「長靴をはいた猫」

 その「ネコ友」である友人が、昨夏ドイツへ行ったときに買ってきてくれたお土産が、「長靴をはいた猫」の小さな壁飾りである。黒猫の前足や尻尾の先、耳の横の白っぽい毛までが細かく描き入れてあったりして、一目見て気に入った。お土産といえば、義理でとりあえずなんでもいいから買ってくる人もいるけれど、彼女は私の好みをよく考えてくれて、自分の納得のいくものしか買ってこないから、その心遣いもまたうれしい。この「長靴をはいた猫」は裏側もきれいに描かれているので、壁に吊るしたのではせっかくのうしろ姿が見えない。目下、両側が見えるように飾れる場所を検討中である。
 「長靴をはいた猫」は、フランスの詩人シャルル・ペローの童話であるけれど、小さい頃、実家にペロー童話集の文庫本があって、よく父に読んでもらった。「長靴をはいた猫」のほかに、「赤頭巾」や「サンドリヨン」なんかが入っていたと思うけれど、一番多く読んでもらったのは「青ひげ」であった。話の詳しい筋は忘れてしまったけれど、ある娘が嫁いだ青ひげという男は、実は先妻を何人も殺していた殺人鬼だったというような話で、怖いのだけれどそのスリルを味わいたくて、何度も何度も父に頼んで読んでもらった。
 その文庫本が今も実家にあるかどうかはわからないけれど、今思い出して、また読みたくなっている。
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