駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

救急年齢の自覚

2008年10月24日 | 医療
 災害救急時の医療体験を聞いた。阪神淡路大震災に遭遇された救急医の生々しい話で、いくつか強烈に心に残った言葉があった。
 *最初の48時間は自分の命は自分で守らなければならない。(水さえあればなんとかなる)。
 *救急医療の最初の仕事は生きているか死んでいるかを見分けること。
 *死体の安置場所がなくてに困った。
 *年寄りの医者は使い物にならない。
 *内科医は役に立たない。(そうでもないと思いたいのだが)。
 災害救急時には何か役に立ちたいと思っていたが、どうも難しいと知って残念に感じた。毎日診療できているので、使い物になるかと思ったが、そう言われれば確かに余力がなくなった。30代40代の体力のある医者でないと不眠不休で頑張れない。体力がなくへたばった医者は口うるさく治療しにくいので足手まといとのこと。
 年齢というのは不思議な物で、なかなか自分を年寄りとは感じない。80歳を過ぎ足が弱ると、さすがに年を取ったと言われる患者さんが多いが、60代ではまだ自分を年寄りとは思っていない人がほとんどだ。
 年齢というのは面白いもので、自分の年を中心に周りが見える。40歳の人には30歳は若く50歳は年寄りに見える。60歳の人には50歳は若く70歳は年寄りに見える。
 自覚的には年寄りでないつもりだが、災害時には使い物にならないらしい。二、三週間もすれば年配の内科医にもやる仕事が出てくるだろうから、それまでは自分と家内の身を守り、自力で救援を待てればそれで良いのかもしれない。
 それよりも何よりも、災害には遭いたくない。まして人災などまっぴらごめんだ。
 
 
コメント
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