今さらですが、東京五輪開始の前後で、首都圏の新規感染者が爆発的に増えたことと、五輪が終了して2週間後には、感染者が急速に減少する局面に入ったことの、科学的な分析が、まだちゃんと為されていません。
しかし、多くの国民がそう考えているように、あの時、五輪開催の3週間前から海外の報道陣の入国が始まって、ルールでは宿泊施設の外には出られないはずだったのが、そのルールが全く無視されて、彼らは隠れて、日本全国のキャンプ地に、各国選手団の取材に行っていました。
そして、そのタイミングの2週間後から、東京都の新規感染者数は、1000人を超え、2000人を超えて、6000人近辺まで急増。もちろん、実際はその10倍から30倍の感染者が出ていたと言われていますが、検査が追い付かずに正確な数字が判らなかった。
何とか東京五輪が終了して、選手団も、各国の報道陣も、国外へいなくなったあと、我々日本人は、この感染爆発に恐れおののいて、外出すら避けるという徹底した感染防止策を執り続けました。結果として、五輪閉幕の数週間後から新規感染者の数が激減するようになり、またワクチン接種率が60%、70%と高まるにつれて、今の状況に落ち着きつつあります。
さて、ここで気になるのが、来年2月に予定されている北京冬季五輪と、来年11月に予定されているサッカーのカタールW杯の行方。
まず北京冬季五輪ですが、これは世界で最も厳格な監視社会である中国と、最も自由で規則を守らない各国のスポーツ報道陣との闘いでもあります。銃を向けられようが全く怯むような人たちではありませんし、中国政府があまりに非人道的な対応をしようものならば、その場から国際映像に乗せて、ここぞとばかり『非人道国家 中国!』をスクープ報道する人たちなので、中国政府としても手を焼くことになると思います。
そして何より、オミクロンの侵入を防ぐのは難しいでしょうから、北京周辺で感染爆発が発生するリスクは相応にあると思います。まぁ、中国ですから、すぐにロックダウン施策を執って、沈静化するまで外出禁止ということになるでしょうが‥。何とか北京五輪とパラリンピックを開催するためには、ある程度の混乱は、すでに覚悟している可能性はあります。
問題は、11月のカタールW杯。こちらは、報道陣だけでなく、選手団も自由気ままでルールを守りません。また無観客だと言うのに、どこからともなく違法入国のフーリガンすら現れる世界。来年の11月まで、まだオミクロン旋風が吹き荒れているとすると、まず中止が延期とならざるを得ないと思います。それだけ、サッカーの国際大会では、ヒトを制御することが難しい。