駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

医院はトヨタ日産とは参らず

2015年03月19日 | 医療

             

 今朝は雨、雨がよく降る。冷たい雨ではないが本降りなので、歩くのが遅くなり、いつもの電車を逃してしまった。たかだか十一分だが遅れて到着した。

 今年のベースアップは大手軒並みに昨年を上回るものらしい。どうして収益で劣る日産の方がトヨタよりも高いかよく分からないところもあるが、概ね業績に比例した賃上げのようである。果たして中小零細企業ではどうなのだろうか、従業員が八人の我が医院は零細企業ということになると思うが、4月が来るとベースアップをすることになり、頭が痛い。

 驚くべき事なのかどうか分からないが、過去二十数年毎年大体一定の金額でベースアップをしてきた。だから開院時の倍近い給与になっている。これは院長の私が昭和四、五十年代の感覚を持っていて、給与は毎年上げるものだと思っていたせいかもしれない。患者数はこの十年はほぼ横ばい、収益はこの数年横ばいである。今年は遺憾ながら数百万円の減収になっている。おそらく、医療費抑制が財政再建の本丸と位置づけられているので、これからも長期低落傾向が続くだろう。そうした医院にもベースアップの圧力は掛かってくる。追い詰められれば、院長の給与を減らし、それを従業員に回さざるを得ないだろう。

 果たしてそうしたことが出来るだろうか?。その頃には引退している可能性が多くあまり切実ではないが、どうなることかと思う。世間にはやっかみという正義があるから、儲けすぎ?の開業医には当然の結果という声が上がりそうだ。

 いずれにしても、景気回復は歪んでおり、猫も杓子もとは参らず、トリクルダウンの恩恵にはあずかれそうにない。

コメント
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