あまぐりころころ

主に漫画やゲーム等の感想や考察を。
時に旅行記等も交えながらの、のんびりのほほんブログ。

『食戟のソーマ』第69話感想

2014-05-17 00:20:00 | 食戟のソーマ

 今回から、遂に『ソーマ』にも[情報処ゆきひら]なる情報ページが設けられることに。
 そして第2回レシピ選手権開催ですか。
 今回のお題は、本編に合わせて【ラーメン】。
 ですが前回とは少し違って、市販の袋ラーメンに一工夫加えたレシピを募集、とのこと。
 ふむ。
 これなら小・中学生でも充分に戦線に参加できそうですね♪
 前回はそりゃもう大人対象のコンテストかと思えるようなハイレベル振りだったもんなあ・・・(遠い目)。 

 

 

 週刊少年ジャンプ2014年24号掲載。
 掲載順第4位。
 第69話 【厨房の独裁者】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんつーハードな扉絵・・・。(-_- |||)

 え~と、すみません、これイメージイラストですよね?
 決して過去描写ではありませんよね??
 初ですね。
 これほど“重い”イラストは。
 
確かに黒木場は「狂犬」と呼ばれた子ではあるけども・・・うむむむ・・・。
 もしこれが彼の心理をイメージしたイラストならば、彼の殺伐とした心情を表すと同時に、彼もまた「囚われている」という意味でもあるのですが。
 




 今回は回想からスタート。

 北欧の港町にあるパブで出会ったアリスと黒木場。
 所持金があるかということを確認されてから、無事席に座ることが出来たアリス。
 まだ少々早かったものの、常連客も集まってきたという事で黒木場は店を開けることに。

 そうして開店するわけですが・・・。
 なにこの黒木場の発言力(汗)。
 屈強な荒くれ者達が、彼の一言にすぐさま従うという光景が。

 そして厨房のスタッフ達にも指示するものの・・・。
 この言い方。(><|||)
 言ってる本筋は間違っていないものの、余計な言葉多すぎ。言い方酷過ぎ。態度悪すぎ。
 遂に我慢できず、キレる従業員。
 そりゃそうだ。

 ですが、黒木場の実力は当時から相当だった模様。
 そのため店のオーナーからかなりの権限を与えられており、従業員の解雇さえも可能だったと。
 よって従業員も、歯噛みしながらも黒木場に従わざるを得なかったのでした。
 なるほど、従業員達からしてみれば、黒木場は「口と性格と態度が悪いが仕事が出来るため反抗出来ない上司」のような存在だったのですね。
 うっわこれは従業員達の方に共感せざるを得ません。

 そんなわけで従業員との関係は最悪だったものの、そんな文句をも押し黙らせる程だった黒木場の料理の旨さ。
 港の荒くれ者達も黒木場の命令には非常に従順だったのも、言いなりになってでも彼の料理が食べたかったからでした。





 ここまでがアリスの口から語られた、という形で終わる回想。
 え?もうお終い?
 黒木場の料理を食べた時のアリスの感想は??
 そして第53話冒頭シーンに至る経緯は???(まあ、もうなんとなく想像出来るけど)
 とりあえず今回は、黒木場の「厨房での振る舞い」を明かすだけに留めたようです。

 そんな黒木場の過去を聞かされ僅かに萎縮するものの、幼い頃から現場に居たのは恵も同じと、より一層恵を応援する吉野達。
 ナレーターさんのツッコミに今回も感謝。
 恵・・・耳まで赤くなっちゃってる・・・(苦笑)。



 そんな極星寮の面々を目にし、黒木場は・・・

「反吐が出る」

 
 ・・・・・ふ~~~ん・・・・・。


 

 厨房は“戦場”。
 料理は“力”、ね・・・。



 それについては、まあともかく。

 「ゴミみたいなお遊び」発言は・・・。(-_- |||)

 

 そんな暴言を受けたというのに。

 恵の反応のなんと純真なこと・・・!

 他のキャラだったら、少なくとも創真さんだったら100%ダークサイドにシフトチェンジです。(^^;;;A)



 「・・・違うよ・・・」

 ゴミなんかじゃない。
 そう言って黒木場に背を向ける恵。
 ここのシーン、恵の黒木場への「反発」そのものですね。

 そうして自分の料理へと打ち込む恵。
 具に使われるであろう、野菜やキクラゲ、豆麩を処理。(ちなみに豆麩も東北(福島県)の郷土料理でーす♪)
 どうやら前回下ごしらえしていた里芋も、トッピングとして用いるみたいですね。
 こりゃあ、かなりヘルシー系なラーメンになりそうです。
 
 そしてタレは二種類の醤油を合わせたものを使用。(ハイ、今回も栗うさぎの予想見事にハズレ★)
 恵が醤油味ということは、黒木場は味噌味になるかな?海老ミソも入っていることだし。(これも外れたら、私しばらく味噌ラーメン食べない)

 正確に、丁寧に調理していく恵を見守る創真達。
 恵の仕事の丁寧さは、以前から創真も感心するほどでしたものね。(^^)

 遂にスープの肝である出汁も完成した模様。
 果たしてその出来栄えは―――?

 「美しいな」


 仙左衛門にさえもそう言わしめる恵のスープ。

 輝きながらも澄んでいる。

 それは恵の心をも示しているのでしょうね。(^^)



 そんな恵の様子を見守る面々。
 創真がセンターなのが嬉しいなあ~。(^^)
 一番恵を見守ってくれているって感じで。



 自分の背中を押してくれた人達。

 それは広い世界へと送り出してくれた故郷の人々。
 ずっと応援してくれた極星寮の仲間達。
 そして、創真。

 そんな彼らを―――

「悪く…言わないで!」


 
正面から相対し、黒木場にはっきりそう告げる恵。
 凛としたその姿。
 恵、本当に強くなったねえ・・・。

 ま。
 それでもキメきれないあたり、やっぱ恵ちゃんなんだけども(苦笑)。
 





 



 第53話で「力の料理」という名のドSっぷりを(笑)、第67話で相手や立場関係無しに噛みつくという考えを、これまで少しずつ見せてきた黒木場ですが、今回でだいぶ彼の背景やキャラクター性が見えてきましたね。
 まあ、それでもまだまだ明かされていない部分はあるのですが。

 回想にて彼の過去の一部が語られましたが、昔はバンダナを巻いた時とそうでない時とのギャップが今ほど激しくなかったのですね。
 アリスと共に過ごすうちに、日常生活における面では刺々しさも和らいだということなのでしょうか?


 それにしても黒木場の独裁者振りには、正直言葉を失いそうになりました。
 まあ、店というのは自分の城でもありますからね。
 そこで勝手なことをするのは許さないという考えも分からなくはないのです。
 実際現実でも、私語厳禁のお店とかあるみたいですし。
 
 だけど、客に対してはともかく、従業員に対するあの接し方は・・・。

 全てを自分の杓子定規で見ている黒木場。
 人にはそれぞれ自分のやり方や考えがあるのだから、もう少し大目に見ても・・・。
 というのは甘い考えだと分かってはいますけども。厨房は甘々なやり取りでは回転しない空間ですけども。
 それでもこの振る舞いはさすがに譲歩出来ません。
 黒木場のこの言動。まるで刃物のよう。
 私も「厨房に立つ者」の端くれなものですから、従業員の方々の気持ちが痛いほど分かってしまいます・・・。(><。)

 この独裁振りはかつての四宮を思い出させますが、彼には充分納得できる背景がありました。
 では黒木場は・・・?
 単純に考えれば、子どもだからといって舐められないように、という理由が挙げられますが・・・。
 でも彼のあのブレなさを見るに、そうとは言えないような気がします。
 他に別の理由があったのでしょうか・・・?
 

 そして、黒木場の“料理人”としての考え。
 「厨房は戦場」。
 この言い分は尤もだと思います。
 厨房内は常に時間との勝負。
 即座の状況判断、決断力、計算、暗記、応用力。
 体力だけでなく知力もかなり必要とされる、非常に張り詰めた空間です。

 でも、「料理は力」なんて考えたことは一度もありませんね。
 

 黒木場のこの考え方。
 創真が聞いていたらどう応えていたのでしょう?
 多分、半分は肯定。
 そして、もう半分には物申していたんじゃないかな・・・。


 なにより、今回一番残念に思えたのが、黒木場の「仲間(友達)」に対する考え。
 料理人同士の関係は食うか食われるか、それのみ、と。
 彼のキャラクター性を知るほど、「馴れ合い」はしない子かもとは感じていましたが、まさかこれほどとは・・・。
 ですが、それほどの一匹狼だからこそ、アリスとの関係性に興味が持てますね。

 
 「料理」に対しても、「仲間」に対しても。
 もはや全てが恵と対極な考えの持ち主といえる黒木場。



 
そんな黒木場に、恵はこれまでになかった姿を見せます。

 それは、反発。

 食べてくれる相手への「心遣い[ホスピタリティ]」を、自分の料理の信念としているからこそ。
 仲間がいてくれたからこそ今の自分があることを、誰よりも分かっているからこそ。
 黒木場のその発言には譲れないものがあったのでしょうね。

 それでも、数か月前までの恵だったら、黒木場のその発言を受けていたら何も言い返せず、その敵意に押し潰されてしまっていたでしょう。
 ですが、創真と出会い、自信や勇気を与えられた今は。
 
こうして真っ直ぐに相手と向き合うことが出来るようになるまで、強くなりました。



 黒木場がひたすら“黒い”一方で、ひたすら“白さ”が際立っていた恵。
 暴言ともいえるべき黒木場の言葉を受けても、彼女の表情はひたすら純真無垢なものでした。驚くぐらいに。

 ここに恵の魅力があると思うのです。

 創真との会話の中でもつくづく感じていました。
 それは
 恵は相手の言葉を真っ直ぐ受け止めてくれる子だということ。

 
 善意ある言葉にはもとより。
 悪意が込められた言葉を受けようとも、そのまま悪意や敵意を返すことなく、ただ素直に受け止める。
 今回も黒木場の「悪意」に「反発」こそすれども、そこに「悪意」や「敵意」は無かったと思います。
 自我が強くプライドの高いキャラが多い中、恵のこういう点は彼女だけのものと言えるのでは。
 最初の頃は、この点は「悪意ある言葉に束縛されてしまっている」という形になってしまっていました。
 ですが、その「悪意」に耐えられる“強さ”を身に付け始めた今。
 恵のこの点は、彼女の「器の大きさ」という形へと昇華し始めたのだと思います。
 
 なにせ彼女は「田園」。
 創真と同じく“大地”な子ですから。(^^)



 それまでは勝敗以前に自分の料理を楽しみたいと思っていましたが、今回で黒木場の考えを知り、自分の料理を持ってその考えに反論する決意を固めた恵。
 彼女の成長を再確認すると同時に、今後の成長の方向性も感じ取ることが出来ました。

 一方の黒木場は今回随分と暴言を吐きましたが・・・。
 その言葉の“奥”が感じ取れました。
 今回「仲間」という存在を批判する黒木場は、「周りは全員敵」と言う四宮や、仲睦まじいカップルの様子を「くだらない」と言うえりなに重なりました。

 ひょっとしなくとも、黒木場は・・・・・。

 今回の話は彼をより知ることが出来て、私的には中々意義深かったです。
 なにせ黒木場は葉山よりもずっと早く登場していたというのに、その名前も素性も全然明かされてきませんでしたからね~。

 

 最初は共通点も面識も無いし、対戦する可能性は無いだろうと思っていたのですが、こうしてみると「港町出身」という共通点、そして仲間や料理に対する価値観の相違と、中々興味深い対戦カードに思えてきた【恵 VS 黒木場】。
 まあ・・・、強いて言うならば恵が港町出身だったという設定は少々急だった感じがしなくもありませんでしたが、そこは第57話でがっちりと補強してくれましたからね。
 ほんと、附田先生凄すぎ・・・!

 さて、次回はいよいよ実食に入る模様。
 創真に引き続き、「自分らしさ」をフルに発揮した恵の料理に期待です!!

 

 

 でも・・・。
 今回の勝負はやはり・・・。

 ごめんね・・・恵。


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