グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

豊作をよぶ春雷。

2014-03-30 06:17:33 | Weblog
豊作をよぶ春雷。G

古来より、農業にとって大変めでたい雷とされる春雷。その春雷が鳴る
年は、農作物がよくできるといわれています。

 がなる
 ↓
 がふる
 ↓
 水が大地を潤す
 ↓
 その水によって作物がよくできる

まず連想するのは、こういった図式でしょうか。

たしかに、そう。水は植物の生育にとって大事ですものね。でも、そ
れだけではないんです。

雷が鳴ると、ほんとに土地が肥える・・・なぜに雷が鳴ると土地が肥
えるのか。それは 雷の正体に原因があります。

そう、ご存知のように  は、

 放電量は    数万~数十万アンペア
 電圧は     <emoji code="h016" /> 1~10億ボルト
 電力量換算   平均約90万メガワット超

というものすごい 電気 。

どれくらいすごいかというと、石ができちゃうくらいすごい。

一定条件を満たした砂漠に雷が落ちると、ほんとうに石ができます。
そんな雷由来の石を『Sand Fulgurites/ サンド・フルグライト』
といいます。和名は、雷管石

 堆積物にある程度の空間が存在する大地/砂漠などに雷が落ちる
 ↓
 砂地に撃ち込まれた電流は地中に流れ込む
 ↓
 電流はいろいろな方向にまがる
 ↓
 結果、電流の通路にあった石英の砂粒は完全に溶融
 ↓
 溶解したガラス状の石英が固まり、石状になる


と、これが 雷管石誕生のシステム。雷管石は 雷の電流の足跡な
のですね。

話がズレ気味ですが/笑、それほどの雷が空中で鳴ると、

 空気中のチッソがチッソ化合物となって地上に落ちてくる

それが 『春雷がなる年は、農作物がよくできる』といわれる
由縁です〔降ってきた窒素化合物は植物に利用されます〕。

昔の方って、じつに科学的ですよね。

そして人工物だと誤解されている向きも多い 化成肥料のチッソも、
雷と同じ原理で、空気中のチッソから取り出されます。
鉄を主体とした触媒上で水素と窒素を400 - 600°C、200 - 1000atmの
 超臨界流体状態で直接反応させる
』ことで、空気中からアンモニア
の形で取り出します。

 N2 + 3H2 → 2NH3

という化学式ですね。簡単に言えば、人工的に雷状態をつくることに
よって、空気中からアンモニアを生産する。

これは ハーバー・ボッシュ法(Haber?Bosch process)といわれていて、
名前のとうりにハーバーさんとボッシュさんによって1913年に開発
された方法なんですよ。

つづく。


◎ そういえば 映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のデロリアン号も
  雷を 動力源にしたことがありましたよね

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染