きょうのことはきょうのうちにしてしまおう かこのことはあしたにとっておき
本棚の硝子が、ぼろぼろと、くだけちったのは、朝ごはんを食べている時であった。
昨日から、外でボーリング工事を始めていたので、その震動に耐えられずに砕け散ったのだろうか。
ボクサーが打たれ続けて、知らぬ間に頭蓋骨の内面に居ながらにしてやわらかい脳がほろほろと雪崩のごとく崩れていくように。
太い木枠が気に入って手に入れたのだが、ところどころ、防弾ガラスのように分厚い硝子が使ってあり、その中央部分の一番上の棚の真ん中の硝子だけ、突如として、崩れ落ちたのだ。
北極の氷が海に崩れ落ちるように。
手の中の読み古した本の山の崩れ落ちた硝子の一角。
出勤まで時間がないので、お互いもくもくと何事もなかったように朝ごはんを食べることにした。
食事制限から解放されたちょっといってしまったボクサーのように。
食事を終えると、山積みにされた磨かれていない金剛石の粒の山の中から、拾い上げた。
ある一冊の本であった。
『暗号の世界史』。
なぜか、昨日から「暗号」について考えていたのだが、その答えが載っているような本であった。
共時的な朝。
お手紙における暗号。
ラジオ放送における暗号。
リスナーからのリクエストもさることながら、リスナーからのお便りそのものが、暗号となっているという、ある北朝鮮の工作員の証言が載っていた。
音に乗った言葉の暗号。
明かりの必要な手旗信号などでは通用しない、暗闇でさえ伝わる音の世界。
しかし、お互いに、その暗い音を聞き耳をたてて聞いて、理解できるキーワードかなくてはならないのだという。
二人だけの秘密のように。
見えないものがみえてくる、あわいの世界。
目と目など通じ合わなくとも、それだけで通じる音の世界があるとは。
音の震動にやられながら、くだけちった脳みそであっても、硝子のようにきれきれに拾い集めるのだ。
いつかやってくるとも思わなかった雪崩がやってきた、今日という朝に。
などと思いながら、連れ合いの本も行き倒れた屍体のように転がっていたので、その背表紙を見た。
『何も共有していないものたちの共同体』。
われわれは、日常を共有しながら、何も共有していないのだ。
と言われているように、そこに転がっていた。
朝だというのに。
屍が累々と積まれている中、闘争し逃走した姿格好を変えた便衣兵のように、何処か別の場所で、新たな場所を作る為の崩壊の始まりのように。
われわれは、砕け散った無言のままの本と硝子を整理し続けた。
連れ合いが、本を手に持つと、眼に見えないほどの小さな硝子で手を切った。
これもひとつのたなごころ。
などと思いつつ、硝子で切った手を流れる赤々とした血を見て、痛みのようなものを「何か」と共有していた。
血判書ができたように本に染みこんだ血痕を見て思った。
あのひとの命日であった。
昨日から、外でボーリング工事を始めていたので、その震動に耐えられずに砕け散ったのだろうか。
ボクサーが打たれ続けて、知らぬ間に頭蓋骨の内面に居ながらにしてやわらかい脳がほろほろと雪崩のごとく崩れていくように。
太い木枠が気に入って手に入れたのだが、ところどころ、防弾ガラスのように分厚い硝子が使ってあり、その中央部分の一番上の棚の真ん中の硝子だけ、突如として、崩れ落ちたのだ。
北極の氷が海に崩れ落ちるように。
手の中の読み古した本の山の崩れ落ちた硝子の一角。
出勤まで時間がないので、お互いもくもくと何事もなかったように朝ごはんを食べることにした。
食事制限から解放されたちょっといってしまったボクサーのように。
食事を終えると、山積みにされた磨かれていない金剛石の粒の山の中から、拾い上げた。
ある一冊の本であった。
『暗号の世界史』。
なぜか、昨日から「暗号」について考えていたのだが、その答えが載っているような本であった。
共時的な朝。
お手紙における暗号。
ラジオ放送における暗号。
リスナーからのリクエストもさることながら、リスナーからのお便りそのものが、暗号となっているという、ある北朝鮮の工作員の証言が載っていた。
音に乗った言葉の暗号。
明かりの必要な手旗信号などでは通用しない、暗闇でさえ伝わる音の世界。
しかし、お互いに、その暗い音を聞き耳をたてて聞いて、理解できるキーワードかなくてはならないのだという。
二人だけの秘密のように。
見えないものがみえてくる、あわいの世界。
目と目など通じ合わなくとも、それだけで通じる音の世界があるとは。
音の震動にやられながら、くだけちった脳みそであっても、硝子のようにきれきれに拾い集めるのだ。
いつかやってくるとも思わなかった雪崩がやってきた、今日という朝に。
などと思いながら、連れ合いの本も行き倒れた屍体のように転がっていたので、その背表紙を見た。
『何も共有していないものたちの共同体』。
われわれは、日常を共有しながら、何も共有していないのだ。
と言われているように、そこに転がっていた。
朝だというのに。
屍が累々と積まれている中、闘争し逃走した姿格好を変えた便衣兵のように、何処か別の場所で、新たな場所を作る為の崩壊の始まりのように。
われわれは、砕け散った無言のままの本と硝子を整理し続けた。
連れ合いが、本を手に持つと、眼に見えないほどの小さな硝子で手を切った。
これもひとつのたなごころ。
などと思いつつ、硝子で切った手を流れる赤々とした血を見て、痛みのようなものを「何か」と共有していた。
血判書ができたように本に染みこんだ血痕を見て思った。
あのひとの命日であった。
韓国が、日本固有の領土である島根県・竹島(韓国名・独島)の周辺海域に、ゴミを大量投棄している疑いが浮上した。韓国政府が発行する最新の海図(航海のための地図)で、日本が主張するEEZ(排他的経済水域)境界線内に「産業廃棄物投棄区域」を設定していたのだ。超党派の「日本の領土を守るため行動する議員連盟」(領土議連)の会長である新藤義孝前総務相は「ただちに韓国に抗議すべきだ」と、日本政府に対応を求める意向を示した。
領土議連は3日、海洋情報の管理・提供を行い、世界の海図を保有する海上保安庁海洋情報部(東京都)を視察した。
その際、同部が保有する韓国海洋水産部国立海洋調査院の最新版「韓国製海図」(今年6月改定)を確認すると、日本のEEZ内である竹島北東の海域に「産業廃棄物投棄区域」が設定されていたのだ。
海洋情報部によると、問題の投棄区域は1993年の海図から記入が始まった。当初は竹島の南西側にも投棄区域があって日本のEEZを侵犯していたが、2013年の海図では南西区域は日本のEEZ外に移動した。
韓国の産業廃棄物投棄の実態は、どうなっているのか。
朝鮮日報は08年、同区域での海洋汚染の実態について取り上げ、「一部海底付近の水は工業用水に使うこともできないほど汚染されている」と報じた。同紙によれば、この区域では、畜産排水や生ゴミ、下水汚泥、排水汚泥、ふん尿などが投棄されていたという。
韓国は不法占拠している竹島について「独島は美しい島」「わが領土」「わが故郷」などと世界に主張しているが、海図に「産業廃棄物投棄区域」を記載しているように、“故郷の海”を汚し続けている可能性が高い。日本海全体の汚染にもつながりかねない。
前出の新藤氏は「外務省に対して、然るべき措置をとるように促す」といい、区域の撤廃を求める要望書を首相官邸に提出する意向を示した。
竹島の領有権問題に詳しい拓殖大学の下條正男教授(国際学部)は「竹島の周辺海域では、韓国漁船の違法操業も頻発しており、やりたい放題の無法状態が続いている。韓国政府は、福島原発事故による海洋汚染を盛んに訴えていたが、国際社会の目を盗んで、それ以上のことを日本海で行っている。放置してきた日本外交の怠慢もあるが、産業廃棄物を海に投棄することを国が認めること自体が異常だ」と語っている。