あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

ねたに絡むシャリ

2008-01-23 10:25:09 | Weblog
昨日は目黒の静かな住宅街のいっかくにあるお寿司や「いずみ」というところに行ってきた。
ここのおやじは寿司に関しては右に出るものがいないのではないかというぐらいこだわりを持っているようで。
食材は全て地元の漁師から直接買っており、漁師が自分達だけで食べるような市場には出回らない食材をだしてくれる。
そして、調理の仕方も変わっていて、保存料や添加物の無かった江戸時代のころのやり方を再現してだしてくれる。

例えばワサビはこの店には置いていない、かわりにつけるのが和がらしという辛子である。
これが不思議と刺身や寿司によくあうのである。
でもそれは、当然のことで昔の日本人は寿司にはこの和がらしをつけて食べるのが当たり前だったとのこと。
それがいつの間にか、ワサビに変わって、今では和がらしを扱う店も生産者もいなくなってしまったとのこと。
日本でも和がらしを生産している農家はたったの一ヶ所しかないらしい。

しかし、ここのおやじ、なんでそんな昔の食べ方について詳しいかというと、いろいろと昔の食に関する文献を読んで、試行錯誤を重ね自分流に再現したとのこと。
あっぱれである。

だから食べたこと無いような料理ばかりがでてくる。むかしにタイムスリップしたかのようで楽しい。

そしてやはり何よりも素晴らしいのがお寿司である。
ここの寿司は全て直接お客の手に渡してくる。
そしてお客はそれをそのまま口に運ぶ。
醤油なんて無い、板前さんが渡す直前にそれぞれのネタにあった酢やタレをさっと垂らしてくれる。

握りたての寿司をすぐにそのまま食べて欲しいという、おやじの心意気である。
しゃれてるじゃないですか。
そしておやじがもっともこだわっているのが、シャリである。
シャリはネタによく絡むようでなければ駄目だと言っており、事実、口に含んだ瞬間、その言っている意味がわかる。
お米にひびでも入れているんじゃないかと思うぐらい繊細で、かつ一粒一粒はしっかりしている。

はっきり言って、今まで食べていた寿司とは、全くの別物である。

こんなに美味い寿司は東京でどんなに高い金払っても食べれないのではないかと思う。

事実、昨日来ていた常連のお客さん達も、銀座の久べいなんかより断然うまいと豪語していた。

ぜひオススメのお店です。ちなみに、店は暖簾も出しておらず、カウンター10席のみで、埋まったらそこで終了、入れ替えはしないとのこと。
だから必ず予約が必要。
また、メニューなんてものは無く、全てお任せ、料金もよくわからんが、二人で行って飲んで3万弱、へたにその辺の寿司やに入るよりだんぜんいい。
大満足である。