駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

牡蠣フライ

2008年10月08日 | 旨い物
 秋になると牡蠣フライが食べられるので嬉しい。子供の頃から大好きで、冬に数回母が作ってくれるのを楽しみにしていた。Rの付く月になれば大丈夫と言いながら実際には11月から2月ぐらいまでの限定だった。
 残念ながら結婚後は妻と牡蠣の相性が悪く、僅か数回登場しただけで、以後我が家のメニューから追放されてしまった。希に自分で作るが、ちょっと面倒なのと結構難しいのであんまりやらない。意外に揚げる料理は易しそうで難しいのだ。
 そんなわけで、外食時メニューに牡蠣フライがあれば注文する。小振りの牡蠣をカリカリと軽くしっとり揚げたのを出してくれる店は少ない。プロにも牡蠣フライは難しいらしい。塩、タルタルソース、ウースターソースどれでも美味しいがレモンは欠かせない。小振りで厚みのある牡蠣が一番美味しい。外国では食べたことがなく日本人の発明だと思う(調べたわけではない、間違っていたら教えてください)。揚げたてを、やや辛口ワインとフランスパンでもよいのだが、一口ビールと米飯で頂くのが格別に宜しい。
 
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

口説いているみたいだが

2008年10月08日 | 診療
 医療現場に於いてインフォームドコンセント(説明と同意)の重要さが強調されるようになって久しい。総合病院で手術などの前には十分な時間を掛けて、本人や家族に手技や意義について丁寧な説明がされるようになった。一定の成果は得られているが、医療訴訟は残念ながら全然減っていない。
 町医者の外来でも説明と同意を目指して日々努力をしているが、しばしば頓挫する。説明してもなかなか同意されない方が結構居られる。手術などと違い、内科慢性疾患の結果は何年も先にならないと分からないので、結果が思わしくないから拒否というわけではなく、誠に不思議な理屈によるのである。
 減塩食減量を指導したあげく、「血圧が下がりませんね、薬を飲まないと駄目ですね」。
 「でも、一度飲み出すと止められないでしょ、薬はいいです」。
 「えーっと、血圧は風邪や膀胱炎と違って、3,4日で治る病気ではないんです。薬は飲んでいる間しか効かないから止めればまた血圧が高くなってしまいます。だから続けて飲むんですよ。十年二十年飲んでいる人も一杯居ますよ。それに中には止められる人も時々はいますよ」。
 しぶしぶ「じゃあ、一番弱いのにしてください」。
 「それではとても弱いお薬で始めてみましょう」。なんとか納得して帰られる。
 これでうまくゆけば御の字なのだが、うまくゆかないこともある。三ヶ月後。
 「ちょっと、血圧の下がりが悪いですね。朝の血圧がまだ140を超えることが時々ありますよ。夕方もう一種類飲んでみましょう」。
 「薬が増えると悪くなったみたいだから飲みたくないわ。私は一つがいいの」。 「そう、それだったらもっと痩せなきゃ、あと3kg、60kgを切らなきゃ駄目だな」。と痛いところを突く。あれこれ押したり引いたりを繰り返してやっと必要な薬を飲んでもらえるようになる。こうした患者さんのほとんどは女性だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする