あまぐりころころ

主に漫画やゲーム等の感想や考察を。
時に旅行記等も交えながらの、のんびりのほほんブログ。

『食戟のソーマ』第50話感想

2013-12-15 23:50:00 | 食戟のソーマ

 少年ジャンプ2014年1号掲載
 掲載順第3位
 第50話 【日常を超えるもの】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まず本編の感想の前に。

  ポスターくぁっこえええええぇぇぇ!!!!!!!!!!

 

 もうカッコいいやら熱いやら、アツいやら格好良いやらで大変です。
 この超正統派少年漫画といった感じ、良いですね~~~。
 『ソーマ』って、(主人公以外は)女性キャラの印象が割と大きいので、こういう多人数でありながら全員男性という今回のポスターはかなり新鮮でもありました。
 ・・・はっ!!
 だから「“新鮮”力キャンペーン」のイラストに採用したのでしょうか!?(←多分違うよ)

 それにしても、創真と背中合わせにタクミ、そしてバックに葉山とアリスのお付きといったこの構図。
 まるで創真&タクミVS葉山&お付きといったタッグ戦のようにも見えますね。
 ・・・なにそれむっちゃ見たい。
 でも真面目な話、から揚げ編で創真がリーダーシップもある子だというのが分かりましたし、これからの展開の中で団体戦も行ってもらえたらと思う次第であります。





 さあ、それでは本編の感想へといきましょう。
 今回は「ジャンプ新鮮力キャンペーン」始動&単行本第5巻発売ということで、記念ポスター&センターカラー!
 ポスターは創真とそのライバル達でしたが、センターカラーに取り上げられたのは恵でした。
 紅葉の中佇む恵。
 う~ん、これまた正統派ヒロインといった感じで良いですね~。(^^)
 でも、舞い散る紅葉と半袖姿にうっすらと違和感を感じてしまったり。
 こりゃ選抜編が終わったら、早々に冬服へと衣替えでしょうね。
 今のうちに創真の夏服姿をしっかり目に刻み込んでおかねば(爆)。


 
 回想から始まった今回。
 選抜メンバー発表時に、「興味がある」と恵を捉まえていた北条。
 その北条が口にした言葉は「四宮小次郎」。
 「遠月十傑」の第一席だった彼に、恵が合宿中に食戟を行って引き分けたという噂を聞いたことから、彼女の実力に興味を持ったというわけでした。
 これまた意外なところから意外な人物の名前が出てきましたね~。
 四宮が第一席だったというのはつい最近明かされた事実。
 それを早くも伏線として用いてくるとは。
 この漫画は、伏線の回収を割と早い段階で行なってきますよね。
 伏線を張るだけ張って未回収のまま終わってしまう漫画作品もたびたび見られる中、読者が忘れないうちに伏線を活かしてくるその手法はとても分かりやすくて有難いです。
 しかもある程度回収しつつも、また新たな伏線も張られたり。
 本当に附田先生は話作りの腕を上げられましたよね~。(感心)

 「能ある鷹は爪を隠す」と言うように、実は恵も見かけによらず相当の実力者なのでは・・・と訝しむ北条に恵は弁明しようとしますが・・・。
 しどろもどろな言い方に逆に怒られる始末★
 なんか恵と北条のこのやり取りを見てると、倉瀬ちゃんと郁魅のやり取りを思い出す・・・(苦笑)。
 まるで虎に凄まれるウサギの図ですね(爆)。(ちなみに郁魅と倉瀬の場合は黒ヒョウに睨まれるハムスター/再爆)

 四宮と引き分けになれたのは全て創真のお陰と言う恵。
 確かにその通りではあるのですがね。
 創真が調理の面で、何より精神面で大きく支えてくれたからこそ、本当の実力が出せたのですから。
 でも。
 実際はそれだけではないのですが。

 
恵のその言葉を聞いた北条の眼は、失望のものに。
 「見込み違いだった―――」
 そう言い残し、彼女はその場を去ったのでした。



 回想は終わり、現在。
 選抜に出られなかった嫉妬から恵を罵倒する聴衆が。
 そんな聴衆らに凄む極星寮の揚げ物コンビ。
 おう言ったれ言ったれ!!(やめなさい)
 彼らの迫力に聴衆らは逃げていくものの、二度と恵の悪口を言わないよう伸しておくか・・・と揚げ物コンビは企てます。
 おうやったれやったれ!!(やめなさいって)
 そんな彼らを制し、Aブロック会場の応援へと向かわせるふみ緒さん。
 なるほど、前半はBブロックを、後半はAブロックをと、両方応援する予定でいてくれたのですね。
 競争意識が高い学園の風潮の中で、極星寮の面々だけはそれぞれを大事な仲間として思いやってくれてるのが素敵ですね、とても。
 卒業まで皆一緒にいてほしいな。(^^)

 「何か」の用意をしようと駆け出す恵は、北条とぶつかってしまいます。
 先日の一件で恵に失望してしまったせいか、トゲのある言い方をしてくる北条。
 言ってる内容は間違ってないんだけど、ね・・・。

 ここで北条はスパイスを使用。
 卵とご飯と一緒に炒めていることからカレー炒飯とみられる料理を作っているようですが…。
 勿論それだけではなく、更なる工夫がこれから加わるのでしょう。
 そんな料理を作りながら、北条の思考は過去の回想へ―――。


 一年前、横浜中華街にある名店『北条楼』。

 その店の料理長の娘であった北条は、遠月学園を卒業したら店の厨房に入ることになっていました。
 ですが、そこの部門長は男尊女卑な男で、北条をすぐに追い出してやろうと目論んでいたという。
 いるんですよねーこういう奴。
 厨房を自分の独壇場のように考え、自分の考えに合わない者は即排除しようとする奴が。
 だけどここで北条はおとなしく引き下がってはいませんでした。
 自身の料理の腕を見せつけ、部門長を黙らせます。
 凄いですね、北条。
 個人的にはその強さ、少し羨ましいです。
 

 今回の件はひとまず鎮めたものの、北条は厨房が“戦場”だということを自覚していました。
 またもやこんな事態が起きないように。「女」というだけで舐められないように。
 北条が必要としたのは”箔”。
 それが「遠月十傑 第一席」の座。
 
それにしても、これまでの遠月の歴史の中で女性の第一席はほとんどいなかったのですか。
 前例が少ないからこそ尚更第一席の座を狙うわけですが、となると、自分と同学年で早くも十傑入りしたえりなのことも当然眼中に入れていることでしょう。
 ここらから、また意外な“繋がり”が広がっていくかもしれませんね。

 そんな経緯から、十傑第一席への執着、そして「男」への反発を抱いていた北条。
 北条が恵に失望したのは、恵が自分の力だけで引き分けたわけではなかったということ以上に、「男」である創真から助けてもらったということの方が大きかったようです。


 買い被りだったか、と恵を見やっていた北条。
 ですが、突如として括目させられることに。

 恵が取り出したのは―――アンコウ!!
 
※アンコウ―――タラ類の近縁にあたる魚で、大きさは40㎝前後のものから1~1.5mのものまであり、そのほとんどが深海魚。
             肝が肥大化する11~2月が旬とされる。歴史的にも名高い高級食材。
             身は淡白でカロリーも低いが、肝は栄養価がとても高く、「海のフォアグラ」とも云われている。
             皮や他の臓器も味や触感が異なり、基本的に顔と骨以外は全部食べられるとされる。             

             鍋や刺身、から揚げ等にして食べるのが一般的。

 なんとなく、恵には野菜というイメージがあったから(単行本第3巻の表紙とか、四宮戦とか)、魚の調理に挑む様はちょっと新鮮に見えましたね。どういうわけか包丁を持っているのも珍しく思えちゃったなあ。

 かなり難しいとされるアンコウの「吊るし切り」を試みようとしている恵。
 この恵の大胆ともいえる行動に、北条だけでなく聴衆達も驚きつつも注目します。
 先程恵を罵倒していた奴らは、出来るわけがないと嘲っていますが・・・。
 ・・・やっぱり揚げ物コンビに伸されるべきだったかしら。(やめなさいっつーの)



 
そんな難関を前に、恵は手を合わせ、眼を閉じます。

 そう、それはかつて四宮との食戟の時に創真がしてくれた、緊張をほぐす裏技。


 
日本人初の「プルスポール勲章」を獲得した、本場フランスで店を構えるスター・シェフ四宮との戦いのときも。
 世界中の有名店で腕を振るった伝説の人物である父:城一郎との勝負のときも。
 どんな時も、どんな相手でも、笑みと共に前向きに立ち向かってきた創真。

 
その力に。
 その言葉に。
 何より、その姿に。
 いつも助けられていた。
 今日は傍にはいないけども。
 自分と同じように今戦場で頑張っている。
 だから、今日は貴方の

 ―――勇気だけ貸してください―――



 心の中に浮かぶ創真に手を叩いてもらう恵。

 四宮との戦いの時、恵の心を覆い尽くそうとしていた自己否定という「闇」。
 それを弾き飛ばしてくれた、創真の力強い「閃光」。 
 そして今日。
 その「光」は勇気となって恵を照らします。
 


 

凄い・・・!


 

 

 当初からこの作品の演出は相当なレベルでしたが、ここにきて更にそのレベルを上げてくるんだなんて・・・!
 心の中の創真によって、恵に与えられる勇気。
 それをスポットライトの光になぞらえて表現してくるとは・・・!!


 
心には創真からの勇気を、そして手には創真の手の感触をたずさえ、いざ、アンコウの吊るし切りに挑む恵。

 ツッコみなんて不要。

 
ひたすら吊るし切りに打ち込む恵は、凛々しく、そして綺麗でした。



 先程まで全く意に介していなかった千俵妹改めおりえを始め、北条も、聴衆達も恵の堂々たるその様に目が釘付けに。
 そして。

 聴衆:「さ、捌きやがった・・・」

 お見事!!


 
予想がつかない恵の料理に、おりえは思わず審査員席から立ち上がり近くに行って観察しようとします。
 タクミやアリス達を見た時でさえ、人材として欲しがりはしたものの自ら動こうとはしなかったのに・・・。
 恵、凄いよ。

 それにしてもおねだり上手ですねおりえサン!!
 
さすがは妹(笑)。


 恵の見事な吊るし切りを目の当りにし、ざわめく聴衆達。
 きっと自分らは出来ないのでしょう。例の奴らは、落ち込んでしまってます。

 ・・・。(-_-)

 ニヤリ☆
( ̄ー ̄)


 変わり始める、恵を見る聴衆達の眼。
 
その周囲の変化に、笑みを浮かべる一色先輩とふみ緒さん(&栗うさぎ)。


 そうだよ、恵。
 君は落ちこぼれなんかじゃありません。
 君は十傑第七席、一色慧が。
 これまで数多の学生達の料理を判定してきた、大御堂ふみ緒が。
 そしてなにより。
 幸平創真が認めた料理人なのですから。

 


 

 いや~~~今回は文句の付けようがない良回でした!!

 扉絵の通り恵がメインの話でしたが、今回は恵ファンでなくとも満足できたのではないでしょうか。
 勿論恵ファンや創真&恵派の方にとっては至上の回だったに違いありません。
 現に私も、今回はもうニコニコが止まりませんでしたよ(笑)。
 狙ったのかどうかは分かりませんが、第50話という区切りのいい回で、附田先生はいつも以上にハイクオリティな話を作り上げてくださったと思います。
 そして佐伯先生も大変ご多忙な中、入魂ともいえる作画をどうもありがとうございました。
 本当に、この作品は一体どこまで成長していくのでしょう?



 後半は恵の活躍が描かれていましたが、前半は北条が恵に興味を持った理由が明かされていましたね。
 創真や恵と同年代の女性キャラはこれまで数多く登場していましたが、意外にも強い野心を持った子はほとんどいませんでした。
 そんな中、えりな、アリスに続く、強い野心をもった女性キャラとして登場したのが北条。
 いずれ後を継ぐ実家の料理店で、そこの部門長と確執があった彼女。
 改めて考えてみると、北条と部門長との確執は四宮と元スタッフ達との確執の逆パターンといえるかも。
 あの時は人種差別によるものでしたが、今回は男女差別によるものですね。
 現場で戦うための“武器”は強い方がいいという考えは分かります。
 ですが・・・。
 それって何というか・・・。
 “独り”な考え、ですね。
 
北条にとって、「男」は・・・、実家で働いている男性従業員は全て心を許せない存在なのでしょうか…。

 対して恵は、いつだって「誰か」を想って頑張ってきました。
 その姿勢は創真に出会う前から。
 遠い故郷で自分を応援してくれている祖父母や友達の期待に応えたい、そうやってずっと頑張ってきた恵。
 そして作る料理もまた、相手への思いやりが常に土台にあります。 

 こうしてみると、案外この二人良いライバルになれそうですね。
 北条は“独り”ではない恵の料理スタイルに影響を受けそうだし、恵も自分の力で偏見を打ち消した北条の強さや、“頂点”を目指す姿勢に刺激を受けそう。
 やはりお互いに良い刺激を受け合えてこその“好敵手”ですからね。(^^)
 「男」に対する反骨心を持っている北条。
 ちなみに。
 もしこれから後々、北条とのやり取りの中で、恵が創真を「男」として意識するきっかけが出来るような展開がきたら・・・。





 その時はあれですね、うん。





その場で踊るかと。(←)
 


 


 まあ、この妄想予想が当たるか当たらないかは別にしても、恵が創真を意識するのはかーなーりー話が進んだ後でしょうがね。



 今回恵が行なっていた、創真に教えてもらった「裏技」。
 これからの展開の中で
 恵がまたも重圧に押しつぶされそうになった時、創真に「裏技」をしてくれるようお願いしてくるかもとか、
 創真が立ち止まってしまった時、逆に恵が創真に「裏技」をしてくれるのかなとか、
 もしくは「裏技」で勇気をくれたお返しに、これまで恵を支えてくれていたお守りを創真に手渡したりしてとか、
 色々妄想予想していたのですが、なるほど、こういう形できましたか☆

 この合掌をするという「裏技」。
 これは神への祈りの仕草。
 神様への祈り。
 これを今まで恵は、度々行なっていました。
 故郷を離れる際 、祖母から貰ったお守りを介して。
 
不安な時、困難にぶつかった時、いつもこのお守りを取り出して自分の心を支えてきた恵。
 ですが。
 今回はお守りに頼らず、創真の「裏技」から勇気を借りた恵。
 この恵の行動から、恵の中で創真がいかに大きな存在になっているか。
 そして、かつての後ろ向きだった彼女から確実に成長しているということ。
 これらがしかと感じ取られました。

 そして、今回恵に勇気という力を貸してくれた創真。
 恵の回想として登場はしたものの、実際には登場しなかったのは今回が初めて。
 それなのにこの存在感。
 この影響力。
 このイケメン振り。
 ホント創真さんは主人公の鑑です。


 
 四宮との食戟。そして創真からの「裏技」。
 本当に今回はありとあらゆる面において深い“繋がり”が張り巡らされた話でした。
 ここ最近、附田先生がマジで天才ではないかと思える自分がいます。

 でも・・・。
 これだけ創真と恵の絆を描いておきながら、最終的に創真とえりながくっついてしまったら、附田先生はどうオトシマエつけてくださるんでしょうかねえ?(えがお)

 まあ、それはさておき。
 ここでこれだけの恵のヒロイン性を魅せつけてくるということは、この後そ~と~なえりなの活躍振りが控えているということなのでしょう。

 どちらにせよ、今回は創真と恵との絆、そして恵の成長の成果と、目が離せなくなるほど惹きこまれる内容でした!!



 さあ!いよいよ次回は審査へと入る模様です。
 果たして一体どんな料理が披露されるのでしょう?  


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