こころの染織

ひと針ひと針心を繕います。
第8章・・月あかりの散歩道・・・私とルナと一緒に月に想いを馳せて散歩しませんか~♪

幾つになっても・・・・

2012-06-28 21:26:43 | 第1章・青の家

ルナです。



今日も、梅雨の中休みは続いて、爽やかな一日だったね。
ルナは、今朝も、ここで岩盤浴だよ。
毎日くせになりそう~


昨日は、ママさんの母上の話しに、みんな、それぞれの「おかあさん」を思ってくれて、
ママさんは、それがとっても嬉しかったみたいだよ。
傍に一緒に居るお母さん、
離れたところに住んでいるお母さん、
そして、天国で見守ってくれているお母さん・・・・・








さて、次の日も快晴だった。


前日の夜に、「明日、体調が良かったら父上の所へ行ってみようか?」
母上がそんな事を言いだしたのに、ママさんは、少しびっくりしたらしい。
なかなか外出が大変で、いつも、途中で断念してしまうことが多いからね。


実は、ママさんの父上は、
多発性脳こうそく・・・って言うものを引き起こして以来、認知症が進行して、
このままでは、病気がどんどん進んで、何もできなくなってしまう。
なるべく進行を遅らせるために、「グループホーム」というところへ入所することを勧めます。。。
主治医の先生からの紹介で、もう、7~8年になるらしいけど、
少し離れたところに今は暮らしているんだよ。


当日の朝、母上は、やはり、今日は行けそうにないかも・・・・そう言いだした。
「まずは、朝ご飯を食べてみて、それからもう一回考えようね。」
ママさんは、もう少し時間を置いたら、体が温まって、
きっと、考えが変わるだとうと思っていたらしい。


食事を済ませると、「何時頃に行く?」
思った通り・・・・母上は、気持ちを切り替えたから、
「10時に行こうかなぁ~」
そんなことで、タクシーで出かける事にしたんだって。


ママさんの父上は、車いすで迎えてくれたんだって。
会話にはならなかったけれど、
つつがなく、平らに、穏やかな毎日を送っているようだった。

そこで働く職員さん達の声掛けや、手助け・・・
それには、感謝以外の何ものも無い。
のぞきこんだ目に、自分の顔を合わせて、呼びかけてみたらしい。

「私が、わかる?」

そう言って、父上の手を握ると、細く軽く・・・うなずいた。。。
一瞬の出来事は、そこで終わるんだって。


それでも、今日はそれで充分だよね。

ママさんは、二人の記念写真を撮って、「はい、笑って~」
そうしたら、職員さんもカメラを持って来て、一緒に写し始めたらしい。







1時間ほどの短い時間だったけれど、
母上と二人で出かけられたことが何よりだったと振り返る。


「もう夏のようだね~」
母上はタクシーの窓から外を見て、そんな事を言っていた・・・・
「もう、夏なんだよ~。」


昨夜も、「寒くないか?」と何度も気にして、
ストーブをつけたり消したりしていたらしい。







近所の出前をしてくれる清武食堂のラーメン。


昔ながらの中華そば。

実家に帰るとなぜかこれを食べて帰りたい。
もう、かれこれ40年も出前が続き、
配達のおじさんも、もう、相当なお歳になっていた。。。


2時には、看護師さんが、ヘルプに来てくれるというので、
ママさんは、1時過ぎに家を出た。
「見送らなくても良いよ・・・」
そう言ったけど、母上は、玄関の外まで出て来て、
「気をつけて帰ってね。帰ったら電話をちょうだいね。ルナちゃん待ってるね。」
それを聞いていたタクシーの運転手さんは、
車を走らせると間もなく、
「幾つになっても、娘は、娘なんだよなぁ~」
そんな会話をしながら、再び、盛岡駅に着いたらしい。







帰りは、秋田新幹線が盛岡で連結する「こまち」
ゆっくりとホームを進み、間もなく「カシャッ」
先に入っていた「はやて」と意外に静かな音で繋がった。







ママさん、ルナはお留守番していてよかったなぁ~って思うよ。
いろいろ考えることもあるけれど、
ママさんにとっても、きっと、行って来て良かったって心から思える時間だったね。





コメント (18)
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