ。防波堤の上で、フェリーが戻ってくるのをみんなで注視していました。
これでまた40分ほどの遅れです。もう予定より3時間も遅れています。
しばらく待ったら、フェリーがまた戻ってきて、無事7人が降りてきて、ようやく全員揃いました。さすがに7人は気恥ずかしかったのか、硬い表情でした。
そしていざ出発となったのですが、今度はなんとバスの運転手が「運転できない」といいだしたのです。なんでもイギリスの法律では、連続して何時間か運転したら必ず休憩を取らなければならないというのです。言われてみれば当然ですが、今から休憩されたら更に遅れてしまうので、みんななんとか運転してもらおうと、「みんなでチップを集めて頼もうよ」とか、可愛らしいことを言い合っていました。
運転手さんも日程の遅れを考えて気を取り直したのか、間もなくバスは走りだしました。このとき、午後3時を過ぎていましたが、昼食はまだでした。私たちも次々と起こる騒動で、すっかり空腹も忘れていたのです。
食事はブロードフォードのホテルでしたが、ホテル側も、待てど暮らせど来ないので、やきもきしたことでしょうね。
メニューはなんとフィッシュ・アンド・チップス!でした。でも、魚が新鮮だったので、空腹だったことを差し引いても、おいしかったです。
それから、スカイ島の雄大な風景を見ながら南西端のエルゴールで行き、そこの小さな村でバスを降りて、景色を楽しみました。
本来ならまだまだ見どころがあるスカイ島ですが、すでに4時を過ぎていたので、そこからUターンして、今夜の宿のあるアビィモアに向かいました。
宿に着いたのは9時前でしたが、そこは夏のイギリス、日は長くまだまだ明るかったのがせめてもの慰めでした。
このあと、ハイランドから南下しますが、この旅、前途多難の予感です。