あまぐりころころ

主に漫画やゲーム等の感想や考察を。
時に旅行記等も交えながらの、のんびりのほほんブログ。

『食戟のソーマ』第175話感想

2016-09-01 23:40:00 | 食戟のソーマ

 今日も今日とて、栗うさぎはネットの海をプカプカ漂流。(←感想記事書けよ)

 そんな中、たまたま見つけた附田先生とアニメの監督であらせられる米たにヨシトモ監督の対談。

 当然閲覧。

 感想。

 

 

 

 

 

大・共・感。

 

 

 

 

 

 ほぼ全てに渡って共感しまくりでしたが、とりわけボルテージが振り切れたのが。

 附田先生の第1期第1話の「夕焼けのシーン」のコメント。

やっぱりーーーーーーーーーー!!?!!(><)


 私もあのシーンには大絶賛でしたもの!!
 “あの朝”が「始まり」であることは感じ取っていましたが、それを附田先生御自身から聞いたことによって、より一層あのシーンへの思い入れが深くなった感じですね。
 だからこそ。
 もし監督が仰られる「アニメのセオリー」に従った展開になっていたならば、私はその場でちゃぶ台を叩き割っていたことでしょう。(←←←)
 原作の第一話。
 これこそが『幸平創真』という主人公の原点であり、この『食戟のソーマ』という作品の始まりなのですから。
 
 「アニメの禁じ手」に敢えて挑んでくださった監督に心から感謝です。
 そしてこうも思いました。
 附田先生がこれほど第一話を大切に想ってくださっているならば・・・。
 第一話で創真が口にした「あの発言」の重さに、もう一度改めて焦点が当たる時が訪れるかもしれない・・・と。

 

 それともう一つボルテージが振り切れたのが。
 米たにヨシトモ監督の「創真はとにかく―――」のコメント。

やっぱりーーーーーーーーーー!!?!!(>-<)

 
 やはり監督もそう思われましたか。
 これまでの人生である程度の少年漫画を読んできた私も心から思いますもの。
 これほど絶妙な主人公に出会ったのは初めてだと。
 読者の立場から見れば創真のそんな絶妙さは大変魅力的なのですが、創る側の立場になったら創真のキャラクター性には大変苦労させられると私も思います。
 アニメ化されると知った際、私が一番危惧したのもこの点でしたから。
 ですから、続けて述べられた監督のお言葉にも納得。
 アニメ初期の頃の創真のキャラにブレが生じていたのはやはりそのせいでしたか。(特に第8話【発想と創造の協奏曲】はそのブレが目に付きました)

 そしてどうやら、附田先生は創真のあの面は「冷たさ」と捉えている模様。
 へ~・・・、附田先生の定義ではそうなんですか・・・。
 私からしてみれば、創真のそんな「冷たさ」はとても真面目な形で好きですけど。(^^)
 改めて実感します。
 本当に附田先生はよくぞこれほどの主人公を生み出し、そしてここまで育て上げてくださったものです。


 もはや全ての面に渡って語りたいところですが、ここはぐっと堪えることにします。
 でないと辞書並みの文章量になりそうなので(爆)。
 あ、でもでも、あと二点だけ。
 アニメ感想記事ではこれまで敢えて述べませんでしたが、アニメは本っ当に!非っ常~に!料理の描写に力を注いでくださっていると常々感心しています。
 毎回毎回料理の絵が単独アップで映し出される度に、アニメスタッフさんのこだわりを感じていますから。
 特に第三話【『玉』の世代】でその気合いがお茶菓子にまで行き渡っていたのには脱帽ものでしたよ。

 そして附田先生のアニメ主題歌への愛(笑)。
 やはりウルトラタワーさんの『希望の唄』のサビには附田先生も唸らされたようですね。
 私も聞いた瞬間、「!!」と刮目させられましたから。
 なるほど、やはりあの歌詞は『ソーマ』のテーマに関わる言葉でしたか。
 これで改めて確信できました。
 やはり四宮の店でのスタジエール研修は重要な意味がありましたね。
 
創真の髪型の変化もきっとそれを表していたのでしょう。
 これは尚更、アニメでどう描かれるか注目です♪

 そしてやはりその意味でも、第二期のEDは最高としか言えません。


 いやはや、こんな対談が行われていたとは全然知りませんでした。
 対談内容から、アニメ第二期が始まる前に設けられていたようですね。
 かなり遅くはなったものの、この対談記事を見つけることができて本当に良かったです。
 お陰でこの『食戟のソーマ』に対する考えをより一層深めることが出来ました。

 もしまだご覧になっていない方がおられましたら、[附田祐斗×米たにヨシトモ 対談]と検索すればヒットすると思いますので宜しければ是非ご覧ください。
 超お勧めの充実した内容ですよ!!(><)





 さてさて、それでは本編感想へといってみましょう。



 週刊少年ジャンプ2016年33号掲載
 掲載順第6位
 第175話 【遠月列車は行く】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、今回もセンターカラー。
 そして前回の続き画でもあります。
 そんな今回は、えりなと新戸、そして司と茜ヶ久保ももがピックアップとなりました。
 新戸や司は予想の範疇でしたが、茜ヶ久保ももが選ばれたのはちょっと意外でしたね。
 今現在の進級試験編に関わる事は既に確定済みではありますが、何か大きな働きを務めることになるのでしょうか?

 ・・・(前回のセンターカラーと繋げてみた)・・・

 こうして見ると、茜ヶ久保ももは創真達と同じ背景ラインに描かれていますね。
 ということはひょっとして!?





 食材のハンデを乗り越え、見事合格を掴み取った創真班。
 彼らだけでなく他の[玉の世代]達も無事合格できた模様。
 そして、この様子だと北条や貞塚もやはり薊政権反対派でいてくれているみたいですね。(^^)
 彼女達の活躍は一体何処で描かれるのでしょうか。

 無事合格出来て、安堵する吉野。
 その傍らで談笑している創真と恵にほっこり。(仲良しー)
 ですがえりなは依然として厳しい態度のまま。
 [勝って兜の緒を締めよ]と、吉野を叱責します。
 その事もあり、一同は改めて気を引き締め次の試験へ臨むことに。



 ちなみに次の試験の会場へは電車での移動とのこと。
 鉄道まで所有していた遠月学園。
 ・・・この調子だと飛行機や大型船を所有していてもおかしくない。

 して、その電車はというと・・・
 豪華寝台列車。
 豪華寝台列車は今人気ですものね。
 私も移動手段は車や飛行機よりも電車の方が好きな人間なので、いつか乗ってみたいという夢があります。
 いや~~~・・・、それにしてもバースペースだけでなくラウンジカーにエステルーム付きとは・・・・・・・・・・どんだけ豪華やねん。

 その豪華な待遇と試験という状況の板挟みに、久し振りに大阪弁が出る吉野。
 ここの吉野は間違いなく、取材時の附田先生の代弁に違いありません。(^^;;;A)

 そうして一部は補習授業を受けるハメになりながらも(不憫)、それぞれ休憩時間に。



 一次試験合格を喜ぶ吉野に厳しく当たっていたえりなでしたが、彼女は気付いていたのでした。
 学園側は反対派を振り落すべく、より試験内容を過酷にしていくに違いない事に。
 それを乗り切るべく、やれることは今やっておかねばと、休憩時間中も勉強会の準備に取り組むえりな。

 ですが、そんなえりなの部屋に次々と来訪者が。

 まずはイサミ。
 星空が綺麗だから息抜きがてら見てみるといい、と。

 次に榊。
 彼女は疲れが取れるからマッサージマシンを使ってみるといい、と。
 ちなみに榊は非常に肩こりするタイプだそうですが、その理由は次のコマにてしっかり描写されているという親切設計。
 ・・・・・・・・・・。
 男性読者はともかく、女性読者は果たしてどう思われたことでしょう?
 附田&佐伯先生はつくづくいい度胸してると思います。

 そして恵も玄米茶を持ってきてくれます。
 それにしても新戸はホント古風というか、時代錯誤な面があるというか。(^^;A)
 やっぱり新戸の趣味は時代劇観賞なんじゃなかろうか。



 遂には創真まで。
 創真は夜食にどうかと「鮭の皮揚げチップ」なるものを持ってきてくれましたが・・・。
 これはひょっとして、第一次試験で押し付けられたホッチャレなのでは!?
 あの時の言葉通り、本当に夜食用にと料理してくれていた創真。
 しかも、食用にまるで向かないと言われた素材でも、ちゃんと美味しく食べられるようにして。
 本当にキミって子は・・・。(^^)
 この有言実行の姿勢は、創真本人だけでなくこの作品そのものの誠実さでもありますよね。
 本当に良い料理人に、良い料理漫画に出会えたものです。

 そういえば何かを咥えている創真を見るのは久し振りですね。
 初期の頃はよくスルメを咥えてたものでしたが。
 なんか創真って乾きもの好きそう。


 何故皆、自分の所に来たのだろう?
 そんなえりなの疑問に、創真は恵から聞いていた言葉を伝えます。
 恵は気付いていたのでした。
 えりなの気の張り詰めを。
 差し入れてくれたお茶は、そんなえりなへの気遣いと感謝の印。
 そしてそれは、きっと皆も同じことを思ってのことだと。

 創真を通して皆の気持ちを知るえりな。
 それは、お茶と同じでとても“温かい”ものでした。

 その時。

車窓の風景が変わり、二人の目の前に広がる星空。


 わ~~~・・・。なんとも素敵なシーンですね~・・・。(⌒⌒)



 まあね。
 それでも創真さんは通常運転だけど。電車だけに。(\うまい/)
 ゴメン創真さん。創真至上主義者な私でも、さすがにその発想は共感出来ない。(^^;A)

 創真の自由すぎる発想に、思わず笑うえりな。
 そんな自分にえりなは気付きます。

 これまでは、顔を合わせることはもとより、思い出すだけで気分を害していた創真という存在。
 なのに。
 今は、一緒にいることが嫌ではないと感じていることに。

(^^)






 一方その頃、無様にも創真達を誰一人として落第させられなかった広井は、次の二次試験こそはと躍起になっていました。
 そんな時、偶々つけていたテレビの情報を目にし、次の策を思いつきます。
 ま~だ懲りないんかい、このババアは。

 まあ取り敢えずこれだけは言っておきましょうか。

 大変見苦しい出演ご苦労さんでした。もう出てくんなよ。

 

 


 



 基本的に創真&恵派な私。

 ですが、そんな私でも今回の創真とえりなのやり取りには笑顔になりました。(^^)
 本当に附田先生はこういった純然で健やかな男女の交流を描かれるのがお上手ですよね。
 素敵な雰囲気を心から楽しむことが出来ました。

 佐伯先生も勿論、今回のこのシーンに注力してくださったのがはっきり分かります。
 それとは別に、扉絵の方でも心憎い仕掛けをしてくださっていましたね。
 アニメ開始記念として、前回のセンターカラーと繋げると一枚の集合絵になっていた今回のセンターカラー。
 繋ぎ画になると、創真とえりなが笑顔で一緒にいるというイラストに。
 これまで創真と一緒に描かれる際は・・・というより、カラーイラストでは全く笑顔が無かったえりな。
 そんな彼女がようやく笑顔を、しかも創真達と一緒に描かれたという事に、一つの達成感のようなものさえ感じられました。(^^)

 堂々と今回のメインを張った創真とえりなの交流でしたが、その一方で、さり気なくも創真と恵の仲睦まじさもちゃんと描かれていました。
 仲良く談笑していたり。
 隣に並んで電車を見上げていたり。
 なにより。
 やっぱり創真って恵が関わると優しい眼をしてくれるよね。(⌒-⌒)
 こういったさり気ない描写の丁寧さが、この作品の総合的な満足度を底上げしてくれていると思います。




 えりなの疑問に、創真が温かく教えてくれる。
 このやり取りも板についてきましたね。

 第170話では「自由さ」を創真から気付かされたえりなでしたが、今回は「温かさ」を気付かされました。

 イサミと榊からは息抜き法を。
 そして恵や創真からはお茶や軽食を勧められたえりな。

 創真ってよく相手に食べ物を勧めてきますよね。現に今回も幽庵焼きや皮揚げチップをえりなに勧めてきましたし。
 そんな創真と同様に、恵もお茶を勧める姿が頻繁に見られます。
 この「飲食を相手に勧める」という行動は、相手へのコミュニケーションの一つであり、相手への労わり。
 思い当たりません?
 実家に帰郷した際、親や祖父母から色々な食べ物を勧められることを。それこそ食べきれないぐらい。
 それは時に有難迷惑かもしれませんが・・・。
 とても、とても温かいこと。
 私も・・・、お婆ちゃんから色々勧められましたっけ・・・。お茶や畑で採れた野菜やお菓子・・・。沢山のものを。
 だから・・・。
 お爺ちゃんやお婆ちゃんが食べ物を勧めてきた時は、せめてその気持ちだけでも受け取ってくださいね。
 それは、とても幸せなことなのですから。



 そして、個人的に凄く高評価だったのが
 創真と城一郎の親子関係について、えりながどう思っているのかが記されていたこと。
 幸平親子の事実をえりなが知った際、えりなが果たしてどう思うか。
 それはえりなが城一郎に憧れているという事が判明してからこれまで数年もの間ずっと気になっていた事でしたが、実際は「え?へ?それでいいの???」と、あまりにもあっさりと流されてしまっていましたよね。
 そんな拍子抜けな中、展開だけがどんどん進んでいってしまったわけですが、今回内心描写とはいえ、えりなの気持ちが分かったのは大変良かったです。
 ほんの一文だけでも。ワンカットだけでも。
 それだけでも、満足感や理解度は大違いですから。

 やはり心配していた通り、憧れの存在と最も嫌悪していた存在の関係性に、「聖域の侵害」的な感情を抱いていたえりな。
 ですが本来ならその「侵害感」が「完全拒絶」へと移行していたであろうところを、「薊の存在による混乱」によって免れたのでしょう。
 こういうのを[毒を以って毒を制する]というのかもしれませんね☆

 そして創真への感情の変化はそのままえりな自身の変化でもあるわけです。(^^)



 下からの敬いでもない、上からの圧しつけでもない、対等な立場から貰う思い遣り。
 そんな皆の気遣いと創真との談笑。
 何も気負わなくていい。そんな空間がえりなの「張り詰め」を和らげてくれました。
 これまで気付けなかったことに気付くこと。知らなかった事を知ること。
 一人で見上げていた「月の夜空」から、二人で見上げる「星の夜空」へと変わる世界。

 きっと、このひと時はえりなの大切な思い出の1ページになったことでしょう。(^^)










 ・・・思い出の1ページといえば・・・。

 今回はまさに附田先生の取材ありきといった内容に思えました。
 やはり電車が登場すると旅情的な雰囲気がぐっと深まりますね。
 「旅」というのはこれから先割と大事なキーワードになると思うので、今現在の章はその前座といえるかもしれません。

 


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