場当りの時のマイクは、
演出家の暴走を止める役割がある。
という理由をお話しする前に、
演出家と舞台監督さんについて、
簡単にご説明いたします。
(なぜか、舞台監督だけ「さん」づけ・笑)
演出家というのは、皆さんご存じの通り、
その「作品」の総監督であり、総責任者です。
対する舞台監督という存在は、
一般の方にはなじみが薄いと思いますが、
その「舞台」の総監督であり、総責任者です。
演出家のイメージ(美術家がいるときも)を、
現実のセットとして作り上げるなど、
舞台に関する用意から始まって、
本番が滞りなく進むために、
裏であらゆる仕事をし、指示を出します。
何か問題があったときの、
舞台監督さんの処理の素早いこと!
常に冷静沈着。
役者の体調にまで気を配りながら、
舞台のどんなことにも対応できる仕事人なんですね。
演出家と相談しつつ動くものの、
でも、劇場の1日のスケジュールは、
舞台監督さんの手の中にあります。
・・・と、やたらと長くなってしまった
何を書こうとしてたんだっけ??
あ、マイクの話だった!
つまりですね。
意外なところで劇場のマイクが役に立つのが、
場当りの時なんです。
演出家は、
とにかく作品をよくしたいから、
場当りのときでも、演技が気になる。
そこで、演出家が思わずダメ出しして、
普通の稽古になっちゃったりすることがあるんですね。
場当たりは、
メカニックと演技を合わせるものだから、
本当は絶対にやっちゃいけないんだけど、
やっちゃう演出家もいたりする。
でも、これをやっちゃうと、
時間が足りなくなって、
ゲネもできずに本番。
いや、ひどいときには、
場当りさえ終わらずに本番、ってこともある。
そんな事態を回避するために、
舞台監督さんが、演出家の声をさえぎって、
「はい、次行きます!」
と、デカい声で一喝するのも、
やはりマイクあってこそ。
以前、1本しかないマイクを、
演出家から奪い取って、進行を続けた、
頼もしい舞台監督さんもいました(笑)
あれ?
全然話が進まなかったみたいな・・・
<つづく>
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