グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

日照不足気味の天気がもたらしたもの。

2014-03-31 22:57:43 | Weblog
日照不足気味の天気がもたらしたもの。

平年であれば、春先になると毎年水不足やヘタすると旱魃が心配される
ほどの南九州であるはずなのですが・・・本年は様子がちがいます。
2日か3日のあいだ晴れたと思ったら、また雨といったぐあいに“異常
に雨が多い気候”は、3月になっても続きました。 

この平年とはちがうお天気の影響をうけたのは、施設栽培のお野菜たち。

お日さまのでる時間が少なくなるので、必然的に生育に不可欠な日照量
が不足がちになることで、作物に生育の不良状態をひきおこす
ことにな
るのです。そんな状況のなか散見されたケースですが・・・

 いっけん普通キュウリ.jpg のののの たとえば こちら。

折ってみても、その中ほどは普通のおいしそうなキュウリなのですが、


ののののののののののののののの 中はいいとして キュウリ.jpg


もう少し先の、果実の中ほどから先端部にかけて、すじ状に褐変した
部分
 が走っています。


ののののののののののののののの 先端のなか 褐変 キュウリ.jpg


これは病気や虫害によるものではなく、微量要素であるホウ素の欠乏
によるもの。栽培されている土の状態による影響[加湿や土壌のPH値
の低下など]だと考えられます。

もちろん、これでは商品にはなりません。そこで3月23日の日照不
足時の管理対策
を徹底してやってもらい、そのうえでホウ素やカルシ
ウムのはいった葉面散布剤
[ライムショット]を施用することで回復に
努めました。

そうした対策が功を奏し2週間ほどで状況は改善していきましたよ♪

まあしかし珍しい事例ではありました。「例年ならこの季節には晴天
続き、むしろ過乾燥による石灰欠乏の症状が起きるケースが多いのに
なぁ
」と、思うことしきりでした。

ということで今回は、作物の生育障害は気象状況の変化によってもた
らされ、その気象状況によって生育障害の種類も変わるというおはな
しでした。


◎ それにしても困るのは、 ❝外からみてもわからないが、内部に
  支障がある作物
❞です。障害があることがわからないまま消費地
  に運ばれ、そこで障害があることが判明する。こういう事例がた
  び重なると[たとえ万本中の1本の発生ではあったとしても]
  生産地の信用はガタ落ちになり、最悪の場合だと出荷停止の事態
  まですすむことにもなりかねません。生産者側にとって、こうい
  った事態は、なんとしても避けねばならないとても大きな問題だ
  といえますね。→ そんな土関係はなしは こちら 。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染