☆フェアリーベルの暖輪室☆・・・♪京都風日和♪

時空のキラメキのなかで、感性を研ぎ澄ませ、
吹く風のままに・・・ちょっと不思議な話も・・・ 

蛍、ほのかにうち光りて

2009-06-20 23:41:23 | 徒然

蛍の飛び交うのを眺めながら川沿いを歩いた。
気持ちいい風が吹いている。

うる覚えの「枕草子」の一節が頭に浮かぶ。
「夏は夜、月の頃は更なり。
闇もなほ 蛍の多く飛びちがいたる。
またただ一つ二つなどほのかにうち光りて行くも
をかし、、、」
 
かすかな草の香りに包まれて口ずさみながら歩く。
平安の頃は漆黒の闇の中
数え切れぬほどの蛍の柔らかな光が
点いたり消えたりしながら飛び交っていたのだろう。
幻想的な世界が目に浮かぶ。
 
小泉川の中流から上流にかけて「源氏蛍の里」を蘇らせた
この地域の人たちの労苦は知ってはいたが
「観にいこう」と思いながらも此処何年か
時期をいっしてしまっていた。
昨年と1昨年は友人の誘いで宇治の山深くに
「蛍がり」に出かけたが
今年はその友人も生まれ故郷の長野に引っ越したので
「今年こそは地元で!」と早めに夕食を済ませて出かけた。

京都・西山の麓、小泉川にかかる橋のたもとに来ると
ちらほら見物らしい人たちが、、、。
「ホタルをとらないで」の看板も見られる。
車を止めて草が綺麗に刈られた土手をを
川に沿ってゆっくり歩く。
川面に目をやるとあちらこちらにちらほらと
蛍が柔らかな光を放っている。
ボーっとした光がスーっと消えたり点いたり
飛び交っているのが何とも言えず風情がある。
たくさんとまではいかないが充分楽しめる。
かえるの声や虫の音も聞こえてくる。
夏の夜の香りがする。
 
蛍について以前しらべたことを思い出した。
「蛍の光」はオスとメスとの出会いの信号だという。
オスがメスの近くで決まったリズムの光を放つと
メスはそれに応えるように、2秒ほど遅れて光る。
 
葉の上にとまってほのかに光っているのがメス。
オスは川の上を飛び回って強い光を放つ。
オスは点けたり消しり光を点滅させながら
葉の上のメスのほのかな光を見つけると
飛びながら近づいて行く。

今年はそのことを思い出したせいか
寄り添って互いに光る蛍のカップルを
ことのほかたくさん見かけた。
 
ほのかにうち光りていくも
いとをかし、、、。

                 
コメント
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