明日の有馬記念は、『年度代表馬』決定戦と言える注目の一戦です。さて今年の年度代表馬は、3歳最強のエフフォーリアか、海外GⅠ3勝のラヴズオンリーユーか、あるいはグランプリ娘のクロノジェネシスかは、このレースの結果で決まります。
まぁ、有馬記念のレース自体は、天皇賞秋でコントレイルとグランアレグリアというスーパー古馬を倒したエフフォーリアと、グランプリ4連覇を狙うスーパー牝馬クロノジェネシスの2頭の闘いというのが、自然な見方だと思います。
特にエフフォーリアは、皐月賞が4馬身差の圧勝、ダービーは早仕掛けの隙を突かれてハナ差の2着というプロセスを見るにつけ、今から40年以上前の名馬ですが、トウショウボーイを彷彿させるものがあります。トウショウボーイは、皐月賞を5馬身差の圧勝、ダービーはクライムカイザーの出し抜けを喰らって2着。あの頃は、3歳牡馬には菊花賞しか路線がありませんでしたので、不向きな3000mに出て3着に。しかし、年末の有馬記念では、先行逃げ切りの堂々たる競馬で圧勝、2着のテンポイントとともに、古馬の一線級を蹴散らしました。
という訳で、エフフォーリアの頭固定で良いと、まずは結論したいところですが‥。
敢えて心配点があるとすれば、今年は、パンサラッサが離し逃げを宣言しており、2番手にタイトルホルダー、その後ろにはウインキートスやアリストテレス、そして向こう正面からキセキがマクリ気味に前へ出ていくと予想されているので、とんでもないペースで、しかも淀みのないペースで、レースが流れると思われます。こうなると史上最悪の消耗戦になる可能性が高く、前々の位置から勝負すると思われるエフフォーリアにとっては、最後の直線で力尽きる‥という可能性もあり得るということ。2年前の有馬記念で、馬群に沈んだアーモンドアイを思い出して頂くと、イメージが湧くと思います。
ちなみに、トウショウボーイの頃の有馬記念は、前半がスローで、後半の3ハロンでの差し脚勝負になることが多かった。しかも、芝が軽い野芝だったので、マイラーだったトウショウボーイでも、十分にこなせる2500mでした。
さて、そんな消耗戦になれば、後方から進んでいくと思われるクロノジェネシスにはもってこいの展開に。また横山典騎手ならば、最後方から一発を狙うだろうシャドウディーヴァや、長く良い脚を使うアカイイト、またまた、中団からレース展開によって、いつでも仕掛け始めることができるディーブボンドなども面白くなります。
エフフォーリアが、40年以上前のトウショウボーイの如く、その強さを日本中に見せつける有馬記念となるのか? あるいは、あっと驚くダイユウサクの時のような有馬記念になるのか? もう一晩、考えることに致します。