消えものに限らず、
「何かをやりながら喋る」
というのは、予想以上にシンドイ作業なんですね。
ごく単純な、普通の生活なら当たり前のことが、
芝居だとそうはいかないんです。
見てると、なーんてことないんですよ。
なんだけど、やってる方は、よほど慣れないと、
「普通」に見えないんです。
お茶を淹れるとか、片付けるとか、
このくらいなら楽なんですが、
電卓叩いて、家計簿をつけながら、
家族と会話する、なんてことになると、
電卓で計算しながら、字を書きながら、
台詞を出さなきゃいけない。
日常では普通のことなのに、
芝居でやると、普通に見えるようになるまで、
かなり時間がかかりました。
あ、片付けるにしても、
大量のものを片付るっていう、
なんとも力技なシーンもありました。
私はそのシーンには出ていなかったのですが、
足の踏み場もないほど荒らされた部屋を、
10人ほどで手分けして片付ける、というシーンだったんです。
洋服やら本やら、いろいろあるものを、
それぞれ分類して、片付けて、掃除して。
その間に、ハイテンションな台詞の応酬が入るという。
で、
決まった台詞までに全部がきれいにならないと、
空白の時間ができてしまうワケです。
みんなの台詞を聞きながら、自分の台詞を出して、
手だけはすさまじい勢いで動かして、
でもとっても楽しそうに・・・。
これ、見ていて本当に大変そうでした。
とにかくギリギリなので、本番中でも、
間に合うかどうか、毎回わからない。
それまで優雅に服を畳んでいたマダムが、
間に合わないとなった瞬間、
その辺の服をグシャッと引き出しに放りこんじゃった!
なんて、あとからネタになりそうな話が、
たくさん出たようでした。
あ、そういえば、
(とまた思い出す)
もっとハードなシーンもありました。
これも、私出てなくてよかったと胸をなで下ろした、
トンデモ芝居だったのですが・・・。
・・・って、
いつになったら消えものに戻るんだろう
<つづく>
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