大谷選手の2021年シーズンが終了しました。
それにしても、9月に入ってからの徹底した敬遠対応に、ウンザリした日本人は多かったことと思います。しかし、当の大谷選手が、あまりに大らかに、にこやかに、敬遠対応を受け止めていたため、我々ファンとしては、ブーイングはしつつも、「勝負事だから仕方ないか‥」と諦めていたのではないでしょうか?
辛口解説で有名な、NHKーBSの元日ハムの武田一浩氏ですら、「相手チームはプレーオフが懸かっていますから、ここは敬遠で仕方ない」という説明。
でも、冷静に考えてみると、「じゃ、プレーオフになったら? ワールドシリーズになったら? もっと短期的な勝負に拘るから、みんな敬遠するのか⁉」
そんなワールドシリーズは見たことありません。9月に入ってから、これだけ極端に大谷選手が敬遠に遭っている理由は、別にあると考えるべきです。かつて、阪神のバースや、近鉄のローズが、王選手の55本の記録を破ろうとした時に、全てのチームが勝負事に関係なく敬遠を選択したように、「国民感情」に沿った敬遠対応というのがあると。
ヤクルトのバレンタインの時、さすがにファンの間でも議論が起きて、「敬遠対応で記録を阻止するのはおかしい」という世論が巻き起こり、やっと普通の野球に戻って、年間60本の記録が達成されました。
今回の大谷選手の敬遠騒ぎの背景は、明らかに「差別」だと思います。メジャーリーグは約150年の歴史がありますが、東洋人がホームラン王を獲得することに、根強い反感があるということ。イチローの安打記録などは、マイナーな部門との位置づけなので抵抗感が薄かっただけで、ホームラン王とか、三冠王とか、のメジャーを代表するようなタイトルを、アメリカ大陸以外の出身者に持っていかれることは、やはり我慢がならないということだと思います。
ちなみに、我々日本人だって、同じような差別意識は持っています。最多優勝の大横綱の白鵬に対して、さまざまな理由を付けて、一代年寄の付与を止めてしまいました。大相撲人気が落ち込む中で、モンゴル出身の白鵬に、大相撲の隆盛を委ねる時期が長かったにも関わらず、感謝ではなく、「条件付きの年寄襲名認可」の対応ですから、アメリカ人のことは批判できません。
ただし、一番凄いこと、それは、そんなことは大谷選手が一番理解しているということ。だからこそ、今年のホームラン王なんて、そんな小さなことを気にするのではなく、野球をこよなく愛する一人の選手としての姿を、そのまま全米に伝えることで、アメリカ全土に根付く「人種差別意識」そのものすら、ぶち壊して、自分が次に推し進める野球の道を、みんなで喜んでもらおうとして、今は「笑顔で‥笑顔で‥」という対応に終始しているのだと思います。このことに、私は一番の感動を貰っております。
大谷選手、一年間、お疲れ様でした。来年も、日本人は、いや、野球を愛する人間は全て、あなたを応援すると思います。
大谷選手、頑張れ‼