芝居をしながら、喋りながら、食べ続ける姿は、
嘘がないから面白い。
・・・とはいえ、
このときはそれどころじゃなかったのです。
なぜならば・・・、
会話の中に「おかわり」 という台詞が入っている!
それも3回!
つまり、3回、おかわりをする。
つまり・・・、短いシーンの間に、
台詞を喋りながら、
3膳のご飯を食べ尽くさねばならない!
それも、台詞を出すタイミングは絶対に外せないので、
「おかわり」の台詞までに、ご飯の完食が絶対条件。
それを、かける3、で3回。
大食い女郎役の若手の役者さん、
毎日、昼と夜との2回、飲み込むように3膳めし。
これは苦行だったようです。
でも、それは本番の話。
本番に至るまでには、稽古中にもっともっと食べ続け、
何度も何度も繰り返して稽古して、
やっと出来上がった結果でした。
もう1人のお喋りな女郎役の子は、
ご飯は1膳だけで済みましたが、
なにせ、お喋りという設定なので、
台詞が多いこと多いこと。
それも超早口のマシンガントーク!
その間に食べるのも、かなり大変そうでした。
喋りながらも、アリといえばアリですが、
ご飯粒って、口から飛び出しやすいから、
これはこれで怖いんですよね。
リアルったって、あまりにキタナイと、
お客様が不快になるでしょうし、
飛びだしたご飯粒が、衣裳や床につくと、
そのあとがもう・・・考えただけでゾッとします。
よく我々は「尺」という言葉を使うんですが、
この台詞からこの台詞の間に食べ尽くさねば、
「おかわり」と言えないという、
決められた尺がある、となれば、
解決法は、ただひとつ。
軽くよそえばいいのです。
なんですが、
これがまた、よそう方にも、事情がありまして・・・。
<つづく>
ブログランキング参加中
よろしければクリックを