あまぐりころころ

主に漫画やゲーム等の感想や考察を。
時に旅行記等も交えながらの、のんびりのほほんブログ。

『食戟のソーマ』第174話感想

2016-08-16 23:50:00 | 食戟のソーマ

 あっという間に終わった初盆。
 去年の今頃はまだお婆ちゃんが居たっけ・・・と振り返りながらの日々でした。

 お婆ちゃん、久し振りのお家はどうでしたか?
 ゆっくり過ごせましたか?
 お空にはお爺ちゃん達と一緒に無事に戻れましたか?
 また来年のお盆も迎えに行くからね。
 それまでまた、天国で見守っていてね。(^^)





 週刊少年ジャンプ2016年32号掲載
 掲載順第5位
 第174話 【時をかける鮭】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 某少女がタイムリープする映画(ドラマ)を狙っているな・・・としか思えないサブタイ★



 今回はTVアニメ放送開始記念という事で、二号続けてのセンターカラー!
 しかも次回と繋げると一枚の集合画になるとのこと。
 こういう試みは単行本第9巻&10巻の表紙カバーでやったことがありましたが、ジャンプ本誌で行うのは初めてですね。
 まず今回描かれているのは創真を中心に、恵、タクミ、そして竜胆先輩。
 うん、やっぱり恵は創真と一緒ということで。(^^)
 ということは次号描かれるのは、えりなは間違いないとして、新戸とアリスとか・・・?
 それと今回竜胆先輩が描かれたという事は、司も描かれそうですね。

 それにしても・・・。
 やっぱり創真と竜胆先輩はまるで姉弟みたい。
 この二人って髪も眼も同系色だから尚の事そう見えるんですよね~。
 その上性格面もかなり似ている部分がありますし。
 単行本感想が停滞しているためキャラクター考察も止まってしまっていますが、竜胆先輩はいずれ機会を見てガッツリ語ってみたいキャラです。





 では本編へ。
 セントラルの悪質な嫌がらせに些かも動じることなく、美味い鮭料理を出すと宣言した創真。
 かくして、鮭を調達せんとチーム全員外へと飛び出します。

 ここのコートを羽織る創真には魅せられますねえ・・・!
 こういったスピード感溢れる描写は相変わらずながら見事の一言。

 一方でこうも思った。
 やっぱり創真の笑顔は可愛いなv(←アホ)



 創真達が外に出てからおそらく数時間後。
 薊の特別授業に従って、再現料理を作った生徒達は次々と合格していきます。
 が・・・。
 その調理は全然身に付いていない模様。
 強大な“力”に依存してしまっているが故の思考力・判断力の欠如。
 そんな薊メソッドの“穴”が見えてきましたね。

 そして一つだけ料理用語の解説をば。
 アンフュゼ・・・フランス料理の技法の一つ。
          ある素材の香りをソース等に移すことを言う。
          大抵の場合は熱した液体に素材をしばらく浸す、という手法が多く用いられる。



 ああ・・・それにしても・・・。
 ババアの笑いが胸糞悪すぎる・・・。


 と、そんなところに戻ってきた創真達。
 はあ~・・・。これだけで心が洗われる・・・♪(←ほんとアホ)

 創真達は見事上質の鮭を手に入れることに成功していました。
 その鮭とは、「トキシラズ(時鮭)」。
 へえ~。トキシラズが用いられましたか。
 私としてはホッチャレが産卵を終えた鮭、いわゆる“親”なので、その対比として「鮭児」が取り上げられるだろうと考えていたのですがね。
 ※鮭児・・・11月上旬から中旬にかけて捕獲される。
        卵巣、精巣が未熟な若い鮭で、その身は大変脂がのっている。(通常の鮭の脂肪率が2~15%に対し、鮭児は20~30%)
        漁獲量が普通の鮭一万匹に対して1~2匹程しかないため、幻の鮭といわれている。

        ちなみに鮭児は2㎏台の小型のものが多く、時鮭は3~4㎏台が多いとのこと。
        どちらも同じ白鮭ということもあって、外見だけで見分けるのはかなり難しい。
 
トキシラズを選んだ作者側の意図としては、セオリーから外れた上質の素材の存在を取り上げたかったから・・・とか?


 トキシラズは本来春頃から夏にかけて取れる鮭。
 そんな季節外れの鮭が何故冬の今の時期にあったかというと、「ブライン法」という特殊な冷凍法のためでした。

 広井曰く、トキシラズもブライン法も業界では特に目新しい知識ではないとのこと。
 驚異的なのは、それをこの土壇場の限られた時間内で入手したという行動力でした。
 知識や交渉能力、そして運もなければとても不可能だったそうで。
 なるほどね。
 知識はアリスが、そして現場の行動力は創真と黒木場というトップオブトップがいたからこそ可能だったわけですか。
 交渉能力の点は当然創真と・・・、吉野あたりもここらで活躍してそう。
 恵はやっぱり、漁業組合を通したコネクションで貢献してくれたとか?
 運も・・・創真のお陰かな?

 入手に奮闘する彼らの様子は実際に見てみたかったですね。
 今回の描写だけでは誰がどう活躍してくれたのかというのがよく分かりませんもの。


 創真達が見事一級品の鮭を手に入れて戻ってきたことに歯噛みする広井でしたが、それでも嘲笑います。
 あ゛~~~不快すぎる。許されるならばフライパンで画面外へ叩き出したい。


 広井の余裕のわけは、制限時間が残り30分を切っていたからでした。 
 な~~んだ30分あるんじゃありませんか。

 あのね?

 

コイツらを誰だと思ってんの?

 



 畏れ多くも[玉の世代]の上位陣でっせ?
 (ましてや創真は地獄の合宿で15分以内に料理を完成させたというのに)

 というわけで、創真チームは超スピードで調理開始。
 鬼速」とは言い得て妙なり☆


 そうして、つつがなく「鮭の幽庵焼き」を完成させた創真達。
 思いっきり創真の得意分野に入る料理ですね。アリスや黒木場は主張しなかったのかな?
 まあ今回は時間が少ない事もありましたから、「早い・安い・旨い」がモットーの定食料理になるのは自然な流れだったのかもしれませんけども。

 というわけで、料理で主張できなかった分といわんばかりに創真の決め台詞を横から掻っ攫うアリス。
 おいこら(怒)。

 それにしても創真とアリスも仲良くなりましたね。
 この二人ってフレンドリーで愛想の良い者同士じゃありませんか。
 だからこそ、ムキになってケンカできる方が仲が良いと言えるんですよ。


 ま。
 そんなわけで散々悪態ついてた広井ですが、あっさり料理に敗北しましたとさ。
 ちゃんちゃん☆


 


 

 

 

 試験官がひたすら最低でした。
 主人公が美味しい料理を出しました。
 無事合格しました。

 本気で、この三行で今回のあらすじを終了させようかと思いました。
 やりませんでしたけどね。(そんなことしたら訪問者様達から怒られる・・・)
 それぐらい今回は盛り上がりなんて皆無の展開でしたね。

 落とす気満々だったのに、結局自分で合格を言い渡してしまうという矛盾だらけだった試験官。
 これについては方々でツッコミが湧き起っていましたね。
 確かに。
 私はこの作品はこういうものだと割り切っている部分があるのでさほどツッコむつもりはありませんが、指摘は至極もっともだと思います。
 広井のような三下悪役は今に始まった事ではありませんが、今回特に評価が悪かったのは粗悪な食材の配布というあからさまに不公平な待遇を取りながら、創真達に食材を調達させるというチャンスを与え、そうして散々コケにした挙句結局は出来上がった品の美味しさにに合格を言い渡すという、矛盾しまくりな行動を取っていたから。
 そんなチグハグな行動の理由は全て、創真班への侮り。そして決めつけ。
 遠月学園、ひいては薊政権という強大な勢力に依存しきっているが故の怠慢。
 創真と叡山との食戟でも審査員の矛盾性は描かれていましたが、あの時審査員が薊政権(セントラル)を支持していたのは、セントラルが作り出す美食は絶対に正しいという局所的な考えによるものでした。
 そして今回の試験官は更に考えが低俗だったというわけです。
 遠月学園の権力に従っていれば安心。
 遠月学園の財力があればどんなことでも通用する。
 遠月学園に刃向うなんて愚の骨頂。
 そんな利得と保身にまみれた考え。
 そんな広井の言動はただただ不快でした。
 っていうかもう、不快を通り越して最後には呆れてしまいましたね。


 叡山戦の時も、今回も。
 どんな悪役であろうが守っている、美味しい料理を「美味しい」と認める姿勢。
 それがこの作品の鉄の掟ですから。
 だからこそ際立つわけです。
 創真の料理に「不味い」と嘘を吐いてしまったえりなの“罪”が。
 えりなが犯してしまったこの“禁忌”がこれからどう描かれることになるのか。
 それは依然として私が注目している点であり、懸念している点です。



 それと私が感じた疑問点は、なんで今回、この試験内容でこの班編成だったのかという事。
 ぶっちゃけて言わせてもらいますけど・・・。
 別にアリスや黒木場が居なくても、この試験突破できたよね?
 「トキシラズ」や「ブライン法」の存在はえりなによる講義で事前に知っていたわけですし、食材の調達や調理時間だって現場で鍛え上げられたプロである創真が居てくれれば事足りることです。
 しかも肝心の、調達に奔走する創真達のシーンは一切描かれなかっただけに尚更そう思えてしまうという。
 なのに何故今回彼らを組ませたのでしょうか・・・?
 ・・・それはやはり、今後のための伏線でしょうかね。
 何故って

アリスと黒木場は協調性の無さツートップですもの(大苦笑)。

 月饗祭編で露わになっていましたが、アリスはフレンドリーである半面、我が儘でマイペースで気まぐれという非常に協調性に問題アリの子です。
 黒木場はもはや言わずもがなですし(苦笑)。
 そんな問題児達を纏められたのも、ひとえにマイペースでありながら協調性バツグンでもある創真だからこそ。
 これから本格的に[玉の世代]が阿吽の呼吸で協力し合う必要性が生じてくる筈、と推測している私。
 だからこそ、デコボコながらも協力し合って料理を完成させたという今回の彼らの共闘は、今後に向けての大事な経験になったと思います。





 そんなわけで、今回の第一次試験で作者が描こうとしたのは、ただ言いなりになり下がってしまっているセントラル側自力で考えて動くことで活路を作り出した創真達との対比。
 それとアリスと黒木場という[玉の世代]きってのクセありキャラとの初の共闘。
 この二点だったのではないかと思います。

 なんにせよ、この第一次試験はほんの小手調べ。
 第二次試験は試験内容も試験官も今回よりは真っ当になってくれるといいのですが・・・。