お盆前の心臓手術、本日で終了となりました。
今週も入れるつもりはなかったが、severe Asによる2回のCPAを乗り切った元気なおばあ様が、最初は手術を拒否していたようですが、手術を希望され、本日、お友達を呼んでやりました。
ただ、なかなか一筋縄ではいかない方、10年ほど前に当院でCABGやってて、グラフトは3本とも開存、でもラッキーなことに、前回の手術はOPCABであり、冠動脈以外はどこも触っていないということ、そして、グラフトはLITA,RITA,GEAでハーモニックできれいにフルスケルトナイズされたグラフトだったので、今回もハーモニックですいすい剥離ができまして、3本ともいとも簡単につかまりました。とはいっても大動脈前面を横切っていたRITA-LADは余計でしたが、これを思うとやはり裏を通すべきかと、今の自分のグラフトデザインも少し考え直すかな、ただ、SVGグラフトよりかなり良いかと、SVGだったらどうするかイメージわきません、こんなにすいすい剥離できなさそうだし。結局、剥離に一時間ぐらい要しましたがあとは、ほぼいつも通りの手技です。
あとは、心筋保護のことだけ、順行性だけでは入りませんので、逆行性併用で、今回は癒着剥いでないので、さすがにブラインドとはいかず、ちゃんと2本脱血にしてCSに直視で挿入しました。
大動脈とバルサルバの石灰化をよけてJ切開にして、今回もMITROFLOW使わせていただきました。
21mmが通過しましたが、癒着と石灰化とでバルサルバがまったく広がらない方でしたので、石灰化に引っかかる可能性あり19mmを選択、針も16mmで正解。
出血もなく、遮断は1時間で手術は剥離の分だけ余計にかかりましたが4時間ほどで終了。
グラフト捕まえられなかったら、20度にして、全身高カリウム、間欠的循環停止でやろうと思っていただけに、OPCABとスケルトナイズのall arterial graftにすくわれました、10年前にこの手術をわずか5時間でやっていた前任者はやはりレベルが高いです。
再手術やってみて、前回の術者の考え、レベルなどなど、初回手術から学ぶことは何気に多いです。