駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

春の兆し

2009年02月11日 | 自然
 三寒四温とは昔の人は上手いことを言った。寒い日もあるが日が差せば暖かい日も出てきた。おそらく朝氷点下の春遠い北国にも、どこかに春の兆しがあるのだろうと想像する。医院の中庭の木に小さな緑の芽が出てきた。どうも天才的に写真が下手くそで、よく分からない写真ではあるが。
 そろそろ待合室の雪化粧の絵を早春の絵に変えようと思う。たかだか二枚の絵を換えるだけだが、入ってきた時の印象が随分違うから面白い。季節ごとに十二、三枚の絵を順繰りに回しているだけだが、患者さんの中にはどんどん違う絵が出てくると思っておられる方も居る。
 時々は患者さんの作品を飾らせて頂く。自分は土地の人間ではないので、何気なく患者さんの力作を掛けていたら「これは**川の橋ですね」。と嫁に来る前に住んでいた地名を挙げ懐かしげに長く見つめられる方が居たりする。もう今はない古い橋だそうで、ああそうなんだと教えられた。たかだか30kmくらいしか離れていないのだが、嫁に来るとさほど帰ることもないのか、あるいは昔の橋で懐かしいのか。写真とはまた違う、感興が湧いたようであった。
 春は生命の復活で元気が出そうに思うが、実は憂鬱な気分に襲われる方も多い微妙な季節でもある。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする