駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

羽生の強さ2

2008年10月03日 | 趣味
 NHK100年インタビューで羽生の強さの源泉を確認した。将棋はゲームで盤上が全てと認識し、番外に影響されず、柔軟に指すことができるのが羽生の強さと思っていたので、ほぼ予想通りの内容だった。もちろん将棋そのものが強いのだが、それはトップ棋士の間では薄紙一枚の差なので、羽生のダントツの七割以上の勝率を全ては説明しないと思う。やはりいつでも実力の8割以上の力を出すことができるところに高い勝率の源泉があると思う。これはどの対局もということだけでなく、一局の中でも序盤中盤終盤を通じてという意味も含めてのことだ。
 いくつかの発見もあった。まず常識があること、これはいつも聞かれるあるいはたいして面白くもない質問にも丁寧に答え、語彙が十分なことや正直な表情から見て取れた。おそらく各分野の一流の人と接する機会から自然にそして意識して身に付けていったと推測する。棋界の第一人者に常識があるなどは失礼な言い方かもしれないが、天才にはしばしば常識のない人がいるので、嬉しく安心した。それとどんな戦法も平然と指しこなすが、やはり好きな戦法というか得意な戦法が本当はあるらしいこと。最後に公式戦でないと身に付かないものがあると考えていること。これは実験的な手を公式戦で試み、それを次に活かしているらしいのに気付いていたので、やはりそうなのだと思った。
 誠に月並みな印象だが強い人だ。
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渡小月

2008年10月03日 | 医療
 医業を含め顧客相手のサービス業だと天候が来院顧客数(患者数)にかなり影響する。おそらく医業は天候の影響が少ない方だろう。それでも小雨で1割、雨で2,3割、大雨で4,5割程度減少する。特に賞味期限のある物を販売しているわけでもなく、患者さんが少なくても書類を書く仕事があるので、商品を廃棄する羽目になったり、暇で困ったりすることはない。もちろん収入は減るが。
 補償作用というか補償効果というか、少ない分翌日あるいは翌々日に、いくらか来院数が増える。だいたい来なかった数の70%くらい来院されるが、30%程度は回復出来ない。自然治癒したか、他の医院に行かれたか、自己判断で受診を先延ばしにしたか、だと思われる。高血圧や糖尿病の患者さんの中には28日分の薬を出したのに40日後に来院して、素知らぬ顔の方も結構おられる。「あれ、お薬足りなかったんじゃないですか」。と聞くと「えへー、ちょっと飲んでなかった」。と言う人と「ちゃんと飲んでいた」。と言い張る人と二つに分かれる。どちらにも、きちんと飲んでくださいねとお願いしている。以前は飲んでいたという人を尋問したりしたが、あまり友好が深まるわけではないことがわかり、目に余る人以外は柔らかく対応している。
 小児科や町中あるいは専門性の強い医院は予約制にしているところもあるが、当院あたりだと、高齢者が予約を忘れる、予約を尋ねる電話が入る、実際にさほどお待たせしない、私自身が予約を好まないなどの理由で予約は取っていない。私の経験では受診の予約があると数時間前から行動が制限され、時間通りに行って2,30分も待たされると不愉快になり、よい方法と思われない。
 そんなわけで天候任せ患者さん任せで、医院を開けている。面白いことに予想外ということが時々あって、雨で忙しく好天で暇ということもある。
 サービス業はそういうもののようだ。
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