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リニア中央新幹線の報道について(転載)

2013年09月22日 | 国会・地方議会・官邸・野党共闘

友人のメールを転載します。(転載許諾済)

・・・・・・・・・ここから原文・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

リニア中央新幹線の報道について

東京新聞「こちら特報部」 御中 9月21日
お早うございます。
初めてメールを差し上げます。
2006年10月1日以来の御紙購読者です。
それまで永年朝日新聞を摂っておりましたが、報道の仕方に疑問を感じるようになり、御紙購読者となりました。
日頃は御紙の記事をコピーして、授業などで大いに使わせております(私立学校の教師をしております)。
特に「3・11」以降の東日本大震災・東京電力福島第1原発の報道には、頭が下がります。
現今問題となっている福島第1原発の汚染水・地下水問題は、2011年にすでに御紙が取り上げて警鐘を鳴らし、対策を載せられた問題ですね。
改めて読者としてその報道姿勢に敬意を表します。
また、小生は1996年以来「丸山眞男手帖の会」の運営に携わっており、2000年8月15日から始めた「復初」の集いについては、文化部・久間木聡さんのお計らいで毎回紙面で取り上げていただいております。ありがとうございます。
さて本日は、リニア中央新幹線の「光と影」なかんずく「影」―問題点について特報部で取り上げていただきたくてメールを差し上げる次第です。
9月18日夕刊・19日朝刊は、1面トップにリニア中央新幹線の記事が載り、19日朝刊のリード文は「リニアが日本を小さくする。」で始まります。
手放しの褒めようです。
本当にそうでしょうか。
小生の経験を、以下に申し述べます。
2011年秋10月、その年に公開された映画「大鹿村騒動記」(俳優・原田芳雄氏の遺作となったのはご存知の通りです)を観てすっかり「大鹿村歌舞伎」に嵌まった小生は、同僚と歌舞伎見物に出かけました。
300年近い伝統をもつ歌舞伎は大変興味深いもので、その後2012年春・秋と2度見物に出かけました。
ところが、歌舞伎見物といっしょに観た「村立中央構造線博物館」(同村大河原地区)は、これまた興味をそそるものでした。
大鹿村を南北に静岡県浜松市の秋葉神社への参詣道(秋葉街道)が通っていることは知られていますが、その南北の街道はまさに中央構造線沿いの道(国道152号線)です。
ところどころ日本列島を二つに分ける成分の違う岩石が地上に顕れています(「露頭」)。

それらについて詳しい展示(野外展示を含む)と学芸員の方の説明があるのが、中央構造線博物館です。
学芸員の方の説明を聞いて、ハッとしたのが赤石山脈(南アルプス)は今も活発に活動を続けていて、「1年で4ミリ隆起している。10万年では4000メートルです」という話。
というのは、しばらく前に「10万年後の安全」というフィンランドの原発のゴミをめぐるドキュメンタリー映画を観たばかりだったからです。
放射性物質の半減期の1番長いものが約10万年。
そこでフィンランドでは国民の議論の末に「オンカロ」という核貯蔵施設を地下500メートルに造っているというのですが、そこにはさまざまな問題点があるという映画でした。
私たち現生人類が地球に現れてから精々5万4千、3千年くらい。
10万年といわれても、気の遠くなるような時間です。
ところがそれが、学芸員の方の話の中には普通に出てくるのです。
10万年で4000メートル隆起するような列島に「核廃棄物の最終貯蔵庫」など無理な話だと納得しました。
そしてもう一つ、リニア新幹線が大鹿村の地下と一部地上を通るという話にもビックリしました。
それだけ活発な地殻活動をしている山脈の下にリニア新幹線を造る?
中央構造線博物館には、その後大鹿村をたずねるたびごとに行きました(4回)。
それで知ったのは、地殻の問題とならぶ地下トンネルを掘った後の残土の問題。
南アルプスはもちろん国立公園ですが、静岡県側の掘削予定地の地主は巴川製紙(私有地)。
私有地であることで、JR東海がどんどん試掘と称して掘削している(学芸員の方の話)。

すでに南アルプスの自然破壊が進行しているのです。
ところが、こうしたことについての報道はほとんどありません。
雑誌『世界』2012年9月号の宗像充「南アルプスをリニア新幹線が貫くとき」が、深刻な問題を知らせています。
リニア新幹線はこれまでの新幹線の消費電力の数倍、原発1基分の電力を使うというのです。
2027年に品川・名古屋間を40分、2045年に品川・新大阪間を67分でつなぐという交通機関がこれからの私たちの社会で本当に必要なのでしょうか。
「リニアのためには原発が必要」と安倍首相か次の首相が言い出す顔が目に浮かびます。

これまで原発についてさまざまな角度から報道してきた「こちら特報部」が、なぜこの問題を取り上げられないのか、訝しく思うのは小生ばかりではないと思います。
小生の議論は素人のそれですが、やはり「現地」へ行くと分かることがあります。
大鹿村ではすでにボーリング調査も行われています。
飯田市周辺の広域連合はリニア新幹線に「賛成」の立場ですが、大鹿村の人々の思いは複雑です。
小生が泊まった宿(「山塩館」)のご主人も「こういう商売をしていると、社会的な問題に声を上げることはなかなか出来ないですが、自分たちの村の環境を守るために言うべきことはいわないと……」と言われました。
大鹿村は、住民投票で平成の大合併を拒否し、現在49町村・地域が加盟する「日本で最も美しい村連合」の2005年発足当初からのメンバーです。
どうぞ、「こちら特報部」のフットワークの軽やかさを発揮されまして、リニア新幹線の問題を報道されますよう、お願いいたします。
それでは。K・S拝

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