あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

悪い子はいねえかー

2011-09-12 15:04:56 | Weblog
ふと医局の壁を見たら、来年の心血管のポスター貼ってあったけど、秋田だってmmm。
でも演題締め切り今月だった、何にしようか迷ったが、考えていたネタはいくつかあるが、400-500のデータなので、もうデータを集めている暇はなし。ちょうど先ほどATSにsubmitしたHOW TOものがありますので、そのまんまビデオ演題で出しちゃいました。
秋田といえば、研修医のころ、7-8人で秋田の脳研に研修に行って、遊んできた覚えあり
なまはげ博物館で、悪い子はいねえかーと迫力あるなまはげみたなー、結構、まじで怖かったよ。ありゃ、悪ガキも言うこと利くようになるわ。あとは畑のキャビアといわれるとんぶり、じゅんさい、きりたんぽ鍋、それに地鶏、、、、。食べるものばっかですね。あとは男鹿半島にもいきましたし、ウニも取って食ったな。
来月は血管外科の締め切り、そして今年のウインターセミナーは山形・蔵王です。昔、ジョンジョンのラボの帰りに樹氷を見に行きましたよ。温泉はPH2でタオルがぼろぼろになるぐらいでしたが、肌はつるつる、というか溶けてるだけ?
気持ちよかったなー、演題締め切り11/30です。やはりウインターセミナーあたりは、苦労した症例ややってしまった症例をだして、みんなで本音であーだこーだ言うような症例報告がいいですね。普通の演題ではつまらんでしょ。

ちょんぎれてた

2011-09-12 01:22:05 | Weblog
先日は夜間に解離が来まして、ボスや部長が来れないとのことで、わたくしが担当させていただきましたがなんとかなりました。
もともとRCAのAMIを伴っていまして、前医でPCIを試みましたがカテが解離腔に入ってしまうとのことで、手術となりました。開けてみたらRCAの入口部がちょん切れていました。AMIでしたので冷やしている間にRCAにはバイパスを置いていたので、心筋保護はよいのですが、これまで、離断してしまっている症例は見たことがありませんでしたので、はてどうしたもんかと、、、、。ボスなら迷わず、ベントールへ行くのでしょうが、私はいまだベントールは未経験ですので、とりあえず、修復しかないと。苦肉の策でパッチで内膜の入口部は閉じて、バイオグルーでがっちり固めて、#1はフェルトでつぶして閉鎖することとしました。これでだめならベントールしかないなと思いつつ、上行置換とA弁釣り上げにSVG-#2として、なんとかなりました。6時間と時間はかかってしまいましたが、ポンプ離脱後の止血にもさほど苦労せずに終了。恵まれていることに、これまでOPCABをそこそこさせてもらってきたおかげで、バイパスに対する抵抗感がありませんので、おかしければ即、バイパスを置くことができます。しかもon-pumpですので、かなり楽に感じます。しかし、AMI合併の解離の成績はやはり厳しいもので、目は覚めたので頭はよいのですが、まだLOSが続いており、CVP高くて完全な右室梗塞といった感じです。どこまで心臓が回復してくれるかによりますが、なんとかしたいものです。バイオグルーは初めて使いましたが、10秒程度でガチガチに固まりますので解離腔の閉鎖には安心感があり最高ーですが、吻合部に外から塗布するのは、よし悪し、今回も末梢側は丁寧に縫いましたので、運よくか、バイオグルーのおかげかわかりませんが、針穴からも出血はなかったのですが、中枢側がね、へたくそな吻合でしたので、やや出血してしまい、バイオグルーのおかげで、周りの脂肪ともくっついちゃって、どっから吹いているかよくわからず、、、、おまけにガチガチに固まってしまっているので、追加吻合がやりにくい、、、。
そもそも出血させるのがいけないのだが、やはり、針穴程度の出血にはよいのであろうが、へたくそな吻合の外科的出血には、さすがのバイオグルーも歯が立ちませんね。当り前か、、、バイオグルー塗布する前に、怪しいところは追加しておいたほうがよかったかな、、、ちょっと反省、でも血流再開の前にドライな状態で塗布しないと意味ないしね、、、うーん、まー、そもそも、こんなのに頼っていてはいけないのだな、きれいに吻合することですね。大体において、末梢側はえらい丁寧に吻合するからよい出のあるが、中枢側はどうしても末梢側が固定されているし、気が抜けてしますのでしょうか、吻合の精度がおちると思われる。吻合の方法も、少し検討してみたいと思う。あともう一つ、私は大血管のグラフトはいつもかなりツンツンにするのが好きなのだが、今回もツンツンにしたら、SVGの中枢吻合を置くスペースがあまりにも無くて苦労した。これも反省点、、、バイパスを追加するときは、もう少しグラフトに余裕を持たせるか、もしくは血管径にもよるがややべべリング状にというか、斜めにカットして人工血管の全面だけを広くとるようにすべきと思った。いろいろと自分でやってみると反省点が出てきます。前回の解離のときも両側のAMIを伴っていた症例であり、両側にステント3本入れてもらっていたけど、結果的にポンプ離脱後に、あとからバイパスが必要となり、その反省を踏まえ今回は先にバイパスを置いたのですが、前回はポンプ離脱後ということもあり、パーシャルかんだらえらいことになり、人工血管のパーシャルはかめないということが判明したのでした。
なかなかシンプルな解離に当たらないのですが、今回もいろいろと反省点がありまして、結果的に救命できましたのでよかったですが、また次につなげたいと思います。