今朝の新聞のチラシに 早くも 盆地提灯の売り出しが出ていました。
私の田舎では 8月にお盆の行事をするのが恒例でした。 それが 早期の稲作に移行してからは 収穫時期がお盆に かかるために お上の呼びかけもあって 7月にお盆の行事をするようになりました。
が 田んぼを 大型機械がはい回るようになって 取り入れも今では7月の半ばから 8月の上旬には 完了してしまいます。
そこで お盆も 7月にしたり 8月にしたり それぞれのようです。
黄泉の国に行かれた仏様は 7月7日にあの世を 出発されるとか 私の地方では 七夕の夕方に 個人にゆかりのある者は 提灯を持って 初盆のお宅に 伺います。 お客にはそうめんと肴で簡単なもてなしをします。 そして主は 初盆の行事の日を お客に伝え お礼を伝えます。
当日 ご近所の女衆の手伝いを受け 何十人分もの 料理を作ります。 納戸のお膳や 漆のお椀の出番です。 お寺さんが見えみんなでこうべを垂れありがたい お経を聞きながら 故人をしのびます。
座敷には 届けられた提灯がたくさん 青竹に下げられ 集まった子供たちは どの提灯を ゲットするか 縁側からのぞいています。
お経が終われば 酒宴です。 お祝いではないので そんなに乱れるものはいません。 やがて和尚さんが腰を上げ みんなでお墓え 移動です。
もちろん 提灯も 青竹につるされ そのあと 子供が続きます。
墓前でお経を上げていただき 終了です。 提灯を子供たちが ゲットした後 不要な提灯は お墓で 焼却され お盆の 行事はおしまいです。
呑兵衛はまた 座敷に座り直し 続きが始まります。 お日様も沈み 月が出るころには 青年団の衆が 太鼓とともに 盆踊りに回ってきます。
懐かしい お盆の風景でした。 ごみの関係で 提灯を届ける代わりに 金一封になり 子供たちも 提灯など 興味を持ちません。 料理は仕出し屋に頼み ご近所が集まることもありません。
それでも 提灯のチラシを眺めつつ 穴熊さんと 「あの人も あの人も 初盆だ」 と 故人をしのんでいます。
昨日 プールから帰ったらたくさんの 茄子が台所に 転がっています。どうしたのか 穴熊さんに聞いたら 「穴熊農園よ」 と似合わない返事。
皮を剥いで 薄く切って 油通しして チキン南蛮のたれに つけました。 おいしかったですよ。