どくだみ
春に 白いかわいい花を咲かせた どくだみは雑草と一緒に これぞとばかり勢いを増しています。
そんなどくだみを 仇のように嫌うお方もおいでですが 私には幼いころを思いだたせる 野草です。
日本が戦争に負け 皆が食べることに精いっぱいだった時代 子供たちは皮膚病を抱え あたまには虱 衣類にはノミをつけ
たいていの子供は回虫を 抱えていました。
まだ結核が はやっていたころでした。
衛生状態も悪く おできやネブトができると どくだみの葉を数枚かぼちゃの葉でくるみ かまどの熱い灰の中で 蒸し焼きにし
それを患部に当て 数日取り換えると 完治していたのを思い出します。
父は 休日になると センプリ ゲンノショウコ などを山に採りに行っていました。
磯にもぐりに行ったときの 伊勢エビの殻も きれいに洗って 干してありました。
いろんな身の回りのものが 子供の病気やけがの治療に役立っていたように思います。
今はすぐ ドラッグストアに駆け込んでいますが 昔の人の知恵も生かしたいものだと どくだみを眺めています。