グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

こんなに雨が多い年になるなんて。

2014-03-05 10:21:53 | Weblog
こんなに雨が多い年になるなんて。

平年であれば、春先になると毎年水不足やヘタすると旱魃が心配される
ほどの南九州であるはずなのですが・・・本年は様子がちがいます。

 2日か3日のあいだ晴れたと思ったら、また雨

といったぐあいに “異常に雨が多い気候” なのです。

この平年とはちがうお天気の影響をうけているのは、施設栽培のお野菜
たち。お日さまのでる時間が少なくなるので、必然的に生育に不可欠な
日照量が不足がちになっているのです。

そしてそういった日照不足の影響は、たとえば

  樹の生育が軟弱となる
  午前中の温度が上がらない
  良いお花が咲かない
  昆虫の動きが鈍くなる
  受粉したとしても結実しない
  湿気が高くなるためにカビ病が多発する
  収穫量が少なくなる
  収穫物の品質がわるくなりがち

といった、生育の不良状態をひきおこす[いわゆる負の連鎖ですね]こと
にもなるのです。

1月下旬から3月中旬にかけてのお野菜の出荷が少なくなる時期に照準を
あわせた施設栽培経営にとって、この日照不足の状態はほんとに痛い状態
です。またこの作では、暖房に使う重油代も円高の影響でずいぶんかさん
でいますから[とくに収穫の山が安値と重なった場合には

 悪天候と重油高のダブルパンチをくらってグロッキー

といった状況にある農家さんも多いことだろうと、心配せずにはおられま
せん。

そこでそんな日射量が極端に少ないという、ある意味異常な天候下にあっ
ての対策ですが・・・

 ● 内カーテンの管理を適正におこなうことで日射量を確保する
 ● 日中の換気を徹底する
 ● 時間にそった適温管理に努める
 ● 湿度が高い場合は日中でも加温機で送風する
 ● 循環扇を活用する

といった管理を実行することで、施設内の温度と湿度の管理を徹底して
いくことがいちばんのお薬になることと思います。

ということで今回は、平年とはちがう異常な気象の年にあっては毎日の
ちょっとした努力の積み重ね
こそが[ふた月からみ月というスパンでみ
れば
]作物にりっぱな実をつけさせられる方法だというおはなしでした。
→ 例年の乾燥した気候下の管理のはなしは こちら


◎ 雨で大わらわといえば、平年であれば12月から2月にかけての
  乾燥する気候豊富な日照量を活かすはずの千切り大根 の管理
  じつに大変なものでした。なんといっても雨が降れば大根が干せ
  ませんし、雨間をみて干したとしても乾くのに時間がかかりすぎ
  るといったかんじです。・・・お日さまってありがたいなぁってつくづく。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染