今日の新聞(朝日新聞6/13付教育欄)に、チョウの好む草花を育てる『チョウの道プロジェクト』についての記事が、掲載されていました。
プロジェクト仕掛け人の南孝彦さんによると、 都心の公園や運河の土手を散歩していてルリタテハやジャコウアゲハの幼虫を見つけ、その近くに幼虫の食草群があることに気づいたことが、発案のきっかけとなったそうです。食草を増やせば、都会でもチョウが飛び交うようになり、チョウが生きやすい環境を整えることが色々な生物が共生できる環境をつくることだ … と考え、小中学校などの敷地に食草園をつくってくれるよう依頼して回ったとのことです。
都内の学校での取り組みも紹介され、食草園をつくりチョウを育て観察する中で、小さな命の生や死について子どもなりに考え、命の尊さを学ぶ機会となっているようです。
南さんは、いま、皇居を起点に都心の道沿いにチョウの道をつくる計画を考えているようです。 路地にプランターを置いたり、道路わきの植え込みを活用したりしながら、チョウが羽を休める花壇と食草園をつくっていく。一つ一つの点は小さくても、間隔を縮めていけば線になり道になる。ビルの谷間でチョウが舞うようにしたい。
すばらしい夢だと思います。一つの点が、線になり、チョウの道になるには、たくさんの人の理解と協力が必要となるでしょうが、そういった人の輪が広がっていく中でできあがる道は、チョウにとってだけでなく、人間にとっても都会のオアシスとなる道になるような気がします。
食草の主語(草を食べるの)は、人間ではなくチョウだったのですね。チョウの住める環境をつくることが、他の生物や人間にとってのよりよい環境づくりにもつながっていく。人間中心の視点からではなく、チョウも含め多様な生き物との共存という視点から、身の周りの環境をとらえなおすことの大切さも教えられたような気がします。
我が家のサンショウに住みついたアゲハとキャベツについたアオムシが、やがてチョウになって飛び回れるよう、大切に見守っていきたいと思います。