あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

CCT

2005-09-29 22:36:38 | ライブ手術
二日間のCCT surgicalは今年は何事も無く無事終了、ここに来て二度目の参加であるが、やはりスタッフサイドは大変である。手術も発表も講演もほとんど見れなかったが、今年も教授やら部長やらが本音をぶちまけまくってて面白そうだった。
初日は、小倉記念の岡林先生のoff-CABGで、何度か見ているがとても余裕があって素晴らしい。前の晩、懇親会があって岡林先生の隣の席に座らせていただいた、普段学会などでは、すごく無愛想に思えていたが、大変気さくな方で、さらにその晩は上機嫌でいらしたのか、自らしゃべりまくっていた。グラフトの選択は、右に関してはSVGかGEAとのこと。ラディアールは天野先生の言うとおりスケルトナイズして使っても遠隔期でスパズムが多く、もう使わないといっていた、ネイチィブのフローが多ければSVG、少なければGEA。左は基本的にLIMAをLAD、RIMAを分岐の先まで結構長く取って、再開胸のリスクを考えてAoの裏を回してCXへ1~2本とのこと。ただ、裏まわすとどうしてもとどかないことがあるので、RIMAの分岐の先で使ったり、分岐でYで使ったりするらしい、天野先生は、分岐以降は動脈の性状が違うので絶対に使ってはいけないといっている、全く逆の二人である。
ここでもトルコのカラゴッツの話が出たが、岡林先生はもう去年見学に行ったとのこと、とてもいい先生で空港まで迎えに来てくれたらしい、年間1200~1700ぐらいの症例をほぼすべて自分でこなしているらしく、下の者には回ってこないとか、、、。開胸閉胸、グラフトはすべてアシスタント(医者じゃない)の役目らしい。AWAKEのOFF-CABGに関しては彼いわく、外科医はAWAKEだろうが全麻だろうが関係ないと、やっていることは全く一緒とのこと。すべては麻酔科が決めることだと、、、ちなみにバイパス本数は平均1.6本ぐらいといっていたかな。

二人目は小牧市民病院の澤崎先生、弁形成で有名、今回はやや前尖のリウマチちっくなMsrで、普通なら即弁置換という症例であるが、これを弁の専門家はどうするかというのが、今回の症例を選んだうちのボスの趣旨である。
この症例はカメラもちとして手洗いさせていただいたが、澤崎先生前尖の根元をカットしてスライドさせて、ディフェクトは自己心膜をグルタルドアルデヒドで処理したもので、補うという形成を試みたが弁尖がやはり硬くて、コアクテーション悪く、いろいろ追加するも残念ながら断念して弁置換となった。しかし、この先生のチャレンジャー精神には天晴れです。
二日目は、国立帯広病院の、去年は弁形成で参加されていた、大動脈も得意とのことで今回はTAA、とても丁寧な手術で無事終了。OPEN Dで末梢と鎖骨下、分枝送血にして中枢の順で吻合して、BEAT再開して残りの2分枝を吻合して終了。
助手は大和成和に行った時にCOMICでいた、あの椎久先生でした、1年半前とはがらりと感じが変わって、少しお痩せになって、すごくりりしくなっていて、貫禄があった。最初は別人かと思ってしまったほど。まえに朝日新聞に載っていたが、COMIC卒業後、帯広に就職したとのこと。

来週は岡山で胸部外科学会である、今回も演題出してないけど参加させていただきます。来年の岩手の心臓血管に演題二つ出すようにいわれてるが、あと二週間しかない、来週は学会だし、認定医の試験も近いし、やばい。