大阪府堺市のスーパーヒーロー、藤浪晋太郎投手が大変なことになっています。何と、メジャー1年目で、すでに5勝目を挙げており、これはもう、同期のライバル大谷君の1年目の実績を超えてしまいました。
そもそも、藤浪晋太郎投手は、高校時代は大阪桐蔭で、春のセンバツ、夏の甲子園、秋の国体と三冠を達成したスーパースターで、阪神タイガースにドラフト1位で入団後も、1年目で10勝6敗、2年目は11勝8敗、3年目には14勝7敗と、プロ野球を代表するエースへ順風満帆のスタートを切っておりました。ところが、2016年頃から原因不明の「イップス」症状が出始めて、突然にコントロールを乱して、試合をぶち壊すピッチャーになり下がってしまいました。
それからの6年間、プロ野球界の名選手や名コーチが、束になって、このイップス症状を直そうとしましたが、結局上手くいかずに、とうとう本人の最後の希望であるMLB挑戦を認めることで、この天才投手を日本球界から放逐する形に。
これを拾ってくれたのが、MLB内でも効率経営で有名なオークランド・アスレチックス。藤浪投手との契約は、MLB最低年棒での契約のようですが、それでも阪神時代の年俸よりも高く、しかも、今のアスレチックスはとても優勝を目指せる状態ではないので、怪我さえしなければ、先発でも、中継ぎでも、敗戦処理でも、何でも投げるチャンスが回ってくるというチーム。
藤浪晋太郎投手のように、技術を突き詰めるというよりは、自らの感覚を頼りに投げる選手にとっては、メジャーという最高レベルの舞台で、数多くの投げるチャンスを貰って、とにかく自分の感覚を磨き上げることが大事。願ってもない機会を貰い続けているのが、現状なのではないでしょうか。
最初に先発を任されていた頃は、タイガース時代と同じく、4回5回あたりで突然荒れ球癖が出て降番するケースが続きましたが、そのあと、敗戦処理や中継ぎを任されるようになって、ペースを掴むと160㌔を超える剛速球で、ピンチを救う場面もシバシバ。だんだんと感覚が、あの輝いていた高校時代に戻っている気がいたします。
歴史を紐解いても、江夏豊投手とか、江川卓投手のように、理論を突き詰めて成功した大投手もいれば、自らの感覚と燃える魂を大事にして投げ続けた、鈴木啓示投手のようなタイプもいます。藤浪晋太郎は明らかに、鈴木啓示タイプの天才なのだと思います。
どうせ、日本に居てもチャンスは貰えないのだから、アスレチックスと契約を続けて、もっともっと、自らの感覚を研ぎ澄ます機会を増やす方が良いと思います。
思い切り、大化けしてしまいましょう、晋太郎君。
大阪府堺市のファンは、今でも君の復活を信じて祈っていますよ!