あまぐりころころ

主に漫画やゲーム等の感想や考察を。
時に旅行記等も交えながらの、のんびりのほほんブログ。

『食戟のソーマ』第125話感想

2015-07-27 18:00:00 | 食戟のソーマ

 週刊少年ジャンプ2015年32号掲載。
 掲載順第7位
 第125話 【月饗祭】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、遂に開幕となった「月饗祭」!!

 まずはその仕組みから。
 来場者はまず、フードチケットを購入。
 そのチケットは「松・竹・梅」の三種類。
 松・・・一万円
 竹・・・千円
 梅・・・五百円
 それら各券がその値段分の価値があり、各模擬店の売り上げの証になるとのこと。


 そして扉絵が月饗祭全体の簡易図に。

 【目抜き通りエリア】 (一食およそ500~1000円)
  ここに出店するのは
  ・・・丼研究会(郁魅&小西)
    出張版トラットリア・アルディーニ(タクミ&イサミ)
    汐見ゼミ(アリス&葉山&黒木場)

 【中央エリア】 (一食およそ1000~5000円)
  ・・・創真(&恵)
    中華料理研究会(久我)

 【山の手エリア】 (一食およそ5000~∞円)←∞円って・・・(汗)
  ・・・えりな(&新戸)
    一色(&極星メンバー)
    司

 ちなみに学園内の移動には巡回バス(無料)も利用できるそうです。

 それはそうと、ここのミニキャラ達がかわいいんだなこれがv
 なかでも恵と新戸が良いカンジ。(^^)
 特に新戸なんて、ここのイラストだけ見ればとても優しそうで温和そうで慎ましやかそうに見えるよ。(←おい)





 屋台に看板も掲げ、いよいよお客さん達を出迎える創真と恵。
 片や道一本を挟んで、向かい側に位置するのは圧倒的な店構えの久我の模擬店。
 そんな店内で中心となって動いている久我。
 普段はチャラいですが、調理している姿は料理人としての確かな箔が感じられます。
 ここらはさすが十傑といったところですね。



 狙い通りに、胡椒餅の物珍しさに釣られて最初のお客が。
 喜ぶ恵の笑顔がもうかわいいったらありゃしない。
 子犬的っていうか、子ウサギ的っていうか。
 こんな風に喜ばれたら、お客側からしてみても買った甲斐あるだろうな~。(^^)


 胡椒餅の反応は上々。
 準備期間の大半を肉ダネの試作に費やしたこともあって、その美味しさは極上レベルに仕上がってました。

 試作期間中、試行錯誤している創真達の元を訪れてくれた郁魅。
 自分も丼研の準備で色々忙しいだろうに、きっとそんな多忙な時間の合間を縫って来てくれたのでしょうね。ありがとうね。(^^)
 流石はミートマスターなだけに、郁魅の助言は大きいものがありました。
 「麻辣」だけでなく他のスパイスからでも中華料理の味は高められることに創真は気付かされます。
 ということで、感謝の握手。
 この天然め♪

 そうして創真が辿り着いた肉ダネは、黒胡椒を中心にして、胡麻油でまろやかさや香ばしさを、五香粉に八角を追加して風味を高めた物でした。
 ちなみに五香粉とは、桂皮(シナモン)・丁香(クローブ)・花椒(ホアジャオ)・小茴(フェンネル)・八角(スターアニス)・陳皮(ミカンの皮)等の粉末を混ぜた複合香辛料とのこと。
 なるほど、確かにほとんど「秋の選抜」のカレー予選で登場したスパイスですね。
 えりなから圧倒的に足りないと評された「辛さ(麻辣味)」は、黒胡椒で補ったというわけですか。
 それもあって「胡椒餅」と。

 う~~~む、これはなかなか考えられていますね☆

 その出来は、肉料理のプロフェッショナルである郁魅も大絶賛のものでした。
 創真が「秋の選抜 決勝進出者」という話題性もあって、次々とお客が集まってきます。



 が。



 『十傑』である久我の知名度は創真よりも遥かに上。
 人一倍目を引く店構えや本格四川料理の魅力に、お客が奪われてしまいます。

 余談。
 唐辛子や花椒がふんだんに用いられている中華研の四川メニューですが、その中の一つにある「
口水鶏」は、直訳すると「よだれ鶏」とのこと。その名の由来は、「思い出したら涎が出る」という故事の一節に由来しているそうです。




 長蛇の列が並ぶ久我の店。
 対して、全く人が寄らなくなってしまった創真の屋台。




 結局、初日は惨敗という結果に。
 案の定大赤字確定となってしまい、退学の危機にも立たされてしまいました。

 白々しさも甚だしい態度で、ちょっかいを出してくる久我。

 そんな久我に対する創真の眼差しが・・・
 こわいやばいこわいやばいこわいやばいこわいやばいこわいやばいこわいやばいこわいやばいこわいやばいこわいやばいこわいやばい。
 この眼は唐揚げ編で見せたのと同種のものですよ(滝汗)。        


 赤字を出してしまった事に困惑しまくる恵をよそに、創真はいつものヘラ顔(苦笑)。           

 創真もこの結果は予想済みだった模様です。
 でも、他に考えもあるようで・・・?





 日も暮れ、久我の店も店仕舞いした頃―――

 創真の屋台は、こつ然と消えていました。

 

 

 


 

 

 

 まず最初に訂正をば。

 第118話感想にて、久我の第一印象を「敵に回したらかなり五月蠅く絡まれそう」と述べましたが・・・、スミマセン。

 「敵に回したらかなりウザく絡まれそう」の間違いでした。

 「アンタ暇なの?」と言いたくなるくらいわざわざちょっかい出しに来たり、白々しい事を言ってきたりと、まあ~~~いい感じに「嫌な奴」でしたよ(怒)。
 だからこそ、尚更楽しみです。
 創真の“反撃”が♪





 久我が述べていた、「良い物を作ったとしても、客の口に入らなければ意味が無い」「月饗祭は審査員が必ず料理を食べてくれる“食戟”とは違う」という発言。
 確かにその通りだと思います。
 間違ってはいません。

 けど。

 それと似たようなことが、既に作中で述べられているんですよね。

 それを述べたのは

 他ならない、創真です。

 「地獄の合宿編」での朝食ビュッフェ課題の際、創真は学んでいます。
 お客が食べてくれてこそ、料理の良さが伝わるという事を。
 出された料理をお客が必ず食べてくれるというわけではないシチュエーションも、“食の世界”にはあるという事を。

 創真はただでさえ過去の経験を全て糧にする子です。
 朝食ビュッフェ編でも、えりなの集客力の強さに苦境に立たされた創真。
 それを踏まえたうえで、なお今回の惨敗を想定していたという事は・・・。
 彼なりの“策”が、まだ控えているという事なのでしょうね。




 さて、では創真はどんな策を立てているのでしょうか?
 そのヒントは、今回のラストで姿を消した屋台
 果たして創真は屋台と一緒にどこに行ってしまったのでしょう?

 そもそも、この屋台が疑問の根底なんですよね。
 創真は何故屋台の品を選んだのかということが。
 最初は過去の思い出に加え、庶民的で親しみやすいという創真の料理の特色に合ったジャンルだからかと思っていました。
 ですが、今回を読んで思い出したんです。
 創真は“動き続ける料理人”だということを。
 その行動も。その思考も。


 ・・・そのうえで、頭に浮かんだ考えはというと。

 創真は、ひょっとしたら久我の店の前だけでなく、他にも出店場所を申請していたのではないのでしょうか?

 そして、久我の店が開いている昼間の間は久我の店の前に出店し、夜間になって大体の店が終わる頃、別の場所で再び店を開くことにしたのでは。
 では、その場所はどこか。

 それは。

 循環バスの乗り降り場近く。

 循環バスを用いて帰路に就こうとしている客に、創真は自分の品を売り込むつもりなのではないのでしょうか?

 移動手段という、人が自然に集まる場所。そこを利用するというその策。

 そう、それは「商店街復興編(唐揚げ編)」で、もず屋(叡山)が用いた手段。
 その時の敵の策を、「移動可能な店舗」という屋台の利点を活かして、今度は逆に利用したのでは。
 これなら、バスを利用する多くの人に自分の品をアピールすることが出来ます。
 お土産として。
 これも、持ち帰りも可能という胡椒餅の特色ならでは。
 そしてこの点も、もず屋の唐揚げが家に持ち帰って食べるために作られているという事から習ったのでは。


 もっとも、帰ろうとするお客を捉まえるだけでは、久我のあの圧倒的な集客力には及ばないでしょう。

 ですが。

 この月饗祭の開催期間は計5日間。
 数日間に渡って行われるイベントには、必ず発生する存在があります。

 それはリピーター。
 そして口コミ。

 実際今回のお客も、「今日は・・・あっちの模擬店で食べようかな・・・」と言ってましたしね。
 今回は食べなくても、日を改めてまた来場するお客もいるという事です。

 加えて、創真の料理を口にしてくれたお客が、創真の品をまた食べたいと思ってくれたならば。

 そして、お客が友人知人に話題として創真の品を勧めてくれたならば。

 最終日に、創真の屋台に集まるお客は相当数に膨れ上がってくれるのでは。

 しかも、「秋の選抜」の予選と本戦(準決勝)でも述べられていましたが、創真の料理の味は「また食べたい」と思わせる、毎日通っても飽きない優しい味です。
 お客の心に沁み渡る創真の料理は、きっと多くのリピーターを生み出してくれることでしょう。(^^)

 お客が来ないなら、自分から動いてお客が誘われる状況を作り出す。
 これもまた、「朝食ビュッフェ編」に繋がっていることですね。




 そういうわけで、過去の章からこの考察が閃いたわけですが、ここ最近の展開もこの考察を裏付けてくれていると思うんですよ。
 「紅葉狩り会」の帰りにて、遠月学園があまりにも広いため、バイクという移動手段を入手していたことが判明した創真。
 
そのことから、来場者達がどうやって広大な遠月学園の敷地を移動するのかに気付いたのかもしれません。

 前回で恵が言っていました。
 「遠月学園では屋台の品は習わない」と。
 それだけに、屋台という店舗形式を鍵にしている今回の創真の発想は、遠月の学生達では思い浮かび辛いと思います。


 「紅葉狩り会」で、遠月学園の風潮に全然染まらない創真に呆れていた久我。
 だけど、そんな創真だからこそ出来ることがある。
 この点がまた、久我へのもう一つの“反撃”になると思います。





 最後に、私からもひとつ、久我に反論させて頂きますね。

 久我:「力ある者のところにしか客は来ない 当然っしょ?」

 ・・・そうかな?( ̄ー ̄)ニヤリ

 


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