あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

油断禁物

2012-04-30 09:23:40 | Weblog
一人でやっていく上では、術前後のマネージメントをシステム化しないことには、体が持ちませんので、パスや書類などをいろいろ作っていますが、今はまだ、あちこちから呼び出され、なかなか大変であります。あまり最初から飛ばして張り切りすぎるのも、いけませんが、今頑張って、いちど軌道に乗ってしまえば、おそらく後が楽だと思いますので、ここは頑張るところであります。
一例目のAAAの方はスタッフのケアのおかげで、順調に運びまして、無事7日目で退院となりました。
2例目のOPCABの方も、5日目にCAGを行いまして、グラフトの開存を確認できましたので、じき退院となります。
さすがに、術後造影の時はカテ室で緊張しながら結果を今か今かと待ちまして、3本とも開存しているのを確認できたときは、これで首がつながった、とりあえず、この病院で給料もらえるかなと、ホッとしました。

ありがたいことに手術適応の患者さんをばんばん紹介していただいていますが、やはり重症な方や、手術が一筋縄ではいかないような方も結構いまして、どうしたもんかと思います。これまでの経験から、手術のストラテジーとイメージは思い浮かびますが、はたして着任したばかりの今の自分が手を出してよいものかどうか、前任地ではスタッフもシステムも上司たちが作り上げて、チームとして出来上がっていたから、難しい方もなんとかなっていたのだと思います、いくら、自分のイメージができていても、チームみんなが共有できていないと、イレギュラーな症例は取り返しのつかないことになりかねませんので。
ただ、どうしても、やらなくてはならないケースもあると思われ、慎重に慎重を重ねたうえでの検討が必要です。
本人、家族、そして病院にとっては結果が全てです。重症だったなんていう言い訳は、現場の人にしか通用しませんから、つらいものです。