グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

田植え後に氷!それでも耐える苗をつくる。

2014-03-21 22:59:12 | Weblog
田植え後に氷!それでも耐える苗をつくる。

3月中旬からはじまった宮崎県沿岸部でのコシヒカリの田植え。植え付けられ
たばかりの苗は、植えられているかどうかよく見ないとわからないくらいに小
さいもの・・・そんな苗の状態が、最低気温12度以上になって 苗が順調に
生育してくるまでの間は続きます。

その植え付けらればかりの田の苗を襲うのが、そう 寒さと強風です。

たとえば 数年前の寒波の例では、

 3月29日 01度 ・ 30日 マイナス1度 ・ 31日 02度

といったような寒さがありました。こうなるとかなりの確率で田に氷が張るので
す。一昨年などの例でいけば “田植してから3回にわたって氷が張った”と
いう農家さんもおられたほどですから、その厳しい寒さがわかります。

さすがにこのような氷が張る寒さがくるなると、果たして苗は大丈夫なのかと
おもってしまうのが人情です。しかし最近では それでも寒さによる枯死 が
すくないんです。

なんといってもイネはもともと熱帯産の植物なのですから、これってほんとに
不思議でしょう?

そのような寒害に強いイネ苗の秘密。それは前回の田植後の水管理の大切さ
もありますが、それに加えて 最近の苗作りの方法にも理由があります。

その寒さに耐えるように作る苗作りの技術。これは

  よい種を使う 
  苗箱に蒔く種の量を多くしすぎない
  よい土を使う 
  適切な育苗期間を守る

といった基本技術の励行によります。基本技術を徹底することで、寒さに強い
苗ができる。

これを農家さんに説明する言い方でいえばですね・・・東北の普通作によって
栽培されたコシヒカリの種を宮崎にもってきて、卵が飛び出すほどの塩水選を
かけて種子を選抜。その種をPHとECをきちんと調整した土に薄まきして播
種後30日くらいまでの老化させない期間に、田植えに最適の大きさの苗に
育てて、そのうえで田植えする
・・・ということになる。

といったわけで今回は、早期水稲における寒さに耐える苗を作る技術〔農家さん
の栽培にかける情熱のはなしでもありますよね
〕についてのおはなしでした。


◎ 気温が12度超えると会話もできないくらいの大音量で鳴く
  田んぼのカエルたち。しかし10度を下回るとおもしろいく
  らいに一斉にシーンとなるのですから、ほんとに不思議。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染