駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

不安定も続けば

2008年10月27日 | 世の中
 碁や将棋、テニスやゴルフもそうかな?、では負けが込むと調子が悪い、全然勝てないと絶不調と言う。ほとんどは本人弁。これが半年以上続けば調子が悪いのではなく弱くなったのだと判明して、ハンディを変えますかなどと言われ、甚だ不愉快というか居心地が悪くなる。
 天気の場合はどうか。もう十年くらい患者さんと、今年の夏は青空が見えないねえ、今年の冬は寒くないねえ、なんだか急に大雨が降りますねえとか話をしてきた。気候に10年は単位としては短すぎるかしれないが、人間の感覚ではこれは異常が常態となってきたように感じられる。
 10月末にしては暖かい、朝表に出ると前の山の中腹に靄と言うか雲がかかっている。一幅の日本画のようで美しいのだが、季節感が伴わない。あれ今の季節はいつだったかなと、認知症の患者さんのようについカレンダーを見たくなる。成る程、福島県昭和村の紅葉の写真だから、今は秋かと納得する始末だ。
 10月になると今年も年を越さねばならないからなあと町工場の社長の友人はため息をつく。町医者の私は、柿や蜜柑が実る頃には医者が青くなると言われながら実は4月の保険改訂以来青くなったままなのだが、今年の冬は風邪が流行るかなと気になる。
 世の中も気候も不安定が常態と成りつつある平成20年代をどうやって平静に生きてゆくかなどはシャレにもならないなと、坂道を下りながら考えた。
コメント
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