週刊少年ジャンプ2016年36・37合併号掲載
掲載順第10位
第178話 【輝く街】
吹雪も止み、二次試験も無事クリアした創真達はそれぞれ次の目的地への乗車チケットを渡されます。
出発までの空き時間は各自自由行動となり、創真達は札幌の繁華街へと出掛けることに。
観光がてら食べ歩きをすることになり、それぞれ別行動となりました。
創真は手始めにソフトクリームを食べてみたところ、その味に驚愕。
「北海道おそるべし!!」
そのとーり!!!
北海道の食はまさにミラクル。ほんとファンタスティック。
というわけで。
創真:キラーーン☆
タクミ:キララーン☆
ビバ大衆食堂コンビ☆☆☆
エンジン全開なお二人に。
超息ピッタリのお二人に。
ほっこりほっこりああほっこり。(^^)(^^)(^^)
「ライバル」と一応名乗ってはいるけども、実際はもう親友ですよねこの二人。
普段はいつもタクミと行動しているイサミはというと、珍しく別行動を。
イサミも秋の選抜を経て、一人立ちをし始めているんですね。
アルディーニ兄弟と同様にいつも一緒にいるえりなと新戸も別行動を取り、新戸は榊達と一緒に行くことに。
なんだかんだでこれまではえりなと極星メンバーとの交流が主に描かれていましたが、極星メンバーとの関わりが長くなっていたのは新戸も同様ですからね。
恵にえりなの事を託す新戸。
何故新戸はこれほど恵を信頼しているの?と疑問に思われた方は、単行本17巻収録の『華麗なる家出の日々5』をご覧ください。(宣伝)
とはいっても、やはり新戸も変わりましたね~。
「えりなは自分一人で守る!!」と常に尖っていた彼女が、大切な人を他者に託すことが出来るようになったのですから。
その結果、えりなは誰と一緒に行動することになったかというと・・・。
お~これは確かに珍しい組み合わせですね~!
なにげに[三大ヒロイン]が一緒に行動するのも初めてです。
そんな綺麗所と一緒ながらも、全然両手に花には見えないのがイサミの凄いところというかなんというか(苦笑)。
恵達と歩きながら、自分の身の上話をし始めるえりな。
皆それぞれ変わっていっているけど・・・
えりなの変わり様はやはり群を抜いているな~~~。
少し前までのえりなだったら、他者に自分の事など話そうともしなかったと思いますよ。
ここのえりなの話。
「尊敬」という点については素直に頷けます。
ですが「畏怖」という言葉には引っ掛かりを覚えました。
一個人の考えから言わせてもらえば、「畏怖」を用いるのは感心できませんね、とても。
でも、それも致し方ない事だったのでしょうね、特にえりなの場合は。
子供の身であるえりなは少しでも油断すれば、すかさず利用しよう操ろうと目論む輩が後を絶たなかったのでしょう。
哀しい話だけど、社会というものは「畏怖」を必要とする場合が多いのも事実。
相手を従えるには「畏怖」を植え付けることが最も手っ取り早い手段ですから。
・・・きっと薊もその意図でえりなにあの「洗脳」を行ったんだろうな・・・。
あの頃の自分は何も見ようとしていなかったのかもしれない。
そう語るえりなを庇ったのは郁魅でした。
そう。この二人って結構境遇に似ている部分があるんですよね。
どちらも「お嬢様」だし、家柄に縛られていた立場だったし、「強さ」を強いられていたし、父親との確執がある点も同じ。
ただ、えりなは一人っ子の模様に対し、郁魅には兄がいますがね。(証拠元:小説版第2弾)
というわけで。
実は個人的に、郁魅にイサミが同行していったこの展開はかなり注目していたり。
イサミもタクミという「兄」を持つ身。
この共通点を軸に、郁魅とイサミがどんな関わりを築くことになるのか楽しみです。
まずは外掘から埋めなくっちゃね♪(ニヤリ)
郁魅がえりなを依然として変わらず尊敬しているのは分かっていましたが、えりなの方は自分から切った郁魅に対して何とも思っていないのかなーとずっと気になっていました。
それだけに、彼女も一応の後ろめたさは抱いていたようで一安心。
これで本当に何も思っていなかったなら、えりなの人格を疑いましたよ。
郁魅の思い遣りに触れたえりなは、恵にも夜行列車でのお茶のお礼を伝えます。
その際に、例の少女漫画の持ち主を知ることに。
うん。やはり恵でしたか。
面白い漫画を読むのも楽しいけど、その感想を誰かと語り合うのもまた楽しいものです。超純情っ子同士、話が合いそうですしね。(^m^)
・・・例えば。
もしいずれ、二人がその漫画の感想を語り合う機会が設けられたとしたならば・・・。
えりな:「ここのシーンなんだけど、出会ってまだ半年も経ってないのに、て、手を繋ぐんだなんて早すぎるんじゃないかしら!?」
恵:「う、うん。ちょっと早いかもね。でも二人とも幸せそうだし・・・。」
えりな:「それにしたって誰に見られるかも分からないのに破廉恥ですっ。・・・・・・・・・・ち、ちなみに田所さんは・・・。」
恵:「?」
えりな:「その・・・と、殿方と手を繋いだことはあ、あるのかしら・・・?」
恵:「!? そ、そそそそだなごどあるわけ・・・!!」
不意に恵の脳裏に浮かぶ声。
田所・・・
恵:(・・・!)
ほら、立ちなよ
えりな:「田所さん?」
恵:(ハッと我に返り大赤面)「!!! いや!!あの!!あれはそうゆうのじゃなくて自然に!!じゃなくて!!えとあのそのそそそそだなごとないんだあ~~~!!!」(思わず脱兎)
一人残され茫然と見送るえりな。
えりな:「な、なんだったのかしら・・・?も、もしかして田所さんはもう誰かと・・・?(悶々)」
なーーーんてやり取りがあったら私としてはもう拍手モノですね!!
ええ、分かってます。とんでもなくこっ恥ずかしい妄想を晒してしまったことを(爆)。
でもですね。
本編では本当にさらりと描かれていましたが、創真と恵が初めて手を繋いだのはあのシーンなんですよ。
しかもあの時は蹲る恵を創真が立ち上がらせてくれたという、もう一つの意味でもとても重要なシーンだったと私は思っています。
なので、この少女漫画の件がえりなだけでなく、恵にも恋愛面での意識に何らかの切っ掛けを与えてくれることをちょっとだけ期待。
そんなえりなと恵の所に突如現れる大衆食堂コンビ。
ここの創真とタクミ、さり気にシンメトリーになってるのが堪らない。
附田先生ありがとう佐伯先生さいこー。
大衆食堂コンビに誘われ、えりなと恵は食事を一緒にすることに。
店へと向かおうとした時、ふと目の前の風景に気付くえりな。
改めて、えりなは思います。
本当に、今までは何も見ようとしていなかったと。
既に訪れていた筈だった街。
其処の綺麗さに気付けていなかったのだから。
そう思うえりなの表情は、その風景と同様に輝いていました。(^^)
こうして楽しい自由時間を終え、創真達はチケットに記載されていた時間の列車に乗り込みます。
そこに、新戸から電話が。
その電話で一同は知ることに。
新戸達が乗っている列車は、もうとっくに出発してしまっていたことを。
そう。
創真達は他の仲間達と分断されてしまったのでした。
そこに現れたのは竜胆先輩。
竜胆先輩は試験についての補足事項を伝えます。
次の三次試験は十傑とのガチ対決になるということを。
いやはや、それにしても。
ラストの創真と竜胆先輩のツーショット映えるな~~~(感心)。
いやもう素晴らしい完成度でした。
大満足です♪
ここ最近の不満がこの回だけでかなり払拭されました。
バトル描写もお上手ですが、安定感で見るならばやはり日常話の方が附田先生は長けていると思います。
それぐらい今回はえりなを中心に全てのキャラクターが活き活きと動いてくれていました。
読めて幸せな気持ちになれましたよ。(^^)
第175話の延長とも言えた今回。
創真から教えて貰った事を基に、相手に素直に「自分」を打ち明けていくえりなの姿は実に感慨深いものがありました。
初期の頃の悪役振りからは想像もつかないようなこの変わりよう。
やっと、私が望んでいた姿を見せてくれるようになりましたね。(⌒-⌒)
第175話では“温かさ”がキーワードでしたが、今回は“輝き”。
それは街であり、創真達。
そしてそれらの眩しさに目を逸らすことなく素直に向き合えたえりな自身です。
自分は何も見ようとしてこなかった。
今回、この言葉を二度思ったえりな。
ですが、最初と二回目とではその気持ちはまるで違っていた事でしょう。
最初に口にした時は、「仕事」でしか外に出ることは叶わず、自身もそれを当然の責任としてただひたむきに勤しんでいたものの、振り返ればそこに己の意思は無かったという過去の自分への空しさ。
でも二回目の言葉は、それとは真逆。
対等に接せられる相手と共に自由に外を歩くことが出来るという、これまで知らなかった充実感。
己を顧みることで、気付かなかった事に気付くことで、ようやくえりなの狭い世界は今ここで大きく広がることが出来たわけです。
こうして嬉しい成長を見せてくれたえりなでしたが、郁魅との確執が回収されたのも嬉しかったですね~。
これでえりなと郁魅の件は個人的にスッキリしました♪
さ~て・・・。
これでえりなの過去の清算を待つのは創真一人となったわけですねえ~~~。
一体附田先生はどうけじめをつけさせるつもりなのやら。
それにしても・・・。
えりなの過去の所業に対して、附田先生はびっくりするぐらいえりなに気を遣った展開にしていますよね。
私の予想としては、もしえりなのこれまでの狭く硬い価値観が変わり、創真を始めとした様々な事の価値に気付くようになったならば、その真面目な性格から、過去の自分の行いに相当の罪悪感を抱くに違いないのではと考えていました。
そしてその罪悪感が薊の元へと戻らせる要因になるのではと。
ですが実際は全く逆で、気付けなかった周囲の思い遣りに素直に心を開くという流れに。
まさかこんなにも優しい流れにえりなを導くとは☆
それでも違和感なく纏められているところが流石といったところです。
確かにえりなはこれまで周囲の思い遣りに気付けていない部分が結構見受けられました。
自分が、思うほど孤独ではないこと、思っている以上に優しさを貰っているという事に気付くのもまた、成長するためにはとても大切な事ですものね。
ただ・・・。その一方でこうも思うんですよ。
これほど喜ばしい方向に進んでくれているえりなですが・・・。
だとしたら、えりなが薊の元に戻ってしまう要因は一体何になるのだろうと。
いえ、これはあくまでえりなが薊の元に戻ることを前提としたうえでの話なのですがね。
私としては勿論、えりなが「洗脳」を完全に断ち切って薊と正面から対峙してくれることを望んでいます。
ですが、薊のあの余裕を見るに、まだえりなには「己を縛るもの」がありそうな予感が。
私の頭では「父親への愛着」しか今のところ考え付きませんが、果たしてどうなるのか。
附田先生は“上昇からの急転直下”もまたお上手な方なので、油断なりません。
そんなわけで、早速附田先生は仕掛けてきました。
束の間の息抜きという“上昇”から、仲間達の分断という“急転直下”を。
確かに試験内容として事前に知らされてはいましたが、こうも突然引き離されるとはね★
超安定した仲である大衆食堂コンビを描く一方で、新たな繋がりも予感させてくれた自由行動時のメンバー編成。
新戸は極星陣と。
そして郁魅はイサミと。
さて、一体彼女らはどんな交流を・・・?と期待したら、そのまま分断されてしまうという事態に。
これはどうやら、別行動したグループがそのまま分岐グループになったとみていいでしょう。
バトルは関係無しの交流を期待していましたが、そうも言っていられないようです。
創真と一緒の反セントラルメンバーは、えりな・タクミ・恵。
・・・ん?
偶然だろうけどこのメンバー、人気投票第二回目のベスト4だね☆
第172話で表示されていた地図から推測するに、どうやら4つに分断された模様。
気になるのは創真班がどのルートに配属されたかということですが・・・。
私の予想としては、北海道の中央を北上する「富良野方面ルート」でしょうかねえ?
何故なら、このルートは全ルートの中で最も分岐が少ないから。
断言させて頂きますが、この創真班のメンバーは[玉の世代]の中でも協調性・団結性において最も安定している面子です。
きっと何か狙いがあって附田先生はこの班編成にしたのでしょうが、ならばかなり厄介な試練がこの先で待ち受けているのでしょう。
案の定、刺客として創真班に送られたのは十傑第二席:小林竜胆。
竜胆先輩は個人的に見て十傑の中で最もダークホース的人物なだけに、これは中々の緊張感があります。
果たして創真達はどう切り抜けることになるのでしょうか?
一方で気になるのが他の仲間達。
自由行動の時同行していなかったため、アリスと黒木場もどうなったのか分かりません。
えりなと新戸が切り離されたわけですから、彼らも多分分断されてしまった事でしょう。
そんな彼らは一体どのルートになるか予想した場合・・・。
郁魅らは「十勝方面ルート」。
黒木場は「小樽ルート」かな?
港町育ちの黒木場に港町のルートを宛てるなんて馬鹿じゃね?と思われそうですが、そこはホラ、あれですよ。
得意分野で屈辱を味わわせる方がより大きいダメージを与えられるというヤツです。(はい、自覚してます。自分の根性の悪さを。)
ちなみに郁魅らは何故「十勝方面ルート」と予想したかというと、十勝って日本でも有数の酪農地帯じゃありませんか。
そんな十勝地方は乳製品だけでなく、小麦や大豆、ビート(砂糖の原料)も多く生産していることから「菓子王国」と呼ばれているとのこと。
私としてはそろそろ見てみたいんですよね、本編で。
郁魅のもう一つのスキルを。
そして「お菓子」とくれば当然十傑の「あの子」の出番となるわけで。
そんな諸々の理由から、この予想を立ててみた次第です。
そうなってくると、消去法で残りの新戸班は「旭川ルート」となるわけですが・・・。
旭川といえば、皆様ご存知の通りラーメンの聖地☆
ここらで女木島冬輔が登場してくる可能性は高いですね。
新戸班や黒木場はともかく、できれば郁魅班に関する予想だけは当たって欲しいところです。