毎朝 届けられる 新聞 あの震災以後 最後のページには 被災者やボランティアの 方々の 生の声を伝えています。 わずか数行の中に 東北の方々の 辛抱強く 周りに気を遣い そして沢山の悲しみを 抑えた言葉で 今が 語られています。
あの日以来 私も日ごろの生活の中で あの避難所の被災者の方々に比べれば……と思うことが 多くなりました。 私の住む地方も 一段と春めいてきました。 無常な自然の災害もあれば 何事も無かったかのように 時は流れて 季節はめぐってきます。
被災地の遠く離れたところに住む私は どんな言葉も届けられず 祈ることしかありません。一日に 二回のおにぎりと わずかな水しか届いていないところもあるようです。
皆 人間です。 生きているのです。 命は一つです。 どうか助けてください。そんな被災地の方々の言葉が 私の耳から離れません。
庭の 山椒も柔らかい棘を出して 威嚇しながら新芽を出し始めました。